キンジよ目が点になっているぞ。
まあ俺も若干驚いているが。奴隷宣言のほうに
「ほら!さっさと飲み物ぐらい出しなさいよ!無礼な奴らね!」
そういったアリアはぽすっとソファーに座る。
「コーヒー!エスプレッソ・ルンゴ・ドッピオ!砂糖はカンナ!1分以内!」
そうこちらに宣言をしている。
キンジは何を言っているのかわからないといった顔でこちらを見てくる。
仕方ないな。さすがにそこまではないのだが
「さすがに、そこまではないのだが。俺独自のブレンド品でいいなら」
「アンタ、コーヒーブレンドできたのね…」
「まあ、一応」
さすがに全部を俺が考えて作ったわけではないのだが。
月の世界でオカン気質なサーバントに教わった奴を少し自分が変えて作ったものだ。
コーヒーが苦手なキンジでものめるのでちょっと甘めだろうが
早速、コーヒーメーカーでこしてからアリアに差し出す。
アリアが一口飲むと
「へぇ…これおいしいわね」
と言ってくれた。よかった喜んでくれたみたいだ。
俺たちはコーヒーを飲んだ後キンジが言った。
「今朝俺たちを助けてくれたことには感謝している。それにその…お前を怒らせるようなことをしてしまったことも謝る。でもなんでだからってここに押し掛けてくる?」
キンジよお前本当に何をしたんだ…。
そう葛藤をしていても、話は進む。
アリアは目だけをキンジに向けて
「わからないの?」
「わかるかよ!」
いらだった様子で言うキンジ
今度はこちらに目を向け
「アンタは分かる?」
「何をしに来たのかは大体わかるよ。後、俺の名前は白野だ。」
そう言って席を立つもうそろそろ時間だからな。
「あんt…白野。どこへ行くの」
「俺はアリアのがなぜここに来たかわかるからな。俺は条件付きでやってもいいよっとだけ言っておく。俺はこれから自主トレだから家を空ける。キンジは分かっていないようだからちゃんと話しておいたほうがいいと思うぞ」
そう言って自分の部屋に入り運動用の服に着替え、部屋を出る。
ちゃんと伝えられるのかな。月にいたときの凛のSGを思い出させそうな子だからなあの子。
キンジは朴念仁だからちょっと不安だ。
そう思いながら俺は寮から走り出す。
こうした自主トレは俺が物心ついたときから始めている。
その時から過去のことを覚えていたため魔力や体力が減少していることを知り自主トレを始めているのだ。
月にいたときこれまたオカン気質なサーヴァントからの教えにのっとり走りながらも呼吸を集中させスタミナの減少を抑える走り方をして寮から離れた公園についた。
公園についてからちょっと乱れた呼吸を整えベンチに座る。
今日は体力に余裕があるからいつもより出力を上げてから走るか。
そうして、自分の魔術回路を開く。
魔力も月にいたころより減少しているため出ている量はいつもより少しだけ多めにして走り出した。
少しだけ増やしただけとしてもこの公園から家までの距離を走るのだ。それもなかなかの魔力を消費する。
この方法は、月で正妻(自称)のサーヴァントから学んだものだ。
いつも、ふざけているように見えるのだが魔術関係の時には真剣に教えてくれたいいサーバントだ。
そう考えながら、家に着いたときにはとても疲弊していた。
しかも、いつもよりも少し遅いな。
キンジおなかをすかせているだろう。
今日は何を作ろうかと考え寮の部屋に入って行った。
「で、何でいるんだアリア?」
「キンジが認めないから今日はここに泊るから」
おいキンジこうなることも分かっていなかったのか。
そう言ってアリアはももまんをほうばる。
ももまんすきなのかな?
「おい白野。こうなることわかっていたのかよ」
「アリアがこちらに助けを求めるのは分かったが拒否したらここまでしつこくなるのは分からなかったな」
そう言って着替えいつものごとく料理を作る。
今日は遅くなったからキンジの好きなハンバーグを作ろうとしたがやめた。今日はカレーにしよう。
料理はこれも、月にいたとき、オカンなサーヴァントと狐系サーヴァントから教わった。
あの二人ほど上手にできないがそこそこ上手になったのは自覚がある。
赤王と金ぴかからはって?あの二人が戦闘以外何ができると思う?
俺が作り終わるとキンジは待ちきれないのかこちらに皿を持ってきた。
俺はキンジのちょっとした子供っぽい部分にあきれながらもキンジの考えについて一考する。
キンジには一年前武偵のお兄さんがいてその日とある客船の護衛をしていた。
しかし、その船はシージャックされお兄さんは亡くなってしまったのだ。
けど、被害者はお兄さんだけで武偵としては最高の成果を残した。
しかし、社会は彼を非難。シージャックを回避できなかったのは武偵が原因だとキンジのお兄さんを攻め立てたのだ。
そんな社会の不条理、武偵の徳のなさにキンジは武偵を絶望し普通の生活に戻りたいと思っているのだ。
そう考えるとキンジがアリアのことを拒絶するのは分かる気がする。
今回の話は武偵を早く辞めたいキンジにとってアリアの話はさらに普通の生活とかけ離れてしまう。
この話を容認してしまうのは難しいのだろう。
などと考えている間に夕食を終えた。
キンジが満足しながら食べ終わるなか、アリアは
「キンジ、あなたはフロントがいいわ。白野はバックアップね」
「だから、俺は受けないって言っているだろう。」
「白野は、本当にナイフだけなの?」
「へえ。どうしてそう思う?」
キンジの話を無視して話を進める俺とアリア
ちょっとかわいそうになってきたな。
「白野は、あんなに汗だくになりながらも特訓しているんでしょ。ナイフと情報だけならそんなに特訓しなくてもいいと思ったから」
「さあ、どうだろうな」
「そういえば、白野は条件付きで受けると言ったわね、どんな条件?」
「俺が依頼を受けている時以外か、俺自身の要件がある時以外かな」
「そう、手伝ってくれてありがとう、白野」
へえ、ちゃんとこういった子でも感謝の言葉を言えるんだな。
さっきのコーヒーの件で外国でも貴族とみた。情報収集は武偵の基本だから後で調べておくかな。
「なのに…キンジは受けないのね!」
キンジのほうを見てそう声をかける。
「当たり前だ!俺は武偵をやめたいからなそんなことやってられるか!」
そう言ってまた堂々巡りをするキンジ。キンジよお前が認めなければアリアは帰ることはない。お前にとって女子と部屋に長居することはよくないんじゃないのか。
なら、受けておいたほうがいいだろう。俺個人にとってもキンジには武偵を続けてもらいたい。キンジには武偵の才能があると思っているのだ。自分の才能をつぶす真似はしてほしくないしな。
が、そんな思いをキンジが知ることもなく拒絶したキンジ。それにアリアは
「出てけ!」
「何でおれが出ていかなきゃならないんだよ!ここはお前の部屋か!」
「分からず屋にはお仕置きよ!外で頭を冷やしなさい!しばらく戻ってくるな!」
猫のようにフカーと威嚇しながらキンジを部屋からキンジを押し出したアリア。
キンジ本当にかわいそうだな。
そしてアリアはリビングに戻ってくると
「何をやっているの白野。あなたも出ていきなさい!」
「いや、それはできないアリア。皿を洗わないといけないからな」
今日はカレーだったし、時間をおけばカレーの具がこびりつくのだ速めに処理しておきたい
「はあ、ならいいわ。あんたって、料理できたのね見直したわ」
「月で教わったんだよ。オカン気質と良妻系サーバントにね」
アリアはぽかんとしてたが別に大丈夫だろう。それより
「アリア、お前今日ももまんしか食っていないだろう」
「うっ、そうだけど…」
「バランス良く食べないと大きくなれないぞ」
「う、うるさい!もういいお風呂入るから覗かないでね!」
「わかってるって。明日からアリアも夕飯参加しろよ」
そう言って皿洗いをしながらアリアを送り出す。
ちょっとだけあの子の扱い方がわかった気がしたな。
…。
覗かないのかって?
何だろう覗いたら、空から世界の終わりが降り注ぐような気がするのだ。
なるべく、変な真似をしないようと心に決め皿洗いを終えるのだった。
今日は時間があったため2話投稿となりました。
今後も時間があるときにはこういったこともありますので温かく見守ってほしいです。
感想、意見お待ちしております。