白野君メインなので若干長めかもです。
後夏目家の真名がちらほらとわかっている人出てきたようですね。
あのサーヴァントと関係は…そうですね頑張らせていただきます…
障子から透けて見える空は黒い。
俺は今この家で一番深い部屋奥の間で待っている。
中には数人の仲居とともに上座には晴海さんが座して待っていた。
俺はあいつがあまり得意ではない。というかいけ好かない。
まあ、あいつくらいなら心で何を考えているのかぐらいはわかる。
そして今日の訪問。
この時くらいはしっかりしないとと気持ちを引き締めていると障子から少女の影あれは晴雨さんかそのあとに少し背が高めの影が映りこむ。
来たか。
急に障子があけられ金髪に染め上げられた髪、青の和服に身を包み一見好青年のような風貌の男が見える。
そいつはまるで自意識過剰のように言葉を放つ
「ほーう。此度はよき日よな。また夏目家当主と出会える日が来るとは」
晴海さんは閉じていた目を開けて言い放つ。
「私たちは与太話をするつもりはありません。早く用事を済ませてくれませんか?」
その声に肩をすくめる元明
「まったく、問題があるから私が来たんじゃないか」
「もともと問題はこちらで解決したのですよ。問題を大きくしたのはそちらではないですか」
「…わかったわかった。それではさっそく用事を済ませるとしますか。」
すると元明は周りを見渡して
「今日は私と春海とそこの屑だけで話をさせてくれないかな?」
まあ、こいつには昔からそう呼ばれていたのだ。
今更反応するのもつかれるといったもの。つまりなれである。
これくらいのストレス、月の世界でいくらでも体験している。
そういえばあのアチャ男のサーヴァントもいろいろあって髪が白くなったんだけ。
まだ俺は年若いから大丈夫かもしれない。…大丈夫でいたいなぁ
と、いかんいかん。今は目先のことに集中しないと
元明の提案で案の定うちの連中がいやな顔をする
「大丈夫安心してくれ。何もしないよ。私はちゃんと話し合いをしたいんだ」
そう言って腰に下げていた刀をそのついてきた男の子に渡す。
「私がいいとするまで外で遊んできなさい」
その男の子たちは刀を受け取って外に出る。
その状況に全員が目を合わせる。
どうやらどう判断するか悩んでいるようだ
その停止した空気を破壊したのは春海さんだった
「わかりました。こちらには白野もいるのですし大丈夫でしょう」
そう回答した春海さん。
それは俺が結構責任重大ですね…。
一応春海さんも超能力を持っているがそれは戦闘向きではない。
まあ、彼女は薙刀も晴雨の師匠だからそう簡単に倒されることもないだろうしな。
その提案を受けて不承不承ながら了承する。
そのまま三人だけ残して全員が部屋から出る。
晴雨は部屋を出るとき心配そうな顔をしていたが俺が大丈夫だと目配りする。
そして、三人だけの静寂が場を支配する。
そして、最初に口を開いたのは座布団にどかりと座り込む元明だった。
「さて、まずはそこの屑に話を聞かせてもらおうか」
「あなたねぇ…!」
「いいんだ晴海さん。こいつにかまっていても話は進まないよ」
突っかかろうとする晴海さんを俺はなだめる。
こいつの言動にいちいちかまっていても話は進まないだけだ。
「それで、一体今日はどうなさいましたか?土御門 元明様?」
俺がなるべく下手に出ながらも軽蔑するかのように声を出す。
「ほう、ちゃんと下手に出るのだな」
「ええ、今の俺はこの家の人間じゃない時点であなた様のような高貴な身分の方に顔が上がらないんですよ」
俺は両手をあげやれやれといった感じに首を振る。
元明は舌打ちをするがすぐに話をすすめる。
「…まあいい。それでお前の犯した禁忌はわかっているよな」
「…ええ、それがどうかしましたか?」
「その禁忌…いや禁じられた力はお前が持っているのであろう?」
「それはどうしてそう思いになったのですか?」
「しらばっくれるな!お前が持っているのはその力だろう!」
俺の発言が癪に障ったのか声を荒げて叫ぶ元明
「それだからお前は通常の超能力ではない変な力をつかえるのだろう!」
こいつが言いたいのはコードキャストのことか。
まあ確かにコードキャストは通常の超能力ではない。
あれは魔術を駆使したプログラムのようなものだ。
普通の超能力とは一線を引いている。
たとえば、もし相手が超能力を無効化するアイテムを持っていたとする。
それがコードキャストならそれは効かない。
この世界に定義されていない異質な力は抑えようがないのだ。
しかし、この夏目家に封印されていた力は別物だ。
あれはコードキャストと比べられないほどさらに異質なもの。
しいて言えば『呪い』だ。
しかし真実を言えば俺はこの『呪い』を持っていない。
ある事情によりコードキャストを『呪い』をすり替えたのだ。
真実を知っているのはこの家の人間だけ。
しかし、こいつはそのことを知らない。
だから俺のコードキャストを奪おうとしているのだ。
俺がコードキャストと呪いについて考えている間ずっと何かグチグチといっていたようだ。肩を上下に揺らすほど息を荒げている。
しかし面倒な話の最中は別のことを考えるに限るな。
校長先生とか無駄に長ったらしく話す人の話とか聞かないよね。
「…それであなたは散々愚痴をわめき散らしていましたが一体何が言いたいのですか?」
おお、晴海さんはちゃんと全部聞いていたのか…!これが大人の余裕…!
しかし晴海さんはさすがにうんざりしたのか少し疲労の糸が見える。
散々わめき散らかした元明は冷静になるために息を整えると話し出す
「これは失敬。つまり何が言いたいのかというと、その力を持っているその屑を野放しにしていいのかということだ」
「…つまり、白野をこちらに戻らせろと」
いや、それは困る。俺はまだ武偵でいたいし果たすべき約束もある。
しかし、元明はその提案を嘲笑し否定する
「いやいや。私はその必要はないと思うよ」
「それならどうしろと?」
困惑したように問う晴海さんに対し微笑を浮かべながら返答する
「まず、その力をただの平民。その屑が持っていることがおかしいのではないか?」
元明は立ち上がり少しずつ晴海さんのもとに歩みながら話を続ける
「これは本家の力なのだろう?なら取り返さなくてはならないのではないか?」
そして晴海さんの近くでかがみこむ
「…それはいったいどうするのですか」
その言葉ににやついた顔で答える
「簡単だろう。そいつの体内から力のもとを取り出せばいい」
しかし晴海さんは冷静に返答する
「それは無理です。確かにこの世界にある時には形はありますが、もし取り込んでしまうとまるで溶け込むかのように形を失うのです。なので取り出すことは不可能…」
「それは嘘だろう」
晴海さんが動揺の顔を示す
「たとえそれをつかんでも形を失わず所有者にまとわりつく。まるで蜘蛛の糸でまとわりつくように」
「…なぜそのことを知っているのです!それはうちの書物庫の文献にしか記されていないのに!」
彼女は語気を強める
「それは、うちに代々伝わる遺言なのだから知っているのは当たり前だろう」
嘘だな。その程度の嘘くらいなら目を見なくてもわかる。
どうせ忍か誰かを送り込んだのだろう。
「しかし、このままこの家に置いておくのは不安だな」
そう言ってまた立ち部屋を見回るように歩く
「この家は男が生まれてこないのだろう」
「…」
そう、この家には男が生まれてこない。
これの呪いの副作用だと思われる。
だからこの家は女性しかいないのだ。
つまりこの家がこの時代まで続いたのは別の場所から婿として婿養子を連れてくるのだ。それが俺がこの家に呼ばれた理由。
俺はただこの家を引き継ぐだけに呼ばれただけなのだ。
「それなら土御門家で管理したほうがいいのではないか?常々見知らぬ屑を呼ぶからこういった事態になるのだ。…思いついたぞ。それなら夏目家も土御門家と合併したほうがいいだろう。それなら跡取りの問題も安心だぞ。」
そう言ってまた晴海さんの前に出る。
俺には何も言えない。
俺が言ってもこいつは聞く耳を持たない。
だから最終決定は晴海さんの一言になる。
いまだ瞑想する晴海さんに元明は言葉を投げかける。
「こんな一般凡人な奴くらい殺して、力の元を取り出せばもとにもどるじゃないか。それが互いにとってのメリットになるぞ」
しかし、その提案は一瞬にして彼女の覚悟を決める言葉だった。
「わかりました。」
「よし、それなら…」
「その提案には承諾しません」
「…は?」
元明の顔は何もわかっていないかのような表情だ。
しかし、晴海さんは淡々と言葉を紡ぐ
「そのような提案に応じることはありません。私はそんな提案のために大切な家族を失ったりしない。それに、白野をこの家によんだのはそんなことのためによんだのではありません。」
晴海さんは軽蔑した声で言う
「そのような提案を受けるほど私は落ちていません。今すぐお引き取りを」
そこで言葉を止める。
それが決定打となった。
打ちひしがれたようにわなわなとふるえる元明。
しかし、急にふっとにやけると離れるように歩き口をあける
「はあやれやれ。残念だよ。せっかくこちらからわざわざ出向いてまで…そちらのメリットも考えてまで提案してやったのに…」
出口近くまでいくとぴたりととまりこちらを見る
「まあ、これも想定していたことだ。私が手ぶらで来るとでも思っていたのか?」
―!
この感覚は!何かまずいぞ!
俺は立ちあがる
「渡さないというなら奪ってやろう」
俺は元明を拘束するために駆け出す
しかし、遅かった。
元明は右手を取り出し指をはじく。
パチンとした音から数拍後目の前の障子から何かが突き破る。
それはさっきの子供の一人だっただった
その突き破ってきた子供は俺を狙っていると悟り腕を使いガードする。
しかしその子供のとび蹴りの攻撃は予想以上に重かった。
両腕に攻撃がのしかかる。
腕からめしめしと音が聞こえそのまま吹き飛ばされる。
逆側の障子を突き破りそのまま外に吹き飛ばされ植え込みに埋まる。
外は雨が降っていた。
遠くから銃声が聞こえてくる。
みんなは戦っている。こんなところで寝ている暇はない。
しかし、そんな思いとは裏腹に俺の意識は遠のいていく。
守らないと…
そのまま意識は閉じて行った。
32弾終わりました。
白野君はなんかしにかけですがちゃんとバトルしますから!
ミジンコドリームズさん、恋姫夢想さん、シオウさん、アウフさん、ナスカ級さん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。