破壊神が斬る!   作:コードα

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苛立ちを斬る

帝国から南東の山岳地帯、その峡谷で革命軍本隊に合流を目指す地方部隊と帝国軍の遠征部隊が衝突していた。

 

いや、衝突していたと言っても殆ど虐殺だ。

 

帝国側は浪漫砲台パンプキンの劣化型ともいえるブラスターライフルで武装し、精神力が尽きそうなった兵士は後退し、別の兵士が射撃に参加と言う鉄砲隊スタイルで殲滅に掛っていた。

 

「打ち方、止め!残存的兵力を捉えろ!」

 

遠征部隊の指揮官は冷静だった。

 

殺戮が全てではないと知った上で、帝都に情報をもたらそうと木の陰に座り込んだ女性を捉えるよう指示したのだ。

 

「へへ、隊長も人が悪いなぁ・・・!」

 

しかし、兵士達は歪んだ笑みを浮かべる。

 

捉えるのは反逆者、しかもむさくるしい男達兵士は、パッと見て生存を確認できている女性を“ただ”情報を聞き出すだけで終わらせるつもりは無かった。

 

 

帝都に送る前に楽しませてもらう。

 

 

指揮している隊長も含め、屈強な男達のはけ口にしてやろうと考えていたのだ。

 

「へへっ、それじゃ楽しませ貰うか」

 

兵士が歩み始める。

 

「いやっ!!!」

 

「恨むんなら、勝手に死んでいった仲間を恨むんだな。」

 

女性に歩み寄りながら、兵士は徐に死体を蹴った。

 

 

「そうか、ならばお前等も無力を恨め」

 

 

突然、二人の間に降って来た人影。

 

一人の兵が、そう言った瞬間、後続の兵に受け止められた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性ことパイスは、革命軍に加わって間もない密偵だ。

 

森や村に隠れ、溶け込んで移動するのは今いる部隊で彼女の右に出るものは居ない。

その能力を買われ、本部から帝都の密偵を頼まれた。

 

危険度は跳ね上がるが、それが、革命軍の希望『ナイトレイド』の役に立つならと受け入れ、護衛してくれる下帝都軍の男達と移動していた時の事だった。

 

「伏せろっ!」

 

怒号と共に先を行っていた男性が蜂の巣になった。

 

パイスを残して、物の一瞬で男性陣は死に絶えた。うち数人は彼女を庇うように身を盾

にしてである。

 

「うっ、あ・・・!」

 

兵士が歩み寄ってくる。

 

殺される!死にたくない!

 

死んだ仲間の為にもと思っても恐怖で腰が抜け、後ずさる事しかできなかった。

 

「いやっ!!!」

 

全てを拒むように目を閉じて耳を塞ぐ。

 

僅かに聞こえたのは、肉を叩く鈍い音と噂に聞いた存在の声。

 

「そうか、ならばお前等も無力を恨め」

 

革命軍最強の切り札。

 

噂ではエスデス将軍とも互角に渡り合い、生き延びているとか。

 

「あっ!」

 

上手く呂律が回らない、言葉が上手く紡げない。

 

そんなパイスを血のような赤いベストを着た青年は一瞥し、僅かに息を吐いた。

 

「き、貴様!ッ革命ぐはっ!?」

 

一瞬、吹っ飛んだ兵士を支える二人の兵士が声を発し、武器を構えるより早く一撃を見

舞う青年。

 

そして、噂どおりの一言を言い放って攻撃を開始した。

 

「・・・・・処分する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマは偶然、ゲリラ戦に向かう途中で革命軍が追い詰めあられている場面に遭遇した。

 

一方的な殺戮、帝国軍兵士は生き残っている若い女性に下種極まりない笑顔を向けて歩み寄る。

 

この兵士達は雑魚だろう、消しても問題は無い。

 

まぁ、ゲリラ戦の場所が変わるだけだ。

 

最初は駐屯する村を攻める予定だったが、まぁ余計な被害を出さずに済む。

 

兵士を殴り飛ばし、Zセイバーを抜く。

 

何時ものように、決まった台詞を言い放つ。

 

仕事を行う為のスイッチのようなものだ。

 

アカメの「葬る」と同じだろう。

 

 

「・・・・・・・処分する」

 

 

ダッシュで間合いを詰め、Zセイバーの柄と拳で兵士達を押し戻す。

 

兵士が離れないうちにZセイバーで一閃、屈強な男達は紅い液体を鉄砲隊に撒きながら肉の塊となる。

 

「ゼロか?!うちか・・・がっ!?」

 

司令官だろう兵士が叫ぶ。が、遅い。

 

「・・・・・欠伸が出るな」

 

司令官が最後に見たのは、ものの一瞬で処理された自分の小隊。

 

下半身と上半身を切り離された者、首を撥ねられた者、心臓を一撃で破壊された者。

 

そして、今まさに自分が袈裟切りにされている。

 

次元が違う!!

 

それが、最後に司令官が抱いた感想だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パイスは思った。

 

コレが革命軍最強の存在なのかと。

 

情けなど其処に存在しない。聞いていた以上にただ機械的に兵士を斬り捨てた青年に畏

怖すら抱いた。

 

「地方革命軍の密偵部隊だな?大丈夫か」

 

パイスは、張り詰めた空気を一瞬でぶち壊す歳相応の声音に彼を見上げる。

 

今だに不思議な剣をその手に持つ彼は、噂どおり姿を変えた。

 

紺のアンダーシャツと藍色の上着、紅いラインの入ったジーンズと言う服装は聞いてい

た“最強”と一致する。

 

「は、はいっ助けていただきありがとうございました!!私はパイスと・・・・・」

 

パイスが口早に自己紹介まで済ませようとした時、パイスの口はふさがれた。

 

彼もまた膝を折って茂みの影に身を隠す。

 

「しっ!」

 

咄嗟にパイスは身体を強張らせた。が、直ぐに彼が纏う気配が戦闘のソレと変わったこ

とに気がつく。

 

「済まない、ただの思い過ごしだった」

 

そう言う彼の視線の先には茂みから野ウサギが顔を出している。

 

「パァッ!・・・・あ、ありがとうございます」

 

「俺はカズマ、早いところ移動しよう。この後仕事も控えているからな」

 

パイスはそういう彼、カズマに呆気に取られてしまう。

 

(見た感じ歳はそう変わらないのに・・・・あんな)

 

そう思わずには入れない鬼神のような戦いだったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲリラ戦は主に“攻めて引く”、その繰り返しである。

 

駐屯している帝国軍に撤退を余儀なくさせるほどの打撃を与え、必要以上に攻め込まない。

 

ましてや深追いしたらカズマが危険だ。何せ基本単独だから。

 

そして、今回は密偵部隊の生存者を本部に移送するという想定外の事態になったが本部の依頼は滞りなくクリア。

 

ナイトレイドのアジトに戻るとナジェンダから一つの知らせを聞くことになった。

 

 

 

 

 

マインの一時的な戦線離脱とシェーレの死。

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