緋弾のアリア ~月を渡る前向きな武偵~   作:紫柳

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感想でfate/EXTRAはいつから出るの?と聞きますがすいません。まだ濃い感じに出ないんですよね。
詳しく言うなら海の上でとまで答えさせてもらいます。


第34弾  新たな不穏

俺が飛び出すと元明を守るようにロボット少年が前に飛び出してくる。

飛び出した勢いをそのまま鉄山靠を放つ。

しかしその攻撃はがっちりと止られる。

こいつ本当に何者だ?

そう思ったのもつかの間横から俺の顔に向けてなぎ放ってくる足を上半身を屈めることで回避する。

小さな子供が俺の顔をめがけてけり上げたのでその体は軽く宙に浮いている。

確かに子供だがさっき鉄山靠を軽く止めたほどの実力。

俺はあまり手加減をせず連環腿を放つ。

しかしその子供はガードもせず技をもろに食らう。

俺が驚愕したがさらに別のことに驚愕した。

 

(こいつ…全然こたえていない…!)

 

まるで何もなかったかのように無表情のままのロボット少年。

攻撃を受けてもなおその目からは何も伝わってこない。

それが隙となる。

俺が動きを止めているとロボット少年は回し蹴りを放つ。

俺は回避も間に合わずその攻撃を食らってしまう。

脇腹にかかる衝撃。あばら骨が折れる音が聞こえる。

そのまま吹き飛ばされ雨の降る地面にたたきつけられる。

 

「ガハッ!」

 

あばら骨が肺に突き刺さったようだ。

喀血と一緒にせき込む。

やっぱり普通じゃないくらい強いぞ…!

俺は電子手帳から『鳳凰のマフラー』を取り出す。

ひとまず『heal(16)』のコードキャストを使い傷ついた体を治すが

 

「…まずいな」

 

魔力が減ってきた。

さっきの『人魚の羽織』のコードキャストでなかなかの魔力を消費した。

今の俺は魔力量が減ってしまったためあの時ほどコードキャストが使えない。

中威力のコードキャストを使うとかなりまずいのだ。

なるべく節約するように今は軽威力のコードキャストを使ったがそれでも足りなかったようだ。

まだ軽く脇腹がずきずきと痛むが動きには支障はないようだ。

 

しかし、このままではまずい。

敵に攻撃が効かない以上なんとかしなければ。

 

俺が躊躇しているとロボット少年から攻撃が仕掛けられる。

上からかかと落としの攻撃を横へとよけることで回避する。

水と土が飛び散る。

目を守るように腕で顔を覆う。

腕の隙間からのぞき見ると一瞬右腕を振りかぶったような動きが見えた。

これ以上攻撃を食らうのはまずい!

しかし、俺は跳び去ろうとはせず体制を低くして前に踏み込むように足を出し回避する。

頭上に拳が通ったのを確認した後斧刃脚を放つ。

見事にクリーンヒットしロボット少年は前傾姿勢となる。

斧刃脚で振り抜いた後遠心力で回り低い姿勢から肘打ちを繰り出す技裡門頂肘を放つ。

さらに前に倒れるようにしたロボット少年の頭を掴み

 

「おっらぁ!」

 

回して前方へと投げる天頭墜を放つ。

ロボット少年は現在晴海さんと交戦中の元明の元へと投げる

元明は交戦に集中していたのか反応に遅れる。

何とか回避をするがそれが隙を作り晴雨さんの攻撃を受けて外へと吹き飛ばされる。

ロボット少年はそのまま奥の間の壁にぶち当たり瓦礫がつみあがる。

軽く呼吸を整えて瓦礫が崩れたときの土煙が晴れるのを待つ。

 

土煙が少しずつ晴れる。

その中に一人立つ子供の影。

うそだろ…。これでもダメなのか。

無表情のまま立っているロボット少年。

しかし、少年は崩れるように倒れる。

一体どうしたのかと思い注意深く観察する。

が少年は何事もなかったかのように立つ。

しかし、俺は気付いた。

俺が斧刃脚をあてた左足が少しスパークしている。

そこから導き出される答え。

それは

 

「まさか…本当にロボットだったのか!」

 

だったら納得なのかもしれない。

この驚異的な耐久力と攻撃力は人間ではなかったからか。

それなら遠慮なくいける。

 

「くそ!何をしている!あぁ!何故いまだその屑を殺していないんだ!」

 

外から喚き声が聞こえる。

 

「くそ!くそ!くそ!あんな奴からもらったものだから使えないんだ!全然強くないじゃないか!」

 

その言葉にロボット少年はぴくっと反応をする。

ロボットでもこのような言葉に反応するのか。

ロボットでもまるで人間のような反応をする少年。

俺は罪悪感を覚えたがこいつらの目的を改めて思い出すとその気持ちも軽くなる。

こいつらは俺の守るべきものをこわそうとする。

そんなことやらせはしない!

だから俺はこいつらを倒す!

俺は電子手帳から『空気打ち/一の太刀』と『錆びついた古刀』を取り出す。

今まで人間相手にコードキャストをあてることにしぶっていたがロボット相手になら遠慮はいらない。

 

通常コードキャストはサーヴァント相手に使うものだ。

それはサーヴァント自身のステータスを上げること。

そのステータス上昇を人間自身に使う。

それはとても強力な能力向上になるのだ。

 

俺は『錆びついた古刀』から『gain_str(16)』のコードキャストを使う。

するとそこでロボット少年が瓦礫の中から飛び出してくる。

無表情なのにその目から少しだけ俺には感情が見えた。

けど俺はその感情から目をそらさなければならない。

守るべきもののため感情移入してはいけない。

それが心の迷いにつながるから。

 

俺は『空気打ち/一の太刀』を使いなけなしの魔力で衝撃波を放つ。

ロボット少年は両手を使いガードをするが防ぎきれずその両手を吹き飛ばした。

破壊面からチューブや金属のようなものが見える。

しかしその少年は足を止めることはない。

最後の命令を聞こうとしているのだ。

少年は跳びあがりとび蹴りを放つ

俺はその忠誠を壊すかのように全力で箭疾歩を放つ

 

「うおおぉぉぉ!!」

 

拳と足がぶつかる。

勝ったのは拳だった。

足からばきばきと音が聞こえる。

そのまま俺は拳を振り抜く。

その攻撃でロボット少年は完全に砕けた。

地面にはさっきまで少年の姿をしたロボットの部品が転がっている。

俺は勝ったのだ。

ふう、と軽く息を吐き手を下げる。

するとそのあと耳を汚すようにな声が聞こえる

 

「な!こ、こんなに簡単に壊れたのか!くそ!使えない!使えないごみを押しつけられた!これもすべてあいつのせい…」

 

「それは違う!このロボットはお前よりは強かったぞ。それをごみ呼ばわりするな!」

 

俺の怒声に腰を抜かす元明。

しかし、いまだ狂ったように叫ぶ

 

「嘘だ嘘だ嘘だ!そいつが私の足を引っ張ったのだ!私は悪くない!私は悪くない…」

 

その声を止めたのは別の人物

 

「ちょっと、うるさいですよ」

 

そう言って出てきたのはユキだった。

ユキは気配遮断で元明に近づくと手に持っていた長さ20センチほどの鉄針を元明に軽くさす。

 

『物体断裂《スラッシュ》』

 

そう言うと元明は糸が切れたかのように気を失う。

これはユキの超能力か

ユキの超能力それは『ずらす』ことだ。

このことの詳細はじきに話すことにするが…ユキはこの能力を使い元明の脳を支障がないくらいずらし意識を刈り取ったのだ。

 

しかし、こうしてみると改めてえぐい技だと感じる。

ユキは崩れ落ちる元明をゴミでも見るような目で一目見てこちらに向かってくる。

 

「ユキ。ありがとうな。こっちに加勢してくれて」

 

俺の言葉にユキは笑いながら返答をする

 

「本当はあっちに加勢をしていたから疲れたよ」

 

そう言って正門の方に指をさす。

そちらの方から音はきこえない。

どうやらあちらも勝ったようだな。

これで解決かと思い気を緩めると

 

「けど~私もたくさん超能力を使ったから結構疲れたな~」

 

「…おいユキ。まさか…」

 

「うん。お願いしてもいいかな?」

 

まじで…

 

超能力は使うと精神疲労をするが人によってはそれを回復させる手段があるそうだ。

それをユキは行おうとしている。

正直言うとめちゃくちゃ恥ずかしいのだ

 

「いや。けど1日休むと元に戻るんだろ?」

 

「私は今すぐ元気になりたいんだよ。それに白野君の手助けをしたしそのご褒美くらいはほしいかな」

 

そう言って元明がいた方向に指をさすユキ。

ぐ、この従者、主人に褒美をせがむのか。今は違うけど

おれだって魔力が枯渇しているのに

 

「…はあ、わかった」

 

「それなら私も白野のにおいをかぐ!」

 

そう言って出てきたのは晴海さん。

あなたは何故なんだ!

 

「私も頑張ったんだぞ!私も褒美がほしい!」

 

「なら何で俺のにおいをかぎたがるんだ!」

 

「私がそうしたいからだ!」

 

「アラサー近い大人が何言っているんだ!」

 

俺は溜息をついてから一考する

まあ、この事態は俺が作ったものだ。

はあ、ここは妥協するしかないか

 

「けど、俺さっきまで戦っていたからめちゃくちゃ汗かいているぞ。」

 

「いいのいいの。その方がにおいが強いから」

 

そう言ってユキと晴海さんは俺の後ろにつき首元を嗅ぐ。

 

クンカクンカスーハースーハー

 

うわぁ、やっぱりこれめちゃくちゃ恥ずかしいんだが。

 

そう、ユキの超能力回復の材料は匂いだ。

それも男の匂いじゃないとだめだというのがさらにたちが悪い。

晴海さんはただの変態だ。

 

ユキと晴海さんがむさぼるかのように俺の首筋から匂いを嗅いで数分。

やっと離れると満足した表情のユキと目があった。

 

「いや~。ありがとうね白野君」

 

はあ、やっと解放されたか…

そのまま安堵の息を吐こうとしたが

 

―!

 

急に悪寒が。

こ、これは…

 

「白野。これは一体どういうことですか?」

 

振り向くと微笑んではいるがまるで阿修羅のようなオーラを纏わりつかせている晴雨さんの姿。

 

「い、いや、これは…仕方のないことだったんだ」

 

「何がです?」

 

こ、怖い!怖いですよ!

 

「こ、これは、ユキが超能力の回復に男の匂いが必要だろ?ユキにせがまれたから仕方なかったんだ」

 

そう言って晴雨さんはじろりとユキを見るとユキはおどけたようにペロッと舌を出す。

 

「それならなぜお母様も?」

 

「私はただ嗅ぎたかったからだ!」

 

ドンっと効果音が聞こえるほどの声で宣言をする晴海さん。

その姿に晴雨さんは軽く頭を悩ませたようで手で頭を支え溜息を吐く。

 

「わかりました。なら後で私も嗅がせてください」

 

「えっ?」

 

何言ってんだこの人?

俺は反論しようとするが晴雨さんの何とも言えない威圧が俺の意見を抑え込んだ。泣きたい。

それなら私も混ぜろという晴海さんや俺の困る顔を見て笑うユキ、まだ怒ったようなオーラを纏っている晴雨さんを一目見る。

よかった。守ることができたんだ。

しかし、その安堵の気持ちは新たな声で引き締める事態になる

 

「それなら私も白野君を借りたいな」

 

その声で全員が息をのむ。

その声は女の声だった。

その姿はとても美しい姿だった。

その関係はあの事件の元凶。

俺がこの家から勘当された元凶、この家の力を持ち出した人物。

 

「や、みんなひさしぶり!」

 

夏目家元次期当主夏目 晴姫(はるひめ)さんだった。

 




34弾終わりました
もう一人のロボット少年については次に出ます。
あとちょいで過去編です。
恋姫夢想さん、ミジンコドリームズさん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。
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