緋弾のアリア ~月を渡る前向きな武偵~   作:紫柳

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前書きですが特に書くこともなかったので投稿します。



第29弾 質疑応答

衝撃的な発表の後はもうひどかった。

理子さんからはいじられるわキンジからはうざい笑顔で詰め寄ってくるわなぜかレキさんはなぜか怒ったような雰囲気でこちらを見てくると言うか睨んでいた。

 

「なるほどねー、つまり養子は養子でも婿養子というわけだったかー」

 

理子さんが残念そうな声で言う。だから俺の家じゃないって言ったじゃん。

そんなこんなで廊下を渡り歩く。

そう言えば

 

「晴雨さん。ミドリさんを送り込んだのはあなたでしょ」

 

晴雨さんは足を止めこちらを見てから言う。

 

「だって、普通に手紙を送っても来てくれないでしょ」

 

「うっ、まあそうだっただろうけど」

 

その言葉に俺は言葉を詰まらせる。

確かにあの方法(脅迫)が無かったらこなかったかもしれないな。

その思いを持ち晴雨さんを見るとにっこりと笑う。

ぐ、なんだか負けた気分だ…。

しかし、晴雨さんは少し悲しそうな顔をすると

 

「けど、晴雨さんなんて堅苦しい言い方しなくて、前みたいにハルちゃんって呼んでほしいものですけどね」

 

「…」

 

それはもう俺には呼べない名だ。

俺はもう実家から勘当された身。

つまりもう俺は晴雨さんの婚約者ではなくなった身なのだ。

だから俺はもう晴雨さんの近くにはいれない。

 

晴雨さんは俺の顔を見ると振りかえりまた歩き出す。

俺の表情から何を読み取ったのかは分からないがあまりいい気分ではないのだろう。

というか、

 

「アリア。さっきから妙に静かだな」

 

アリアはこちらが質問するとこちらを見る

 

「ああ、私にはアンタの気持ちがわかるから」

 

そう言って、また前を向き歩き出す。

わかるって言っているがまさかアリアにも婚約者とかいるのかな。

まあ、この前アリアのことを調べたときには何もなかったからそれはないのだろうと結論づける。

そんな感じで本家の長い廊下を歩いていると前の方の曲がり角から一人の少女が出てくる。

全体的にユキのような雰囲気を纏わせているがセミロングの髪は一つにまとまり、眼鏡をかけた目はユキのように釣り眼気味だが目線は鋭く元気というより冷静さが感じ取れる。

その少女はこちらに近づくと軽く頭を下げる。

 

「おかえりなさいませ。白野様」

 

まるで壁でも作るかのようにしっかりと頭を下げる少女に俺はまた溜息を洩らす。

昔はもう少し素直な感じだったのにな。

まあこれが普通の反応なのだが

 

「はあ、ミドリとりあえずあなたも挨拶しなさい」

 

晴雨さんからそう言われて頭を上げ自己紹介を始める

 

「はい、私は晴雨様の従者、夏目家の属家である倉橋家の一人倉橋 緑(みどり)と申します」

 

また軽く頭を下げる。こちらも軽くの自己紹介をするとミドリは晴雨さんの横に着く。

どうやらついてくるみたいだな。

というか全員こっちにくるのか…。俺はこれから怒られに行くようなものなのになあ

 

そんな感じである障子の前に来る。

ついに来てしまったのか。

俺は気合を入れて障子を開く。

 

中には数人の女性がいる。

その上座にはまるで目を閉じた20代くらいの1人の女性がいる。

彼女は現夏目家当主である夏目晴海。晴雨さんの母親になる。かたで切りそろえられた黒髪で顔はすらっとして黒の和服を着ている。

本当に若々しいな本来の年齢はアラサーに近いというのに。

そうは思ってもここが正念場だ。

気合を入れて正面にある座布団に正座をして座る。

アリアたちが全員座った雰囲気を感じると女性は目を開け話始める。

 

「よくぞ帰ってきました白野。」

 

「はい、これまでご連絡をおろそかにしてしまい申し訳ございませんでした」

 

そう言って頭を下げてしばし

 

「頭をあげなさい」

 

俺が頭を上げるときりっとした目で見られる。

俺はなるべく平静を装い次の言葉を待つ。

 

「今回呼び出された意味は分かっていますね」

 

「はい」

 

「言い分は?」

 

そう問われ俺は一拍間をあけると答える。

 

「今回は勝手に夏目家の名前を利用してしまい申し訳ありませんでした。」

 

その発言をしかと聞く晴海さん

俺はまた一拍間をあけると言葉を放つ

 

「けど、俺は勝手に名前を使ったことに後悔をすることはありません」

 

「…」

 

押し黙っている。

どうやらちゃんと聞く気があるみたいだな

 

「私は勝手にこの名を使ったわけではありません。名前を使ったのは守るべきもののため。

守るために使わせてもらいました」

 

「それが自分の立場を危ぶませるとしても?」

 

その言葉に俺は質問で返す

 

「俺はこんな人間だって知っているでしょう?」

 

それを聞くと晴海さんは右手を頭にあて軽く溜息を洩らす。

そして、もう一度こちらを見ると

 

「わかりました。今回の件は不問とします。けど、なるべく利用は控えるように」

 

その言葉に俺は緊張の糸を緩める。

よかった。なんとか許してもらえたか。

軽く息を吐いていると

 

―!

 

場の空気が変わる。

これは、まずい!

 

「さて、問題の件は片付きました。だから…」

 

晴海さんが席を立とうとしている。

ぐっ!早く逃げ…

 

シュバ!

 

は、速い!

一瞬で目の前まで…!

 

「ようやく白野君をめでられるー!」

 

そう言いながら俺に抱きつかれ何も抵抗できずに組み伏せられる。

 

「まったく、心配したぞー!いきなり国から連絡来たかと思えばハイジャックにあったりとか、めちゃくちゃ心配したんだぞー!」

 

そう言って俺に頬ずりしてくる。

ちらりと見えた後ろ側ではアリアたちが呆然としている。

まあ、それもそうだろうさっきまで威厳がすごかったのにいきなりこんな感じになったのだ。

そう、彼女は

 

「まったく、白野君に何かあったら国を潰していたぞー!」

 

なぜか俺にご執心なのだ。

というか、その発言はまずいですよ!できそうだから!

 

俺がやられていると後ろから声が聞こえてくる

 

「なあ、えっと…夏目」

 

「あ、晴雨でいいですよ。キンジさん」

 

「あ、ああ。あの晴海さんっていつもああなのか?」

 

「お母様は白野がここに来た時からいつもあんな感じですよ。というか、この家の人は全員白野が大好きですよ」

 

「お前…余裕なんだな…」

 

後ろはいったい何の話をしているんだ…。

 

「は、晴海さん!俺、もう明日から東京にかえらな…」

 

「いいや、ダメだ!私は1年も白野と関わっていないんだぞ!しばらくはここから出させないからな!」

 

そう、俺がしばらくはこの家から出られないと言ったのはこの人が家から出させてくれないからだ。

 

「ふむ、早速夕餉まで部屋に戻ってめでるとしますかね…」

 

ゾクッ!

いつもとは別の悪寒が…!

これはいろいろとまずいぞ!

晴海さんに首根っこを持たれて連れて行かれる。

 

「ヘルプ!誰か助けて!」

 

俺が後ろを見て助けを請うが

 

「ねえ、こっち見て!助けてよ!ねえ!」

 

誰一人としてこちらを見ていない!

みんな目をそらしすぎだろ!

いや、一人だけ微笑みを浮かべながらこちらを見ている人がいる。

晴雨さんだ。

よかった。助かったと思ったが彼女の持っていたカンペのようなものを見て絶望する

 

『白野は私にも何も言わずにこの家を出ましたね。しばらくお母様の遊び相手になって反省してください。』

 

うわ、めっちゃ怒ってる!

確かに、何も言わずにここから出て行ったけど、それも仕方ないことだったんだって!

そんな声を出すこともできずにふすまの奥に連れて行かれる。

 

そのあと夜に満足した顔の夏目家現党首と疲労した白野が出てきたのは言うまでもない

 




29弾終わりました。
オリジナルって難しいですね。なるべく早めに書きあげたいです。
虚気さん、恋姫夢想さん、『薄利多売の』湊さん、伊藤要さん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。
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