緋弾のアリア ~月を渡る前向きな武偵~   作:紫柳

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またまたいつの間にかお気に入り数400件超えていてびっくりしました。
お気に入りしてくださった方々本当にありがとうございました。
今回の話は基本キンジ視点となります。


第30弾 身辺調査

Side キンジ

 

ははは、白野すごい顔しているな。

今は夕食の食事中。白野に騙されて、女だけしかいないこの屋敷に連れてこられた。

まったく、あいつ大事なこと黙っていやがって…

まあ、だからあいつに助けを求められた時にはいい気味だと思った。

しかし、今隣にいる白野は顔がめちゃくちゃやつれている。一体何があったんだ…。

 

この家では夕食は仲居ともども全員で食事をするのが習慣らしく広い和室に全員が集まっていた。

というか女沢山に対して男二人とかあんまりだろ…

しかし、考えてみると1年前までこの部屋には男一人しかいないんだったよな。

なんか、そう考えると白野のことがかわいそうに思えてくる…

 

まわりでは仲居達が談笑しながら食事をしている。

そこで、ふと俺は気付く。

 

「なあ、白野」

 

「…ん?どうした?」

 

疲労した声でこちらに返してくる。なんかすまん。

しかし、質問は続ける

 

「なんかこの家の人たち若いな」

 

白野が驚いた目でこちらを見てくる。

 

「まさか、キンジ…。この家の人に手を出すのか…!」

 

「い、いや!違う違う!ちょっと疑問に思ったんだ!」

 

両手をぶんぶんと振り否定を示す。

 

「はあ?なら一体?」

 

「いや、なんだかこの家の人全員若くないか?若く見えるからかもしれないが俺には全員2,30代にしか見えないんだが…」

 

その発言を聞いた白野は何か確信でも突かれたように目を見開く。

そして一瞬顔をそらしまたこちらを見た白野の表情はさっきまでの表情が見えない。

 

「いや、これは…ちょっとな…」

 

その言葉はまるでそれ以上詮索するなといったような言葉だった。

その目はまるでこれ以上こちらに踏み込むなといった目だった。

これ以上白野からは何も聞けないかもしれない。

 

「いや、悪かったな…深入りしすぎた…」

 

そう言って食事を進める。

白野は悪いと言って食事を進める。

 

しかし、このままでいいのか

俺はなんとなくこの問題を野放しにしてはいけないと感じた。

後でアリアたちに相談してみるかそう思いながら食べものを一口口に入れた。

 

 

 

 

 

 

「へえ、確かにそうだった。気になるねぇ」

 

夕食が終わるとアリアたちに声をかけ談話室に行きさっきまでの話を聞かせる。

白野に関しては夕食が終ると同時に逃げ出そうとしたがそれ以上に早く晴海さんが捕まえて連れて行った。すまん、白野…。

アリアたちに相談をもちかけるとアリアたちもさすがに疑問を持ったようだ。

アリアがううんと上ずった声を上げる。

 

「本当に全員若く見えるだけなんじゃないのー?」

 

理子からそう言われるが

 

「いや、そうは思えない感じなんだよな。それなら白野も全員が若く見えるだけとかいうだろ。けどあいつは返答を拒んだ。そこが不可解なんだよ」

 

俺の発言に理子も考えるようなしぐさをする。

どうせしぐさなだけであの頭の中は何も考えていないのだろうが。

 

あいつは何も言わなかった。

考えてみればいつもそうだった。

あのハイジャックの時も重要なことは何も言わなかった。

ただ助けるために行ったこととだけ。

いつもあいつは自分のことは何も言わなかった。

何故だ。

俺は疑問に思う。

その答えは意外なところから聞こえた。

 

「白野さんは何も言えなかっただけ」

 

レキだ。

さっきまで静観していたレキが声を上げる

俺はつい聞いてしまう。

 

「何故そう思ったんだレキ?」

 

レキはこちらの言葉を聞くと一つ間を置き言葉を紡ぐ

 

「白野さんは何も言えなかった。彼はうそをつくことができないから」

 

…そう言われて見ればそうだったのかもしれない。

嘘をつけない

嘘をつくことが一概に悪いことだけとは限らない。

世の中には優しい嘘などがあると言われるが俺はそれが一種の偽善だと思う。

嘘を吐くと言うことはその人をだますことと変わりない。

その中に優しいもくそもない。結局はその人を苦しめる。

白野は人を苦しめないために嘘をつかない。

だから、何も言えなかったのか

 

「白野さんは優しいですから」

 

その声はまるであいつの本当を知っているかのような声だった。

白野めレキにもフラグ立てていたのか。

まあ、今はそんなことどうでもいい。

あいつについていろいろ考えてみたが結局振り出しに戻っただけだ。

 

「なら、これからどうするんだ?結局振り出しに戻っただけだぞ」

 

俺の発言にアリアが提案する

 

「白野が答えないなら別の人に聞くまでよ。」

 

そう言ってアリアが動き出す。

まあ、本人が答えないならほかの人に聞くだけだな。

俺は席を立ちアリアの後を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「何故、この家には若い人しかいないのかですか…」

 

俺たちが聞いたのはちょうど道を歩いていた晴雨だった。

晴雨はその言葉を聞くと少し顔を暗くする。

 

「白野に聞いたけど教えてくれなかったのよ。だから晴雨教えてくれない?」

 

「そうですか…白野が…」

 

そこで晴雨は考えるかのように口元に手をあてる。

しかし、仕草仕草が本当に大和撫子だな。身近にも大和撫子な人もいるけど、武装巫女だしなぁ…

いかんいかんと頭を振って切り替える。

しかし、

 

「それなら私が深く答えることはできません」

 

「な、どうしてよ!」

 

「これは白野の過去の話が関わってくるからです」

 

その言葉に俺は息をのむ。

あいつの過去ってことは

 

「もしかしてそれは白野がこの家から追い出されたことと関係があるのか?」

 

「はい」

 

なるほど。あいつが答えたくなかったのは過去が関係したからか。

 

「それなら、あいつの過去に何かあったか教えてくれない?」

 

アリアが問うが

 

「いえ、これは白野自身が答えなければならないものだとお思います。それに勝手に人の過去を話すのはいけないことでしょ」

 

まあ、それもそうか。

勝手に過去を話されるのは白野にとってもいい感じしないだろうし。

俺はその場を去ろうと提案するが

 

「本当はこんなことにはならなかったんですけどね…」

 

「…それは白野が出ていったことがか?」

 

俺の発言に晴雨はこくんと首を縦に振る

これは少しでも情報を集めておいた方がいいのかもしれない。

俺はしっかり考えて質問をする。

 

「どうして白野が勘当されたこととみんなが年若いことが関係するんだ?」

 

晴雨は言いにくいことのように言葉を出す。

 

「それはある人と…呪いがかんけいするんです」

 

「ある人…?呪い…?」

 

それは一体なんだ?それは聞いておきたい。

つい先走り質問してしまう

 

「それは一体どんな…?」

 

それを聞くと

 

「すいません。これ以上説明することはできません」

 

しまった。つい先走ってしまった。

仕方ないか、核心には迫れなかったが大体の状態は分かった。

 

「晴雨様。こちらにいらっしゃいましたか。急いでお耳にしたいことが」

 

そう言って出てきたのはミドリだった。

ミドリは一瞬こちらをみたがすぐに目線は戻り晴雨に耳打ちする

それを聞いた晴雨は少し驚いた顔をして

 

「わかりました。すぐに向かいます」

 

そう言って振りかえり進もうするがもう一度こちらを見て言う

 

「白野は今は言葉を濁すかもしれませんがきっと話してくれると思います。その時はどうか白野のことを嫌いにならないでやってください。私たちは…逆に白野を傷つけるかもしれませんから。」

 

そう言って頭を下げる。

それに答えたのはアリアだ

 

「それは当り前よ。アタシたちは白野の仲間なのだから」

 

その言葉を聞いて頭を上げた晴雨はいい笑顔だった。

まったく。白野もこんないいやつを悲しませるなよ。

そして、また彼女たちは振り向き道を歩いて行く。

 

俺たちはそれを見送った後

 

「…もう今日は遅いし明日にするか」

 

「…それもそうね。それじゃあまた明日」

 

俺の提案に対し賛同を得る。

部屋に戻りながら俺は考えた。

白野はいったいどれほどの思いを背負っているのかと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 晴雨

 

キンジさんたちならきっと白野と向き合えるかもしれない。

その思いを託しほとんどの情報を渡した。

後は、彼ら自身にかかっている。

けど、今はそれにかかりきりになれない

さっきの連絡でまずい事態になったかのかも知れないからだ。

 

「さっきの話は本当ですか?」

 

隣を歩いている私の優秀な従者ミドリに話しかける

 

「はい、先ほど連絡があり今さっき移動をはじめたようです」

 

はあ、ほんとこういったことには速いですね

 

「たぶんつくのは明日の朝でしょう」

 

「それまでには準備を整えます」

 

「準備をしたらしばらくの休憩をして明日に備えなえて置いてください」

 

わかりましたと言い別々の方向に歩きだす。

たぶん奴らの狙いは白野だ。

私がしっかりと守らないと。

そう心に秘めて私は歩き進める。

 

 




30弾終わりました
白野君の過去編はバトルが終わった後くらいになりそうです。
SG1さん、恋姫夢想さん、『薄利多売の』湊さん、アウフさん、働きハッチーさん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。
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