追加と再編集でしっかりと本編を書き終えました。
それでは本来の36弾をどうぞ
金属のぶつかりあう音が聞こえる。
今現在晴雨さんと晴姫さんは両方薙刀を持って互いに攻撃をぶつけ合っている。
すごい攻防だ。互いの実力は互角に思える。
一見勝てるのではないかという希望が見えるのかもしれないが
(このままでは絶対に勝つことはできない…!)
そうこのままでは勝てない。
確かにこの攻防を見れば互角に見えるがそれはあくまで形だけ。
晴姫さんに例の力がある限り絶対に勝てない。
「はあ…はあ…。くっ…!」
戦いには駆け引きというものが存在する。
その駆け引きには小さくとも勝ちと負けがありその負けが小さくとも隙となる。
それが少しはかすり傷を負うことになる。
しかし晴姫さんにはその隙というものが出ていない。
必ずその駆け引きに勝っているのである。
しかし、晴姫さんは一切晴雨さんに対して傷を負わせていない。
それは手加減をしているということ。
つまり遊ばれている。まるで晴雨さんの行動が読まれているように。
晴雨さんもそのことを疑問に思っているみたいだ。
動きが鈍くなっていく。
完全に動きを読まれていることが動揺を生んでいるようだ
「あなた…何故私の動きを完全に読んでいるの…?」
「ふふふ、あなたは私の妹だからね」
「…くっ!ふざけないで!」
さらに攻撃の速度を上げるがそれでも攻撃はかすりもしない。
これはまずいな。早く対策を練らないと
「ちょっとアンタ達!ぼさっとしていないでアタシたちも加勢に行くわよ!」
そこでアリアの声が聞こえる。
アリアたちもこのままではまずいと悟ったのか加勢しようとするが
「…!」
目の前にロボット少年の一人が立ちふさがる。
ロボット少年の戦闘力は俺がコードキャストを活用しなければ勝つことができないほど強力な存在だ。
さすがにアリアたちでも厳しいと思いそこに俺も加勢しようとするが
「いや、白野ここは俺たちに任せてくれ」
何とそこにキンジが割り込んでくる
何?!と言おうとするがキンジの状態を見て言いとどまる
(キンジ…ヒステリアモードになっているのか…)
そう言えばさっきまで妙に静かだったがヒステリアモードだったからか。
しかし
「大丈夫か…」
それでもロボット少年はなかなかの戦闘力を持っている。
それにあのロボット少年…俺が戦った時のロボット少年よりも強いぞ。
何というかオーラというものが違う。
ヒステリアモードでも勝てるのかと思うが
「大丈夫だ。任せてくれ」
キンジの俺を諭す言葉が聞こえる
「それにお前はあの人の力の正体を知っているんだろう」
ああ確かに俺は技の正体を知っている。というかお前もなんとなく正体がわかっているんじゃないか?
しかしキンジは少し冷や汗を流して声を出す
「俺にはたぶんあの人に触ることもできない。けど白野お前の力があればなんとかできるんじゃないか?」
ヒステリアモードのキンジでもこの弱気の発言だ。こいつでもさすがに無理なのか。
「こいつは俺たちに任せてくれ」
そう言ってキンジは懐からベレッタを取り出し現在ロボット少年と交戦中のアリアの元へと走り出す。
いまだに晴姫さんと晴雨さんは戦っている。
いや、状況は変わっていない。
仕方ない。
俺が行っても状況は変わらないかもしれないがこのまま何もしないままでも何も変わらない。
時間は結構たっているが『錆びついた古刀』の効果はまだ続いている。
俺は晴姫さんに感ずかれないように近づき
「はぁああ!」
全力で斧刃脚を放つ。
しかし
「甘い甘い!」
その攻撃をかがむことで回避をする晴姫さん。
ぐ!やはり読まれた!
俺は隙を生まないように息をつかせないほどの連続攻撃を浴びせるがその攻撃もすべてかわされる。
「…っ!ちょこまかと!」
俺の攻撃をかわすために後ろへ飛んだ晴姫さんに晴雨さんが追撃を仕掛ける。
その激しい連撃をも軽々とかわし刃を当てて防御をする
その後も俺と晴雨さんの猛攻が続くがそれを完全に防御する晴姫さん
そして晴姫さんの薙刀の攻撃が晴雨さんの薙刀の刃に当たると
パリィン!
両方の薙刀の刃が粉々に砕けた。
どうやらあまりの猛攻にその刃は耐えきれなかったようだ。
晴姫さんは手に持っていた薙刀の手持ち部分を投げ捨て指を鳴らし新たな薙刀を『座標移動《ムーブポイント》』で持ち出す。
晴姫さんは薙刀を捨てずにまた構えると
『物体生成《クリエイト》』
その言葉を放つと同時、その先から新たな刃が生成される。
そうこれが晴雨さんの超能力。
端的にいえば『つくる』能力だ。
詳しくはこれも後から話すが…晴雨さんの能力は一定のものを作ることができる。
その能力により新たに刃を作り出したというわけだ。
晴雨さんはさらにいくつかの金属片を作り出し牽制代わりに吹き飛ばす。
その攻撃も読まれたかのように弾き飛ばされる
「はあ…はあ…な、なんで攻撃が当たらないの…」
晴雨さんの口からそう言葉が漏れる
その言葉をどうやら晴姫さんは拾ったようだ
「ははは。それはね晴雨の行動がすべて読めているからだよ」
「…またそんなことっ…!」
「私にはね誰が何を考えているのかわかるのよ」
そう言ってこちらに歩み寄ってくる
「晴雨が今何を考えているのか。白野が今何を考えているのかすべてわかる」
そして晴姫さんはほほ笑む。
しかしそのほほ笑みは俺の見たくない険悪な笑顔だった。
「何を考えているかわかるって…けどあの人の超能力は別の…ならいったいどこから…あの人が持っているもの…夏目家の力…っ!まさか!夏目家に封印されていた能力って!」
そこで晴雨さんは確信に気付いたようだ。
そう、これが晴姫さんの持つ夏目家の隠された力
「あ、あなたは…人の心が読めるのですか…!」
「正解正解大正解~。私は夏目家…いや安陪晴明が持っていた力を持っているんだよ」
そうこれが夏目家に封印されてきた安陪晴明の能力。
それは心を『読む』能力だ
一見地味に見えて世界を統べる能力には思えない。
しかし、それは対人戦で絶対的な力を持つ。
人は行動をするとき絶対に頭の中で考える。
たとえば、人に手を挙げてと命令したとする。
そして右手か左手を無意識に上げる。
その手を挙げるという行為を人はこれまでに何百回何千回と繰り返す。
それがなれにつながり無意識という行為につながる。
しかし、脳内ではその手を挙げるという動作を考えながら手に命令を出している。
それはたとえ意識をしていなくとも無意識の中で考えているということだ。
つまり意識的だとしても無意識だとしても人間は考えるという行為をしている。
晴姫さんはその考えるというものを読めるという力を持っている。
それが夏目家の…安陪晴明の力だ。
これでさっきまでの現状がうなづける。
相手の考えていることが読めるなら絶対に駆け引きに勝つことができる。
じゃんけんで言うと後だしじゃんけんだ。
相手の出すじゃんけんがわかるから絶対に勝つことができる。
そんなチートを持つ晴姫さんには勝つことはできない。
しかし、負けることも許されない。
今後の俺の守るべき人たちを守るためこの戦いに負けることはできないんだ。
考えろ。
考えるんだ。どうすれば勝つことができる!
しかし、その思いも打ちひしがれることになる。
戦いが続くこと数分ついに俺にかかっていたコードキャストが切れた。
強烈な脱力感とともに疲労感が押し寄せる。
俺が気絶していない分かすかには魔力は残っているのだろうがそれもほんのわずか。
軽威力のコードキャストを使った瞬間に意識を落とすだろう。
今はまだ晴雨さんが頑張って持たせているがそれもジリ貧だろう。
しかし、さっきまで考えていてこの状態を突破する方法を見つけた。
その糸口はズバリ晴姫さん自身だ。
晴姫さんは今はもて遊んでいる。
つまり油断をしているということだ。
確かに晴姫さんは心を読んでいるがそれは俺たちの実力もわかっている。
その心を読む能力と決して私には勝つことができないという慢心がその油断を生んでいる。
そこで俺のわりだした突破口
それは晴姫さんも知らないほどの強大な力をぶつけることだ。
油断と力から生まれた隠された隙
その隙に莫大な力をぶつけることがこの戦いの突破口。
しかし、それは不可能に近い。
今この場にはその晴海さんの知り得ない力を持っている人がいない。
俺がやろうと思えば最高威力のコードキャストでその突破口を貫けただろうが今の俺は魔力も体力もスカスカ状態軽いコードキャストも使えない状態だ。
どうすることもできない。
その時俺に絶望的な事態が訪れた
ズシャア!
服を切り裂く音。
それは晴姫さんの薙いだ薙刀が晴雨さんの肩から切り裂いた音だった。
「あ、…そ、そんな…」
俺の口からそんな言葉が漏れる。
晴雨さんは長く続いた戦いからの疲労、注意力不足により足元を滑らせたようだ。
完全な心を持たざる物からのイレギュラー
それは晴姫さんでも読むことができないことだった。
その場に崩れ落ちる晴雨さん
俺は彼女のそばまで走り寄り抱きかかえる。
俺は電子手帳から『鳳凰のマフラー』を取り出し『heal(16)』のコードキャストを使う。
何とかけがを治すことができたがそこで終わった。
俺もその場に崩れ落ちる。
なけなしの魔力も失い完全に動けない状態だ。
もう晴姫さんを止める者はいない。
俺は守ることができなかった。
元明は連れていかれ謎の首謀者により今後も苦しめられるかもしれない。
俺は決死の思いで意識を保ちかすかに見える光景で晴姫さんの表情を見る。
その目はまるで何も見ていないかのように残酷な目だった。
俺はその目を見て思いが強くなる。
絶対に負けられない。
こんな表情をする奴に負けられない。
こんな奴らに家族を虐げられたくない。
こんな奴らに俺の守るべきものを汚されたくない!
俺がそう決心した時
ドグン!
心臓がひとつ大きく鳴った。
その音とともに俺の意識が薄れていく。
しかしそれはまるで抱擁されるかのように温かく閉ざされるのだった。
36弾終わりました。
次回はついにあの人が…!
けど、今週末は用事がありちょっと投稿できないかもです。
蒼矢さん、シオウさん、渡り鳥さん、ミジンコドリームズさん、無名一さん、トキワさん、恋姫夢想さん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。