緋弾のアリア ~月を渡る前向きな武偵~   作:紫柳

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今回の章やっと真実が…!
後、白野君の考えなんですが若干原作と変わっています。
今後の話で何故こうなったかは書きます。
結構この物語に重要なフラグになるのかな?



第53弾 白野の考え

 

「はあぁぁぁ………疲れた」

 

俺は今秋葉原の町にいる。

まあ、この前の依頼の延長のようなものだ。

けど徹夜は本当に勘弁だぞ…

 

 

ブラドに関する事件から数日が過ぎた。

あの事件の後俺は病院に駆け込まれすぐさま検査された。

まあ、魔力切れで倒れたようなものだしすぐに退院するかと思ったが…

 

それからがしんどかった。

退院直後国のお偉いさん方がきてこの事件のことは一切喋らないという条件の脅迫を受けたり必要書類を書いたりなど散々な日となった。

そのあとも入院していた時に依頼品の話があったのに反応もできなかったりしたので謝罪参りなど動き回ったりしたので疲労感が溜まりに溜まっているのだ。

それに最近はストレスもたまる。

アリアはブラドの裁判で出払っているので特に問題はないがあの日以来ちゃんと学校に来ている理子は何故か無視をする。無視というのも中々精神に来るものだが最近はユキがストレスの元凶だ。入院中もあいつは何かと俺に悪戯ばかりするのだ。何とも理子にしか構っていないから私にも構えーだとか。

確かに潜入期間中は忙しさと女装というなれないことで疲れに疲れたからあまり構ってやれなかったからか入院中に限って構いに構ってきた。

魔力切れの疲労感も相まって日に日に憔悴していったのだ。

そこで俺を助けてくれたのは

 

「おう、お前ら大丈夫k…どうした白野…?」

 

見事明久さんにつかまったユキは何と奈良まで強制送還されたらしい。

どうやら俺の状態を知った晴海さんが呼び出したとか。

…うん。まあ、仕方ないな。

 

唯一の癒しは明久さんが持ってきた俺の好物の一つである餡蜜だけだった。

だがそのあとは謝罪もあり現在もその謝罪参りの帰りである。

俺は夏に近くなり暑くなった空を見上げて思った。

 

癒しがほしい。

 

ああ、ちょっとした癒しでもいいから平穏がほしい…!

 

そんな現実逃避もむなしく時は進む。

俺はかすかに汗をかいた顔を上に向け気持ちを切り替えるために目を閉じて精神統一を…

 

ピタッと俺の頬に涼しくも乾いた布がついた感覚がした。

 

その布をあててきた手を振り払わない程度に素早くその人物を見るとそれは

 

「あ…すいません。ご迷惑でしたか?」

 

その白い手が引っ込められる。

真っ白のワンピースに身を包みその頭には麦わら帽子をかぶっている。

その姿はまるで漫画のように…いやそれ以上にきらびやかで…俺はついこう表現してしまった。

 

「…天使様!」

 

「へぇえっ!」

 

思わずその手を俺は掴んでしまった。

それは俺が唯一癒しだと思える存在だった。

 

「あれ?どうしてここにいるんですか彩音さん?」

 

「あっ、あの!話しますので…」

 

そう言って俺の掴んだ手を見る

 

「あ!ご、ごめん!」

 

俺はつい掴んでしまった手を離す。

って言うかこれは普通にセクハラになる…いや!これは不可抗力だから!

 

「すいません。急に掴んだりして」

 

「い、いえ!こちらも不注意でした」

 

そう言って俺たちは頭を下げあう。そんな感じで数分すると

 

「え…えっとどうしてここに?」

 

このままでは同じことを繰り返すので俺は流れを変えるために質問をする。

 

「あー…実は今日お気に入りの漫画の発売日だったんです。白野さんは?」

 

そう言って書店の袋を見せてくる彩音さん

 

「俺はちょっと仕事で失敗しちゃってその謝罪参りに…」

 

そこで俺はちょっと失敗したと思った。

まあ、久しぶりに会った人が疲れている顔を見せられたらいい顔しないだろう。

 

「えっと…お疲れですか?」

 

心配そうに俺の顔を見上げてくる。

ち、近い!めっちゃいい匂いが…!

俺の動揺を別の意味で勘違いしたのか彩音さんは俺の手を掴み

 

「行きましょう!」

 

「へ?」

 

「遊びに行きましょう!」

 

俺はさらなる動揺の声も出せぬまま彩音さんに引っ張られていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

結論から言おう。

 

めちゃくちゃ恥ずかしい。

 

俺は今現在十六夜彩音さんに手を引かれてどこかに連れていかれている。

彼女の手はひんやりと冷たいけど女の子特有のやわらかさが…ってそうじゃなくて!

 

彩音さんはだれが見ようと美人であると宣言する。

つまり俺が手を引かれている間も道行く人たちも彩音さんを見ているのだ。

その中の男の視線は殺意と恐怖を感じたぞ…

俺はその視線を振り払うように彩音さんに話題を振る

 

「えっと…その格好似合っていますね!」

 

そこで手を離してくれた方が俺の精神衛生上よかったんだが案の定そのまま話し出す彩音さん。いや、まあいいんだけどねやわらかいし。

 

「えへへ…そうですか?こういったのは漫画ぐらいしかしないだろうと思ってコスプレ感覚だったんだけどそう言ってくれてうれしいよ」

 

少し恥ずかしそうに微笑む彼女はまさに俺が求めていた癒しだった。

 

というか久しぶりに悪意のない笑顔を見た。

獣の笑い声や俺にとっての悪意のある笑いだったり本当安心できる笑顔が見られなかった。

しかし、今彼女の笑顔は全く悪意のない善意の笑顔だ。

それだけで救われた感じだがそこで一緒に遊びに行こうと言われ限界突破しそうだ。

 

彼女が連れ込んだのはテラス付きのおしゃれな喫茶店だった。

都会だと言うのに緑で囲まれたその喫茶店はまさに彩音さんの雰囲気にぴったりだ。

俺と彩音さんは互いにいつくか注文しその間他愛もない会話などをしていた。

意外にオタク気質だった彩音さんは俺でも知っているアニメのセリフなどを交えながら注文品が来た後も楽しく会話を進めていた。

そのあとは俺の武偵についての話になった。

何でも俺の相談に付き合ってくれるというのだ。

さすがにそれは迷惑だろうと思ったが話したら楽になるかもよと言われなんとなく話してしまった。

ほとんど俺の愚痴みたいになったが…なんか楽になった。

溜まっていた不満を吐き出すとここまで楽になるのか。

 

「…だったからちょっと精神的に来ちゃってね…」

 

「…そうかぁ…それは大変だったね」

 

そこで彩音さんは一口コーヒーを飲む。

 

「あなたは満足しているの?」

 

「…まあ、しないと言ったら嘘になるな。あいつらは俺の大切な奴らだから。そんな奴らだから迷惑をかけたり掛けられるのは信用できる存在だと思っているんだ」

 

「…そう…か」

 

彩音さんはカップを置くと顔を少し俯かせている。

美しい金髪がさらさらとその相貌を隠している。

髪をかきわけ顔を上げたその顔は確かに微笑んでいた…微笑んでいたが…

 

「私も…白野君にとっての大切な人なのかな?」

 

「それはそうだけど」

 

俺はその質問に即答する。

…さっきまでの考えは考えないようにしよう。きっと何かの間違いだ。

 

「それなら少し意地悪な質問をしよう」

 

人差し指をピンっと立てて質問を続ける。

 

「白野君はある仲間協力して強敵と戦っています。けどその途中でその仲間が一人重傷を負ってしまいました。すぐに病院に連れて行かないと死んでしまいます。そこにある強力な人物がきます。その人は一人でも余裕でその強敵を倒せます。けどその人物が言いました。こいつを倒すには誰か一人の命を犠牲にしなければならない。あなたは一体誰の命を掛けられる?」

 

「そんなことは…」

 

「あ、そんなことにはさせないってのはナシね。絶対に誰か一人を犠牲にしないと助からないとなったら」

 

ふむ、まあ俺ならコードキャストで助けることができるがここは心理的な質問だろうしそこは除外して考えてみる。というか考えることでもないな。

 

「それなら俺の命をかけるな」

 

俺の言葉に驚いた表情を見せる彩音さん。だってそうだろう?

 

「だって大切な仲間が死にかけているんだぞ。助けたいと思うのは当り前じゃないか」

 

「…それがたとえ自分の命を失うことになっても?」

 

その質問に俺はしかと答える

 

「ああ、助けるからには命をかける。けど…」

 

一つ息をため

 

「そう簡単に命を投げ打ちにはしない。たとえ仕方のないことだとしても…なんとか生き残って見せる!」

 

彩音さんは俺の言葉を真剣に受け取っていた。

そして一つ嘆息を放つと

 

「白野君なら確かに助けてくれるだろうね。…まあ、あまり深く考える必要はないと思うよ」

 

そして微笑んでくれたその表情は妖艶でまぶしかった。

 

「…もうこんな時間か」

 

時計を見ると中々の時間が経っていた。

もうそろそろ帰って夕飯の支度をしないと

 

「すいません。もうそろそろ帰らないと…」

 

「あ…そうですか。引きとめてしまってすいません」

 

「い、いえ!楽しい時間でした!ありがとうございます」

 

駅まで送って行こうとしたが彩音さんは待ち合わせがいますのでということなのでそこで別れることにした。

これも何かの縁だということでメアドとか交換はしたが…まあ、たまには掛けさせてもらおうかな。癒しがほしい時に。

そのあとの普通じゃない視線には気づくことなく白野は寮へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 彩音

 

「…ふふっ!」

 

楽しかったなぁ。

話をしていても面白かったし彼特有の人を安心させてくれる笑みも見せてくれた

それに…

 

大切な人だって言ってくれた。

 

私以外にもいるのは少し癪だけどそれはこの際だから今は妥協する。

それに今日は彼の魂のまっすぐさも見れた。

他人のために命をかける。普通はそんな人間はいない。

だが彼の目は嘘をついていないことを決定づけるようなまっすぐな目だった。

 

一体どんなことがあればあそこまでまっすぐで光輝く魂になるのだろうか。

ああ…知りたい。彼の全てを知りたい。

今回もたまたま出会ったが連絡手段を手に入れた。

今後ももっと…

 

「待たせたわね」

 

「…ちっ」

 

おっといけない少し殺気が漏れてしまった。

警戒されるが…これはお前が悪い。なんせ私の妄想の邪魔をしたんだから。

…まあいい。

さっさと終わらせてまた妄想にはびこりたい

 

「…さっさと話して」

 

「…今回からあの子に仕掛けると決まった。その時にあの人も絡むかもしれないけど…その時は手を出さないで頂戴」

 

警戒心丸出しの声で問われるが答えは決まっている

 

「ええ。いいわよ別に」

 

「えっ?」

 

確かに少し前の私…今日彼にあっていなかったら容認してはいなかっただろう。

だが今日彼の価値観を知りまた見守ることにした。

 

「ああ、後今回は海上に出るらしいから見ることはできない…」

 

ヤヴァイまた殺気を…

…仕方ない。今回だけの最大限の譲歩だ。

多分私の予想では教授の思い通りにはいかないと思うし。

そうなれば今後はほとんど抑止力はなくなり自由に動ける。

今後を考えれば今は耐える時だ。

だから

 

「わかったから帰れ。」

 

殺気は出さない。が言葉は冷酷にだ。

相手も私の気持ちを察してかすぐに消え去った。

はあ…まあ今日は彼の思い出だけで我慢しましょう。

 

時間が経っているはずなのに最初に注文したコーヒーは湯気が立っていた。

 




53弾終わりました。
白野君から漂う弱EMIYA臭
後ユキの強制送還は次のオリジナル章への伏線なだけです。
恋姫夢想さん、コッペPANさん、パラノイヤ(偽)さん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。
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