破壊神が斬る!   作:コードα

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スタイリッシュ強襲1

タツミの情報とカズマの交戦経験を基にした作戦会議は割りと早く終わり、タツミの帰還祝いとアジトではどんちゃん騒ぎになっていた。

 

『後を付けられていなければ良いのだがな』

 

警戒するモデルZを他所に酒が進むレオーネ、カズマもそれはないだろうと高をくくっていた。

 

無限に近い長さを誇るクローステールの探知結界を探知されずに抜けるのは不可能に近い。

 

「てか、未だに信じられない・・・・あのエスデスがタツミに惚れたなんて」

 

ジョッキを片手に呆然と呟くラバ。

 

「エスデスは性格はアレだが美人だよなぁ・・・」

 

カズマもグラスを傾けつつ、ふっと思い出す。

 

確かにエスデスは美人だが、ドSである。こと新たな扉を開かない限り相容れない存在だ。

 

てか敵同士である。

 

「どこまでも年上キラーなんだ!!」

 

ダンッ!とジョッキをテーブルに多叩きつけるラバ、中身の酒が盛大に零れ、宙を舞う。

 

「ふんっ!ドSなんかにタツミはやるものかっ!先につばをつけたのは私なんだ!!」

 

タツミを抱き寄せ、その豊満な胸に押し付けながら酔ったレオーネが吐き捨てる。

 

「マジで!?エスデスだけでなくレオーネからもキスを貰っているのか!!?」

 

『お前も喰い付くのか』

 

もはや酒の入ったノリについていけないモデルZである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流石は数百年間の経験は伊達ではないと言うべきか、モデルZの警戒通りに敵はつけてきていた。

 

Dr.スタイリッシュとその一派である。

 

スタイリッシュ自慢の強化兵が突破を可能にする。

 

筋肉質も大男・“目”が、カズマが高をくくる原因とも言えるクローステールの探知結界を察知、同じ動きで糸を避けるよう他の面子に促し、細身の“鼻”が僅かに残ったアカメ、タツミたちの残り香を追い、中性的な男“耳”がどんちゃん騒ぎをしているアジトからの物音を察知する。

 

「あの子、怪しいと思ったけどび~んご♪」

 

崖に着いた四人、スタイリッシュは指を鳴らす。

 

「ナイトレイドのアジト、み~っけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタイリッシュに抜かりは無かった。

 

対村雨を意識し、人体の急所とされる主要箇所以外を機械に置き換えたトビー。

 

セリューがシェーレから奪った帝具を扱う巨漢・カクサンを対インクルシオに当て、持てる強化兵は全て投入する攻撃。

 

そして、帝具には劣るが切り札ともいえるライブメタル装備兵・エルがカクサンの横で獲物のハルバートを肩に担ぐ形で呆れたような目を向けている。

 

スタイリッシュは振り返り、声をかける。

 

「カクサン。あんたの帝具は、メンテナンスするって言う名目で持ち出したんだから、傷付けちゃダメよ」

 

「ワハハハハハ。俺の頭脳と体力で、使いこなして見せます」

 

カクサンは帝具を肩に担ぎながら豪快に笑い飛ばす。

 

「トビー、アンタは大物狙いよ。いける?」

 

「最高のコンディションです。誰にも負ける気がしません」

 

力強い返事が返ってくる。

 

「エル、アンタも大物狙いよ。」

 

「わーってるわ。一々身体をくねらせないで気色悪い」

 

ライブメタルに宿る意識が前面に出ているエルは、強化兵の中唯一言葉にとげがある。が、それは裏づけされた実力から来る物だ。

 

(ま、アンタは勝とうが終わりなんだけどね)

 

そんなエルにスタイリッシュは斬り捨てるつもり満々だった。

 

ゼロによしんば勝てたとして、最後は華々しく散ってもらう。

 

人間爆弾として。

 

「さぁ、あんた達。ビンビンにあばれてっらっしゃい!手はずどおりにね」

 

スタイリッシュにとって敗北と言う結末はありえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『む?』

 

会議室の長机の上でモデルZは久しく感じて居なかった気配を感じて浮かび上がる。

 

この世界に現存するライブメタルはモデルZが知る中で四つ、始皇帝が健在だった時に起きた最初の帝具に組み込まれた紅蓮のライブメタル。

 

モデルH、F、Pは後の皇帝が臣具の開発の糧にし、後の反乱で破壊された。

 

モデルXはこの世界に渡っていない。

 

今、帝国に保管されているモデルL、氷を司るライブメタルと銃撃に特化したモデルA。

 

一つは動けないのだが、残り二つは何処にあるかさえ、適合者が居るのかさえ不明だった。

 

『・・・・敵か。』

 

モデルZはそう呟いて、机の横で死体よろしく酔いつぶれている相棒を見下ろした。

 

そんな中、レオーネが部屋を出て行く。

 

「まだ、ねむ・・・・」

 

帝都へ移動する為、眠気を覚まそうと顔を洗うのだろう。

 

『・・・・不味いな。この有様では』

 

酔いつぶれて倒れているラバックとタツミ、カズマを見てそう呟くモデルZ。

 

それは丁度、レオーネが襲撃される僅か前だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯船の淵に屈んだレオーネは顔を洗ってすっきりした直後だった。

 

お湯の揺らぎの中に何か居た気がした。

 

刹那、

 

ドスッ

 

突如、水面下から飛んできたナイフが、レオーネの顔面に突き刺さった。

 

その間、僅か一瞬。

 

レオーネには、対応する時間すら無かった。

 

そのまま、水しぶきを上げて湯の中へと倒れ込むレオーネ。

 

入れ替わるように、湯の中からナイフを手に男が現れる。

 

革製のスラックスに、上半身には素肌の上からジャケットを被った、軽薄な印象の男だ。

 

この男こそが、スタイリッシュが先行して潜り込ませた特殊工作担当の強化兵である。

 

男は倒れたレオーネを見て、ニヤリと笑う。

 

「けひっ やりましたぜスタイリッシュ様。このトローマが、1人仕留めましたぜ。引き続き、任務を続行します」

 

そう言うと、トローマと名乗った男は、次なる標的を求めてアジトの中へと足を踏みこんで行った。

 

彼の役目は遊撃。気配を消して物陰に隠れ、敵が隙を見せた瞬間を逃さず仕留めるのだ。

 

 

 

 

 

「・・・・・・との事です。スタイリッシュ様」

 

「上出来よ。流石は桂馬の役割。敵地へ飛び込んだわね」

 

トローマの囁きを察知した“耳”の報告に、スタイリッシュは満足げに頷きを返す。

 

スタイリッシュは自身の手駒である強化兵達を、将棋の駒に例えている。

 

斥候役で、常に自分の傍らに置いておく“目”“鼻”“耳”は金と銀、機動力が高く、武術に優れるトビーは飛車、堅い防御で敵陣を蹂躙するカクサンは角行、身軽な動きでトリッキーな戦術を得意とするトローマは桂馬。

 

そして、この場にいないセリューは、真っ直ぐにどこまでも突撃していく攻撃を得意としている事から、香車に分類している。

 

当然、王将はスタイリッシュ自身と言う訳だ。

 

同じライブメタルを核にするスタイリッシュ最高傑作は、将棋には存在しない駒、クィーンだ。

 

ライブメタルと言うガラクタの力を引き出す為に、スタイリッシュは女性素体を使った。

 

ゲイであるスタイリッシュとしてはありえない選択。だが、主義を反してでも手に入れておきたい戦力であったのは言うまでも無い。

 

これで狼煙は上がった。あとは一気にたたみかけるのみ。

 

「さあ、チーム・スタイリッシュ。熱く激しく攻撃開始よ!!」

 

 

 

 

 

 




さてさて、ナイトレイドの新メンバーはロックマンシリーズから一人追加します。

帝具持ちです、ロックマンにもなります。

でも、カズマに帝具はありません。

「おい!」←つっ込むカズマ
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