破壊神が斬る!   作:コードα

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苦難(メンタル的な意味で)を斬る

シェーレの死。

 

何時報いを受けても可笑しくない稼業をしているとは言え辛いものは辛い。

 

人の死は何度も経験した、与える側にもなったし・・・気心知れた仲間が死んでいくのも経験した。

 

ナイトレイドに勧誘される前、カズマは単独で任務に当たっていた。

 

理由は単純だ、就く仕事が普通の武装では難しいものばかりだったし、ロックマンでもないと生存確率は絶望的。

 

時には宮殿の帝具保管庫に乗り込めないかと言う物まであった。

 

同行を名乗り出る者も居た。が、断った。

 

死なせたくなかったから。

 

 

 

ライブメタルを使用して変身する姿を通称・ロックマンと呼称するが、帝具の前ではたいして変わらない、奇抜な防護服程度。

 

ライブメタルは、鎧型帝具の下地になった・・・・いわば帝具の試作段階品。

 

完成品の帝具とぶつかれば劣る部分は必然と出てくる。

 

悲しみに沈む間も無く、カズマはタツミと共にとある文官の暗殺に乗り出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

革命軍からの依頼、ターゲットはコボレ兄弟。

 

オネスト大臣の下について美味しい蜜だけを吸っている文官だ、帝国の力を少しずつでも削ぐ意味で殺せと言う指示だ。

 

タツミとカズマは屋敷の屋根から侵入。素早く移動し、ターゲットを発見。

 

客室で酒盛りをしている二人の姿を壁越しに確認し、視線を交える。

 

「・・・・処理するぞ」

 

小声で呟くとタツミは頷いた。

 

 

 

ドシュッ!

 

 

 

二人は躊躇わずに剣を突き立て、椅子の背もたれごとターゲットを貫く。

 

翡翠の刃と鋼の刃が二人を貫き、カズマとタツミは速やかに部屋を後にし、廊下へ。

暗殺は迅速が鉄則だ。

 

殺しを楽しんで時間をかけて囲まれましたとなれば本末転倒。顔を見られれば指名手配され、行動に制限が掛る。

 

そうなると面倒だ。

 

因みにナイトレイドで顔が割れているのはブラート、アカメ、ナジェンダ、シェーレである。

 

シェーレは殉職しているから帝都からは手配書が消えることだろう。

 

「お父さん、今の何の音?」

 

コボレ文官の息子が起きて来た。

 

幸いな事にタツミとカズマは廊下、姿を見られては居ないがタツミは歯を食いしばって暗闇に駆け出していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アジト付近の川で、タツミは剣に付着した血糊を洗っていた。

 

ゴシゴシとタオルで擦る姿は見ていられない。

 

「クソッ・・・・人を陥れる悪党の癖に、子供には良い父親かよ!」

 

搾り出した様な呟きに思わず返してしまう。

 

「タツミ、一生落ちないぞ。その汚れ」

 

「汚れ・・・・か」

 

沈みきっているタツミを見ていて、こいつは優しい奴なんだなと心底思う。

 

カズマは、最初の事件以降死に対する感情は麻痺してしまった。

 

「タツミ、お前は優しい奴だな。ホント」

 

そう言いながら肩を叩く。

 

『お前にはこの稼業は向かんな』

 

見かねたモデルZも呟いた。

 

「カズマさんは、メンタル強いね・・・」

 

「強い分けないだろ・・・・・ただ志半ばに消えていった仲間の思いも背負って戦うだけさ・・・・・俺にはソレしかできないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

召集後、ナジェンダから悪い知らせが三つ届いた。

 

一つは地方部隊との連絡途絶、チェルシーの居る部隊だけどアイツは早々死ぬような奴じゃない・・・・と思うが気になるところだ。

 

二つ目は北の勇者を落したエスデスの帰還、面倒な事になった。

 

エスデスとは一度殺り合っている。

 

ロックマンと言う異世界の装甲を身に纏おうともエスデスの氷はカズマを傷つけるには十分すぎる威力を持っていた。

 

簡単な話、鉄や合金じゃエスデスの氷は防げない。

 

『なるほど、悩みの種が舞い戻ってきたのか』

 

「旦那は仇敵来襲ってとこか。アイツは何時でも悩みの種だよ!」

 

モデルZが納得した言いたげに呟くとラバが頭を掻きながら心底嫌だと言う表情で吐き捨てる。

 

そして、三つ目。

 

どちらかと言えばこちらが今回の本題だ。

 

ナジェンダが一枚の紙を取り出す。

 

「帝都の文官連続殺害事件。既に四件目だが、問題はこの「ナイトレイド」と書かれた紙が現場に残っている事」

 

「分かりやすい偽者だな、俺達に罪を着せようってのか」

 

「でもさ、普通バレるだろ?行き成り犯行声明なんて」

 

覗き込んだブラートが呆れたように言うとタツミも同様に意見を述べる。

 

「ところが、今は私達の犯行と断定された。」

 

「何で?」

 

ナジェンダが言うとタツミが尋ねる。それに答えたのはカズマだった。

 

「事件を重ねるにつれて護衛は厳重になる筈だ。四件目はその護衛達ごと皆殺しとなれば・・・・」

 

「私達と同等の力を持った者の仕業、帝具使いか」

 

アカメが答え表情を暗くし、カズマは頷く。

 

ライブメタルって可能性も無くは無いが、ソレは限りなく薄いだろう。

 

「これ以上、後の貴重な人材を失うわけには行かない。罠だと分かった上で私は偽者を潰しに行くべきだと思う。」

 

ナジェンダが告げる。

 

敵地に飛び込んでいくのだと、これ以上仲間を失うのは御免だ・・・・カズマは強く拳を握り、ナジェンダに告げる。

 

「今回からは俺も参加するぞ、ボス」

 

「当然だ、お前とモデルZには作戦決行時に囮として帝都近郊で暴れてもらう」

 

『いつも通りのゲリラ戦だな。』

 

ナジェンダから引き受けた役割は、帝都近郊で暴れ、帝国軍の目をこちらに向ける事。

モデルZに言わせればいつも通りのゲリラ戦だ。

 

けど、今度からは気を引き締めよう。

 

 

 

 

もしかするとエスデスが出来てくるかもしれないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

そして、カズマはナジェンダに意見してでもタツミとブラート班に加わるべきだったと後悔することになる。

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