バーに入ると乗務員がカウンターの上に足を組んで座っていた。
ん?あの武偵校の制服しかもふりふりなのは…
「今回もきれいに引っかかってくれやがりましたね」
乗務員はその顔にかぶせられた薄いマスクみたいなお面をぺりぺりとはがし始めた。
「り、理子か!」
驚いてキンジが言う
「こんばんは」
薄いマスクをはがし金髪のツインテールを揺らす理子さん
「頭と体で戦う才能ってけっこー遺伝するんだよね。武偵校にもお前たちみたいな遺伝型の天才けっこーいる。でも…お前の一族は特別だよオルメス」
オルメス。アリアのセカンドネームはホームズだから違うと思ったが、確かフランスではイニシャルの一文字を外すからHを発音しない。理子さんはフランス出身?
「あんた…一体何者?」
「峰 理子 リュパン4世 それが理子の本当の名前」
リュパンでフランスと来ると、フランスの大怪盗アルセーヌ・リュパンか。
4世となると彼女は
「アルセーヌリュパンのひ孫ってわけか」
「ピンポンピンポーン!キーくん大正解!」
そういうことか。
リュパンはホームズの生来の天敵だったはずだ
それで今回攻撃を?
そこまで考えたとき理子は声を出した
「でも家の人間はみんな理子のことを名前で呼んでくれなかった。おっかあさまがつけてくれたこのかわいい名前を、、呼び方がおかしいんだよ」
「おかしい?」
アリアが聞く
「4世4世4世様さぁ!どいつもこいつも使用人まで…理子をそうよんだんだよ。ひどいよねえ」
「そ、それがどうしたのよ。4世の何が悪いのよ?」
アリアがそう聞くが理子はその言葉に看過されたように怒鳴る
「悪いにきまってんだろ!あたしは数字か!ただのDNAかよ!あたしは理子だ!数字じゃない!どいつもこいつもよ!」
この怒りは俺たちには向いていない。別のなにか。
しかし俺は気づいた。その怒りの中に含まれる感情を。
けど俺は発言できなかった。この後にきっと話し合うことができるはずだ。
そう思いこの場はアリアたちに任せることにした。
「ひいおじい様を越えなければ一生あたしはあたしじゃない!リュパンのひ孫として扱われる!」
アリアは真剣な表情で聞いていた
するとキンジが
「武偵殺しは全部お前の仕業なのか?」
「武偵殺し?あんなものプロローグを兼ねたお遊びだ。本命はオルメス4世お前だ」
理子さんの表情が鋭くなる
「100年前のひいおじい様同士の対決は引き分けだった。つまり、オルメス4世を倒せばひいおじい様を超えたことを証明できる。キンジ、ちゃんと役割を果たせよ」
…。
どうやらここでもいないものとしか扱われないようだな。
まあいいよ、俺も手を出さないし…。
「初代オルメスには優秀なパートナーがいたんだ。だから条件を合わせるためにお前らをくっつけてやったんだよ。」
俺たちは静かに話を聞いていた。
理子さんには本性があったのだ。それを隠すために今まで性格を変えてきた。
この時のために、俺たちに気づかれないようにずっと…
「バスジャックもお前が?」
キンジが問いかける
「くふ、キンジぃ形ばかりの時計に目をかけていたらだめだよ。狂った時計を見たら遅刻しちゃうぞ」
なるほど、あの日時計が少し速かったのは納得がついた。
すべてはこの時の状況のため
「何もかもお前の計画通りかよ!」
「んーそうでもないよ。予想外のこともあったもん。チャリジャックで出会わせてバスジャックでチームを組ませたかったのにくっつき切らなかったのは予想外だったもの。白野はおまけだったけどキンジがお兄さんの話を出すまで動かなかったのは意外だった。」
おまけね…別にいいけどね…
それより、キンジのお兄さん?
それはシージャック出なくなった人では?
「くふ、ほらパートナーさんが怒っているよ。一緒に戦ってあげなよ。いいこと教えてあげる。キンジのお兄さんは理子の恋人なの」
「いい加減にしろ」
まずい!今の発言で頭に血が上っている。
ヒステリアモードでもないのに冷静さを失ったら動けないぞ。
キンジが銃をとりだしたので止めようとしたら、飛行機が揺れる。
キンジは銃を落としばらばらになってしまった。
くそ、キンジは使えない。俺が行くか?
「アンタ達さがっていなさい!あいつはあたしを御所望よ!」
バンと床を蹴り2丁拳銃を構えてアリアは理子に襲いかかる。
理子はワルサーを展開アリアを迎え撃つ。
武偵の戦いは防弾制服があるため銃は一撃必殺の武器にはなりえない打撃武器になる。
ワルサー一丁とガバメント二丁の装弾数は互角だ。
「アリア。二丁拳銃が自分だけだと思ったら間違いだよ」
そういうと理子は新たなワルサーをスカートから取り出した。
そして二人だけの演武が始まる
「く、この!」
「アハハハハハ!」
2人は至近距離から互いに銃を撃ち、射撃予測線を避け、迎え打ち、相手の腕を自らはじいて戦う。次の瞬間、弾切れをおこしたアリアは両脇で理子の両手を抑えた。
「キンジ!」
「終わりだ理子」
そう言ってキンジは緋色のバタフライナイフを理子に向ける
しかし、理子は焦っていない。
「カドラ―奇遇よねアリア、理子とアリアはいろんな所が似てる。家系、キュートな姿それと二つ名」
「?」
「あたしも持ってるのよカドラの理子。でもアリア」
違和感
いや、これは危機感か。
得体のしれない感覚が俺を襲う。
何かまずいぞ!
「アリアのカドラは本物じゃない。お前はまだ知らないこの力のことを」
飛行機が揺れるどうしてだこんな時に!
俺たちがバランスを崩していると理子のツインテールがいきなり動き出す
そして背後に隠していたと思われるナイフをそれぞれに持ちアリアに襲いかかる。
一撃目はなんとかよけたアリアだが反対のナイフがアリアを襲った
「うぁ!」
反射的に後ろに下がるアリア
く、仕方ない。キンジが使えない以上俺が出るしかない
「キンジ、アリアを連れて逃げろ!」
そう言って俺は飛行機が揺れたとき流れてきたアイスピックを理子に投げつける
「逃げろって…それじゃあお前が!」
「いいから速く行け!」
そう言って俺はキンジ達の前に立つ。
キンジは頼むと言って客席のほうに引いて行った。
「何をしてくれるのかなあ?しろくん?」
「今度は俺と踊ってくれよ。理子さん」
先ほどのアイスピックをなんなくよけた理子さんはキンジ達が出るのを待ってくれたようだ
「もしかして、しろくんあたしと戦う気?」
「ああ、もちろんそのつもりだ」
理子さんは軽く笑うそれはそうだろう。情報科という武道派ではない奴がたったナイフ一本で逆らおうというのだ笑うのも当然だ
「いいよ。少しだけ遊んであげる」
「その前に理子さんあなたに聞きたいことがある」
理子さんは余裕な顔で俺を見てくる
俺もなるべく平静を装って理子さんに話しかけた
「理子さん。あなたはどうしてそんなに怯えた顔をしているの?」
その言葉を聞いたとき理子さんの表情が消える
その表情を見てまた言葉を紡ぐ
「ごめん、理子さん。今の表情で確信した。あなたは何かに怯えている。それもとても強いものに」
「黙れ…。それがなんだ。今は戦いの場だそんなことを聞いて何になる」
「これは、俺の推測だがあなたは確かにアリアを殺そうとしているが本当は殺したくないんじゃないか。怯えながら戦う理子さんを見て思ったよアリアさんに勝たなければ何かひどいことがおこるんじゃないかって」
理子さんはどんどん怒りに染まった表情をした。
確かにこれ以上言われれば怒るのかもしれないが俺はその言葉を言った。
「もしもその怯える何かをどうにかしたいのなら俺たちがなんとかするよ。今はこうして戦うのかもしれないけど、俺たちは仲間なのだから」
その言葉で理子さんは切れたようだ
けど逆に冷静である。
「お前たちに何ができる…。お前たちじゃ奴を倒せない。無理なんだよあいつに逆らうことは」
そう言って理子さんはワルサーを装填し構える。
「武器を抜け白野。お前から攻撃してくれても構わない」
結局はこうなってしまうのかでもこれも仕方ない。ぶつかりあわなければわからないこともあるのだ
「俺は武器を出さない。持っているが使わないからな」
「はっ!所詮情報科のお前じゃ武器もなしに私に勝てないのに」
「戦いが常に武器だけだと思わないほうがいいよ」
そう言って俺は構える。いままで誰にも見せたことないんだだれも知らないだろう。
「な、何だその構えは…」
そして、俺の飛び出しによる急激な接近で、理子さんは反応が遅れた。
俺は片足を前に出しもう片足を後ろに出して身体を半回転させて最初の足の横に添え、屈んでから突き上げるようにタックルをした。
理子さんはなんとか防御をするが衝撃は激しいようだ。少しふらついている。
俺はその屈んだ姿勢からひじ打ちを打ち出すがそこに理子さんは銃を打つことにより対応した。俺は技をキャンセルし後ろに跳びさる。
距離があき俺たちはにらみ合った。
「何だ…。今の攻撃は。それにどうしてお前はそこまで強い!こんなことは資料には乗っていなかったはずだ!」
「それはそうだろう。今初めて人にみせたからな」
そう言って俺はまた構える
その構えを見て理子さんは何かを思い出したようだ
「その構え…。少し違うが…まさか八極拳か!」
へえ、よくわかったね。そう、今俺が使っている拳法は八極拳だ。
今の技は最初は鉄山靠、次は裡門頂肘という技だ
どこで習ったかって?それは月の世界にいたとき謎の購買部の店員言峰綺礼に教わったものだ。
旧校舎が侵略された際あのユリウスまで撃退した腕前だ。そのあと言峰に教えてくれとせがみ教えてもらったものだ。
あの店員にはさすがに勝てなかったがあの紅茶のサーヴァントと少しの間戦えるくらいの技量をもったのだ(サーヴァントより強いなんてあの店員何者だ?)
しかし、今はあの時ほどの強さはないが。
どうも一般的な八極拳と少し違うものらしいのでこの拳法はあの店員の流派らしい。
その名もマジカル☆八極拳このことは余計なのでつっこまないようにする。
今の攻撃で理子さんの顔から油断が消えた本気でつぶしにかかるらしい
「そこまで強いとは知らなかったよ白野。でもあたしも本気でお前をつぶす!」
そう言って理子さんは走って近づいてきた。
牽制に打たれたワルサーのたまを転がってよける。
立ち上がると目の前に理子さんは来ていた。は、速い!
俺はしゃがんだ姿勢のまま相手の足を狩るように足を出す。
理子さんはそれを軽くジャンプすることで回避した。
俺は急いでたち俺も軽くジャンプをするように二回ひざ蹴りをする。
これは連環腿という技だ。しかし、理子さんはそれを回避こちらに銃を撃ってくる。
俺は連環腿を打ったとき少し浮いているため身動きが取れないよけられない!
体に力を入れて防弾制服でガードする。
バットで打たれたような衝撃を受けるが根性で耐えそのまま回し蹴りを放つ理子さんもガードをしようとするが衝撃を消しきれず後ろに跳びのいた
互いに息を整える
「アハハハ。いいねえ白野そんなに強いとは思っていなかったよ」
「…そりゃどうも」
ダメだ。このままじゃ相打ち悪ければ、打たれる。
月にいたときよりレベルダウンしているおかげか威力、スピードが遅いのだ。
仕方ない。ここは保険を使うか。
俺は理子さんに見えないように懐からカプセルのようなものを取り出し構える。
俺は飛び出すそれも最初の時よりも速く。
さらに速いスピードで動いたおかげか理子さんはさらに驚いた顔をした
そして俺は理子さんのそばまで近づきカプセルを持った手を理子さんの顔に近付け起動させる
―!
急激な光の量。俺が使ったのは閃光手榴弾(フラッシュグレネード)
それも平賀さん作のカプセル型の小型バージョンだ
それを俺は使った。俺は目をつぶっては気づかれてしまうと思い俺も目を開けて使った。
理子さんも目を開けていたからしっかりと食らっただろう。
俺は記憶を頼りにバーからでてたぶんアリアがいた客室にあいつらはいると思い壁伝いに道を進むのだった。
白野くんが使った技八極拳についてはfate/unlimited codeで言峰綺礼が使った技をモデルにしています。
まあ、同じような人なので購買部の彼に教わったとしました。
あともう一つありますがそれはもう少し後になります。