あとブラドの戦闘は原作と大分改変をしました。すまぬブラドよお前はただの前座だ。
キンジ達がブラドに飛び出していく。
俺は少し後ろに下がり理子さんを安全な場所へと下ろす。
「し…ろ…君?」
「理子さんはそこで見ていて」
「しろ君!」
俺はまた振り向き飛び出そうとするが理子さんの呼び止める声で足が止まってしまう。
「どうかした?」
俺は不安を与えないようなるべく笑顔を向けて問い返す
「あ…あの…!」
心の底から声を出すように声を絞り出す
「あ、あり…がとう…」
俺は少し驚いた。
理子さんがここまで素直になったのは初めて見たからな
「ああ、だけど…その言葉はこの戦いが終わった後にも聞きたいな」
「そ、それと!」
「ん?どうした理子さん?」
「それと…理子さんとか他人行儀じゃなくて…あの時みたいに理子って呼んで」
「………わかった」
俺は彼女の方をしかと見て
「理子」
ただ一言告げる。
それを伝えまた俺は振り返り戦闘へと向かう。
戦場は荒んでいた。
ブラドの弱点についてはキンジもジャンヌさんから聞いているはず。
多分アリアにも伝えたのだろう。
放っている弾丸は目の紋様に吸い込まれて行っているが四つ目の弱点が見つからないためその傷はすぐに回復している。
ブラドは鉄塔を破壊しその一部を振るって攻撃を仕掛けているが
『物体断裂』
ユキの能力がブラドの足へと攻撃しバランスを崩している。
それの影響でこちらにはまだ被害はないが相手が不死身であるが故に攻めても攻めても好転することが無い。
これはあの策を使う時が来たか。
そう、俺はもしもブラドが現れた時の四つ目の弱点のいぶりだし方を考えていたのだ。
今こそそれを使う時だ。
俺は電子手帳からあるものを取り出す。
それをしっかりと両手で支え
「ブラド!こっちを見ろ!」
ブラドがこちらを振り向くと同時俺は銃口を向ける。
MP98サブマシンガン
この世界でもトップクラスの連射性能を持つサブマシンガンの一つを俺はブラドへと向ける。
俺はここに来る前に平賀さんにこの銃を買いそれを魔力化し電子手帳へと収納するという使い方を作り出した。
収納量に制限はあるが一応ロケットランチャーくらいなら入ると思う。
「なぁにぃ!」
その声はブラドからもキンジ達の方からも聞こえる。
まあ、だれにも言っていないからな。
「弱点が見つからないならばまとめて攻撃すればいい話だ!」
これから始まる銃撃に備えブラドは両手で顔を覆う。
そして俺はトリガーを引く!
さあ、ここで問題だ。
銃なんてほとんど触ったことのない初心者がたとえ反動が少ない銃でもマシンガンを乱射すればどうなるか?
答えは簡単である。
「うぉわぁ!」
俺は銃の発射の際の反動で銃口が上へと大幅にずれる。
トリガーを離そうにもテンパって指が離れない。
故に銃弾は夜の空に消えていく。
そして数秒。
マガジンに弾がなくなり銃口からは煙だけが出る。
そして場に流れる微妙な空気。
全員動くに動けず流れるのは夜の屋上の風だけだ。
先に行動を起こしたのはアリアだ
「ちょっと白野………」
その声に俺はドヤ顔で
「計画通り!」
「嘘つけ!」
「いや嘘じゃないって!」
「使えないならアタシによこしなさいって!」
「い、いやあ…それがねえ…全部うっちゃって…」
「…マガジンは?」
「…ありません」
「「「はぁああ~~~………」」」
周りの全員が溜息と共に落胆の態度をとる。
いや、本当に計画通りだけど…
しかし、ブラドは俺の行動でさらに機嫌を悪くしたようだ
「お前…ふざけてんのか…!」
「いや、ふざけては…」
「うるさい!お前らもまとめて吹っ飛べ!」
そこでブラドは胸をふくらますほど大きく息をする
あ、何か嫌な予感
「ワラキアの魔笛に酔え!」
「―!全員耳を塞げ!」
俺は大声でキンジ達に声をかける。
それと同時響ききわたる悲鳴のような声
ピィギャアアアアアィィイイイイイィィィ!!!
びりびりと全身が痺れる。
こ、ここまでの大声はさすがに効くぞ…
そしてまた場に静寂が流れる。
お、終わったか…
耳から手を離す。
うう…なんだかこの声を聞くと血の気が引くような…
血?
俺は振り返りキンジを見る。
そこにはカリスマの雰囲気はなく普通のオーラを出すキンジだった。
ヒステリアモードが解けている!
この声にはそのような作用があったのか!
これはまずいことに…
「いやぁああぁぁぁ!!」
上の方から声が聞こえてくる。
見てみると電波塔からユキが落ちてきていた。
どうも高い位置からブラドの隙を窺っていたようだが先ほどの声でバランスを崩されたようだ。
流れるように落ちてくるユキ。
俺は助けるために走り出すがその下にはキンジがいる。
通常モードでも大丈夫か?あれ。
キンジは落ちてくるユキに気づくが…
「うおぁあ!」
二人がぶつかり共に倒れる。
が、その倒れ方がまずかったのだ。
キンジが下から受け止めるように抱き締めている。
それでもまずいがさらにユキの胸がキンジの顔面に当たっている。
それが決定打となる。
そこでキンジの雰囲気が変わる。
ヒステリアモードになったみたいだ。
というか忙しいなそれ。
ユキはショックにより気絶しているみたいだ。
「…おい、キンジ」
「そんなに怒らないでくれ。これはたまたまだよ」
いや別に怒っていないんだけど。
俺はユキを起こし柱の陰に寝かせる。
まあ、ユキは屋敷の方で頑張ってくれたし後は寝ておかせてもいいだろう。
柱の陰から急いで戻る。
ブラドは先ほどの大声で少し疲れたのか肩で息をしている。
キンジ達はそれに追い打ちをかけるように銃を打っているが意味もないだろう。
だが、先ほどの策のおかげで俺は勝利を確信している。
俺はキンジ達の元へと急いで近寄ると
「そのままでいいから聞いてくれ」
「な、何よ!」
「あいつの倒し方がわかった。だから協力してほしい」
「本当にわかったの?!」
「ああ、先ほどのマシンガンの件からな」
アリアは訝しそうな目で俺を見てくる。
本当にわかったんだって…
けど、キンジは分かってくれたようだ。
「ああ、わかった。俺たちはどうしたらいい?」
「四つ目は俺が仕掛ける。お前たちは他をお願いしていいか?」
「…わかったわよ。けど、それはちょっと厳しいわね」
アリアは言動と一緒に厳しそうに声を出す
「さっきのブラドの声のせいで銃が一つ壊れた。キンジの銃と合わせても2丁しかないの。このままじゃひとつ足りない」
それは確かに困ったぞ…
方法があるのに手段がないこれでは手詰まりだ。
考えろ…!手段なら…
「任せて」
その声は上から聞こえてきた。
俺たちはヘリポートを見る。
そこには先ほどのような弱々しい表情はなく堂々とした風格の理子がいた。
「その一つなら策がある。」
一つ跳んでヘリポートから降りた理子にアリアが詰め寄る。
「けど、アンタの銃は捨てられたんじゃ…」
「うん、けどお母様がいつも隠していたところに一丁隠し持っていたからそれでいける」
そう言ってアリアに自分の胸を叩いて主張する。
しかし、これで準備ができた。
方法と手段が整ったのなら勝つことはできる!
俺たちはブラドを見る
「最後の話し合いはできたか?」
「…お待ちいただきどうも…」
どうやらブラドは負けることはないと思って待っていたようだな。
けど、それは好都合。
油断ほど狙いやすい獲物はないのだ。
「…最後の勧告をしてやろう。檻に戻れ4世。別にそこの男も一緒に連れてきていいぞ。そいつの能力は使えるし面白いからな。なんならお前らのいいDNAを組み合わせていい5世でも…」
「絶対に嫌だ!もうお前に理子の人生を操られてたまるか!」
…いい返事だ理子。
そこで俺は飛び出す。
それと同時電子手帳から『錆びついた古刀』と『守りの護符』を取り出し『gain_str(16)』
と『gain_con(16)』のコードキャストを重ねがけする。
魔力を使ったのでちょっと倦怠感が襲うがくらっとするだけだほとんど問題はない。
ブラドが鉄棒を横に振るう。
しかし、俺はよけない。
そのまま鉄棒に右足で斧刃脚を放つ。
防御力と攻撃力を上げた俺の右足は折れることなく鉄棒に振るわれる。
鉄棒は俺の足が当たった部分からぐにゃぐにゃに曲がりブラドに隙を作る。
「今だ!撃て!」
その声の後銃声が聞こえる。
後ろで撃ったのだろう。
俺は隙ができたブラドにさらに近づく。
後1メートルほどでブラドの弱点である目玉模様に全て血が噴き出す。
…すごい命中力だな今度銃の使い方でも教えてもらおうかな。
その考えも一瞬で記憶の奥底へと沈め俺は跳びあがりブラドの狼のような顎の下、そこからアッパーをするように絶招歩法を放つ。
マジカル☆八極拳はともかく八極拳の本質は内側からの破壊である。
つまりたとえ顎の下から攻撃を仕掛けたとしても内側まで衝撃が伝われば!
「ぉぅらぁ!」
「…グゥァペッ!…」
俺はそのまま腕を振り抜く。
コードキャストで強化された俺の右腕から放たれた衝撃は見事弱点をうちブラドの再生能力を打ち消した。
顎を砕かれたことによって悲鳴を上げることもできぬままブラドは地面に崩れ落ちる。
ブラドは起き上がることはなかった。
それはつまり再生能力が聞いていないということ。
ということは
「…勝ったの?」
「…ああ。勝ったぞ」
俺は振り上げた腕を下げ振り返り答える。
そこでみんなの緊張は解かれたようだ。
アリアに関しては膝をついている。
俺はキンジ達に近づくと
「…ねえ白野。何でブラドの弱点が顔にあるってわかったの?」
そうアリアから質問がはいる。
俺は仕方なく説明を入れる
「俺が何の考えもなくマシンガンを乱射すると思ったのか?」
「え?!本当に考えがあったの!」
「お前な…」
俺は溜息をつく。
続きを補足するようにキンジからも声がかかる。
「マシンガンはおとりだったんだろ?」
「おっ!やっぱりキンジは分かってたんだな」
「…な、何?どういうこと?」
本当にわかっていないのか…
そのあとは俺が説明をするように声を出す
「マシンガンなら連射性能で押し通すこともできるからな。それなら全体的に撃てば全部に当たる。それを察したブラドは絶対に隠された部分を隠すことが分かっていたからな。そこで顔を隠したから弱点は顔にあると思ったんだ」
「…アンタ本当に考えていたのね」
「アリアお前は俺を信じているのか信じていないのかどっちなんだ…」
そこで笑い声がこだまする。
そちらを見ると理子が笑っていた。
そう、これで理子は本当の自由を手に入れたのだ。
その笑顔は真の喜びが感じられた。
そして笑い声を止めると理子はこちらを見て
「ありがとう」
そう言った。
ちゃんとおれのリクエストに応えてくれたみたいだな。
俺たちは苦笑する。
イメージがないからかこんなに素直に言われると困ってしまうんだなこれが
理子はやっぱり恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
アリアはこれ見よがしに理子に詰め寄るが見事に反撃をくらい何時ものごとく喧嘩を始める。
ああ、これが何時もの現象だなと思いこの戦いを終えるのだった。
―!
異変を感じた。
俺は振り返る。
そこには理解不能の現象が起きていた。
51弾終わりました。
ローレライの歌声さん、ボルメテウスさん、パラノイヤ(偽)さん、朝比奈悠人さん感想ありがとうございます。
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