緋弾のアリア ~月を渡る前向きな武偵~   作:紫柳

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あ、暑いですね…
この季節でいやなことは汗でキーボードがヌメッとすることです。


第50弾 理子救出

 

「へ、変身っ…!」

 

アリアが絶句した声をあげる。

今や小夜鳴は俺たちの前で洒落たスーツが紙みたいに破け何とその下から出てきた肌は赤褐色に変色し熊のように筋肉が盛り上がっていく。

文字通り変身だ。

その筋肉が纏わりついた巨大な手で理子さんを鷲掴みしている。

が、最後まで待つ必要はない。隙ができたなら行動するまで!

 

「行くぞ!」

 

俺は声をかける。

その声でキンジ達も動き出す

 

「ぐぅおん!」

 

俺たちが動いたため狼が動き出した。

 

「狼は俺に任せてくれ!」

 

キンジが声を上げる

それと同時に狼は襲いかかってきた。

が、しかと反応は出来たので体術で狼を受け流し後をキンジに任せる。

そのまま俺はブラドへと向かう。

その間に電子手帳を展開し礼装である『空気打ち/一の太刀』を取り出す。

しかし、そこで俺はミスをした。

このままブラドに当てたら確実に理子さんにも被害が出る。

しかし、ブラドももう変身を終えるくらいなのか落ち着いてきている。

礼装を変える時間が無い。

 

ならばと俺は戦法を変えた。

なるべく魔力は風圧へと変換をする。

そのためた衝撃波を放った。

 

 

俺の後ろ斜め下に。

コンクリートである地面がへこむ。

だが、風圧へと変えた威力は中々の力を持ち俺を急速に吹き飛ばした。

その先にはブラドの姿が。

俺は威力を高めるため回転を加えそのまま蹴りを放つ!

 

見事理子さんを持っている肘の内側へと俺の左足の蹴りが決まるとゴキッ!バキバキ!と音をたて関節が外れ砕ける。

指に力が入らなくなったのか理子さんから手を離すブラド。

俺は今だ残っているスピードで右足を出しブラドの側等部へとまた右足の蹴りを放つ。

その威力にブラドは押され後ろにある電波塔まで吹き飛ばした。

俺は空中で理子さんを抱え地面へと降り立つ。

 

「ぐっ…!」

 

しかし、そのまま膝をつく。

あまりの風速で飛び出したためブラドの間接を砕くと同時に左足を痛めたようだ。

俺は礼装である『鳳凰のマフラー』を取り出し『heal(16)』のコードキャストを先に理子さんにかける。

理子さんの傷が治ったのを確認した後自分にも使う。

俺の傷が治ったのを確認しキンジ達の方を見る。

狼は全て痙攣し倒れていた。

後で聞くと脊椎と胸椎の間その上部をかすめて瞬間的に圧迫、その作用で麻痺させたらしい。

そんなすごい神技ができるのかと聞くと先にレキさんがやったのを見て真似したようだ。

すごいな…レキさん…

その時電波塔からガラガラと音がした。

ちっ!さすがに効いていないか。

 

「…おい。そこの男今のは痛かったぞ」

 

「…不死身なくせして痛いとか言うなよ…」

 

腕の中で理子さんが恐怖したようで身を縮こまらせている。

 

「初めましてだな」

 

その声は小夜鳴のような優しめの声ではなく獣のような低く轟くような声をしている。

 

「おれたちゃ、頭ん中でやり取りするんでよ…話は小夜鳴から聞いてる。分かるか?ブラドだよ、今の俺は」

 

さらにその目は獲物を睨みつけるような金色だ。

 

「…完全な別人格。さすがに俺も誤算だったよ。同じであって同じじゃない存在だったとはな」

 

「?どういうこと?」

 

「擬態みたいなものだろ?」

 

ヒステリアモードのキンジがアリアにわかりやすいように補足を加える。

 

「ぎたい?」

 

「アリアの好きな動物番組でもたまに出てくるだろう。例えばトラカミキリはハチを装って自然界で有利に生きようとするが、その際は単に姿を真似るだけじゃなく動作までハチそっくりにせわしなく動く」

 

「う、うん。それは見たことある」

 

「ブラド・小夜鳴の変身はそれの吸血鬼・人間バージョンなんだ。あいつは元々、あの姿をした生き物だったんだよ。それが進化の家庭で人間に擬態して生きるようになった。その擬態は高度で、姿だけじゃなく…小夜鳴という人格まで作り出した。厳密には違うようだが二重人格みたいな状態で吸血鬼の姿と人格を内側に隠してたんだ」

 

ヒステリアモードになってるとアリアは気づいたらしくちょっと慌てたようにブラドを見て

 

「人間という役になりきってたのね。まるで人間社会への潜入捜査だわ」

 

「まあ、そんなとことだ」

 

詳しく説明する気はないらしい。

ブラドはその目を俺たち…正確には俺の腕にいる理子を見る。

 

「おぅ4世久しぶりだな。イ・ウー以来か?」

 

理子はぎゅっと俺の服を掴んでくる。

震えている。

 

「4世そういえば、お前は知らなかったんだよな俺が人間の姿になれることを」

 

「ようはお前、最初から理子さんを騙したんだろ?アリアを倒したら理子さんを解放するって約束を」

 

「お前は犬とした約束を守るのか?ゲゥゥウアババババババハハハ!」

 

理子さんが悔し涙を流す。

 

「檻に戻れ繁殖用牝犬。少しは放し飼いにしてみるのも面白ぇかと思ったんだがな。結局お前は自分の無能を証明しただけだった。ホームズには負ける。盗みの手際も悪い。弱ぇ上で馬鹿で救いようがねぇ。パリで闘ったアルセーヌの曾孫とは思えねえほどだ。だが、お前が優良種であることは違いはない。交配しだいでは品種改良されたいい5世が作れてそらいい血がとれるだろうよ。」

 

俺の耳をブラドの品のない笑い声が通って行く。

そこで俺は声を抑えることができなかった。

 

「だからなんだよ」

 

「あ?」

 

「だからなんだって言っているんだ」

 

「ああ?聞こえなかったのか?4世はただのできそこないだ。だから俺がいいものへと…」

 

「人の価値を勝手に決めるんじゃねえよ!」

 

俺の大声が夜の空にこだまする。

 

「人はそんな決められたもので価値が付くものじゃない!そんなもので人の可能性を潰すな!」

 

「はっ!人の価値なんて最初から決められたものだ!可能性なんてあるわけがない!」

 

「可能性ならある!それもこの世にいる全員にだ。もちろん理子さんにだってある。ただそれを見逃しているだけなんだ!確かに人の可能性は低いかもしれない。でも仲間と力を合わせれば無限大の力が広がる!それを信じればたとえ世界を渡った冒険家だろうが中国最強の拳法家だろうが悟りを開いた仙人にだって勝つことができる!」

 

「あ~あ?てめぇ何言ってんだ?」

 

「つまりだな…」

 

俺はまたひとつ息を吸い答えを出す

 

「お前みたいな小さいやつが勝手に人の強さに触るなってことだ!」

 

俺の声の残響が響く

ブラドは俺の叱責を聞いてイラついているようだ。

そうだ、これも言っておくか。まあ奴にはわからんが

 

「お前みたいな小さいやつよりもまだましだった奴がいたよ」

 

ブラドは何だ?といった感じで見上げている

 

「そいつは確かに汚れていた。人としても認められないことをしていた。けどな、そいつはただまっすぐ神を信仰していた。確かに許されないことをしたがただまっすぐに信じるものを付き通していた。それに比べたらお前の方のブラドはただ小さなことしかできない小物だ」

 

「…なんだか知らんがむかつくものいいじゃないか」

 

ブラドの口調は怒っている口調だ。

俺はブラドを無視して腕にいる理子さんに向けて言葉を発する

 

「理子さんはだた自由を求めているだけだ。それをお前が制限するのはおかしい。だから」

 

俺はキンジ、アリア、ユキを見て最後に理子さんを見て

 

「何か言うことがあるんじゃないか?」

 

俺の質問に理子さんは顔を赤くし一度俯く

そして弱々しい声で

 

「アリア…キンジ…ユキ…白野…」

 

「………た…す、け、て」

 

 

 

「「「言うのが遅い!」」」

 

そしてキンジ達が動き出す。

俺はまた理子さんを見て微笑み

 

「任せろ!」

 

そう…言った。

 




50弾終わりました。
シオウさん、パラノイヤ(偽)さん、恋姫夢想さん、rassyuさん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。
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