緋弾のアリア ~月を渡る前向きな武偵~   作:紫柳

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暑いですね

すいません。熱中症気味でパソコンにも向かえない状況でした。
明日はちょっと厳しいかもです。



第54弾 感情の螺旋

あの後はパソコンの前で寝ているキンジを起こして夕食を食べた後は普通に就寝。

今朝まで特に何もない日々を過ごしていた。

何もなかった。つまり俺の求めていた平穏は今朝『まで』で終わっていた。

まあ…平穏は続かないと言ったことだ。

 

 

 

 

 

 

放課後俺は強襲科の棟へと向かっていた。

今日は特に何もすることもなかったため戦妹であるライカの特訓の指導へと向かおうとしていた。

というのも少し気になっていることがある。

昨晩からキンジの様子がおかしいのだ。

何か思いつめている様子でいるし今朝に関しては自ら一緒に登校しようと話している始末だった。

いや、今考えてみると何かとアリアを見守る視線が多かった気がする。

あの目線は守るための視線だ。これから何かアリアの身に起きるかもしれないという目線が…

俺は何も言われていないがキンジが何か不安なら仲間として守るのは当然である。

なので、キンジが授業で出られない今俺が守るために強襲科へと向かったんだけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「覚悟ぉぉおおおおおおお!!!」」」」」

 

「な、何で…」

 

現在俺は強襲科1年全員と戦っている。

右から来たナイフをいなして後頭部へ蹴りを放ち周りの一年を巻き込ませながら吹き飛ばす。もちろん手加減を加えてだ。

何でも蘭豹が俺を倒すことができたらランクを上げると言われたらしい。

ただの迷惑である。

だがまあ俺の特訓にもなるので手加減はしないけど

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

ようやく倒し終わり軽く嘆息をつく。

まあ前回の反省を生かしてそこそこ強くなったみたいだがまだまだ連携が甘いようだな。

そのあたりは今後頑張ってもらいたいところだ。

 

「あ、白野先輩お疲れ様です」

 

そう言って俺の戦妹であるライカがタオルを持ってくる

俺は一言礼を言って受け取る

 

「あれ?そう言えばライカってさっき戦っていたっけ?」

 

「いや。戦っていないッスけど…」

 

そこでライカは考え込むように顎に手をやると

 

「最近先輩ここに来なかったじゃないですか。だから、アタシは一人で訓練していたんッスよね」

 

「う…ごめん」

 

「あ!いえ!先輩を非難しているわけじゃないッスよ!ほんと先輩には感謝しているッス!」

 

俺は先輩としての自覚のなさに少し鬱になったがライカが止めてくれた。

ほんと…いい子だなぁ…

 

「けど…アタシはまだ先輩には遠く及ばないってわかっています。だけど」

 

そこで息を大きく溜め自信を込めた表情で発声する。

 

「アタシは先輩とサシで勝負したいんです!絶対に一発入れて勝って見せます!だからその時まで戦う気はありません!」

 

…へえ。言うようになったじゃないか

俺は苦笑しながらもなら俺ももっと頑張らないとなと返答をする。

確かにライカにはセンスがある。俺よりも強くなるかもしれない。

けど俺は見たい。未来のこの子たちは一体どのように成長していくのかを。

そのために今は成長させる時だ。

今は俺の目の届く範囲で頑張ってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこまでは普通の日常だった。

それから少しずつまた非日常へと変わる

 

「あれ?誰だ?」

 

強襲科の誰かがそう声を上げる。

俺たちも特訓の手を止めそちらを見ると

 

高めの身長ですらっとした体系。制服は札幌武偵校の制服を着ている。

ながい茶髪をみつあみにまとめその相貌は多分トップクラスの美少女であろう。

見た目はね。

なんだか違和感があるんだよなぁ…あの人。

その人はまっすぐアリアの方へと歩み寄る。

俺は一応警戒はしておく。

 

アリアたちは何か話をしているようだ。ここからでは話を聞きとれない。

いや…話し合いから喧嘩のようになっているのだが…

しかも仕掛けているのはアリアのようだ。

 

「あんたには負けない!絶対に勝ってやる!」

 

ほらぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

現在アリアは札幌武偵校の生徒と戦っている。

いや…蹂躙されていると言った方がいいかもしれない。

まずアリアの攻撃は一切当たらない。

札幌の生徒が余裕でよけているのだ。

その生徒もまた手加減しているのか攻撃は急所を外している。

それでも急所を外しているだけだから攻撃はあてている。

それが蓄積されアリアも満身創痍と言った状態だ。

まあ、見ようによっては殺されると思うだろうな。

 

「せ、先輩!アリア先輩を助けに行かなくていいんッスか?!」

 

ライカが俺に駆け寄ってくるが…

 

「けど…どうしたものかね…」

 

俺は推測を立てていた。

確かに最初は助けに入ろうとしたが札幌の生徒の目を見るとまったく殺す気のない目をしている。せいぜい見極めていると言ったぐらいだ。

まあ、もしそんな輩が出たら先に蘭豹が止めていただろう。

そして次にあの生徒の正体。

まず最初に感じた違和感の正体がわかった。

女性ではない。

結論はこれだ。

そこへ至ったのはその生徒の雰囲気だった。

俺はその雰囲気を別の人物で見たことがある。

それはキンジだ。

正確にはヒステリアモードのキンジに。

ヒステリアモードは遠山家にだけ伝わる遺伝だと聞いている。

つまりその生徒はキンジの関係者だとわかる。

その生徒は見た目は20代も行かないことが見て取れ、キンジにそこまで親戚がいないことを垣間見るとおのずとその正体がわかる。

キンジの数少ない家族の一人、金一さんだということが。

何故女装であるかは多分ヒステリアモードの特性であるからだと思う。

キンジのヒステリアモードが性的興奮であるかのように人によってその作用の仕方が違うと言ったことなのだろう。

時代劇に出ていた遠山の金さんがその例だ。

キンジが言うにあの人は肌を露出することでヒステリアモードになっていたとか。

何故女装?かと思ったが謎の悪寒により俺は一時思考を停止した。

多分キンジは昨日金一さんに出会ったのだろう。

そこで何かを言われ今朝はここまで警戒をしていたということか。

 

アリアは懸命ながら戦いを挑み続けているが逆に焦っているためおしいという攻撃すらない。

何がアリアを駆り立てるかわからないがさすがにそろそろ出たほうがいいのか?

 

そこで俺の後ろから強襲科棟の扉が開かれる音が聞こえた。

俺はその音に振りかえり見る

 

来たのはキンジだ。

キンジは俺に気づかずそのままアリアが戦っている競技場の扉を開け戦闘へと参加する。

キンジは女性徒と何かを話しているようだが戦闘の音と競技場を隔てる壁によりうまく聞こえない。

そしてアリアも諦めず攻撃を仕掛けるが逆に反撃を食らう。

さすがにアリアも満身創痍かという時に

 

「こらー!今すぐ戦闘をやめなさーい!」

 

どこからか出てきた制服の女性警察官が競技場の扉を開けそう声を出す

 

アリアが警官に突っかかるがそれを無視し

 

「これ以上続けるなら逮捕!逮捕です!」

 

そう言う警官の目は警戒と笑みが含まれていた。

というかあんな笑みをする目は理子か。

変装をして助けに来たっと行ったところか。

軽くこちらを見てウインクしたし。

 

女性徒は理子の登場で白けたのか欠伸をしながら競技場を後にしようとする。

アリアは逃げるの!と声を出すが女性徒は無視し歩みを進める。

キンジもまた声をかける。

 

「ちょっと待てよ!カナ!」

 

へえ、女装モードの時はカナって言うのか。

カナさんはキンジの声に振りかえらずそのまま強襲科棟を出るために扉へと進む。

まっすぐ外へと向かっていたため俺の目の前に来る。

カナさんも俺に最初から気づいていたのかアイコンタクトである感情を伝えてくる。

その目に俺は軽く首を縦に振り肯定を示すとカナさんはそのまま外へと向かう。

カナさんが軽く外へと歩みを進めるのを見届けまた競技場を見るとアリアが失神したところをキンジが支えていた。

蘭豹がそのキンジにカナさんが殺す意思がなかったことを説明すると複雑な表情をする。

 

「あの…白野先輩はあの人が殺す意思がなかったこと…わかっていたんですか?」

 

人ごみの中から出てきた子供ほどの身長の武偵は間宮あかりさんだった。

どうやらこの子も殺気などを察することができるようだな。

 

「一応ね…けど」

 

そこで一つ考えるように間を開けると

 

「人の殺意なんてすぐにあふれるものさ」

 

その言葉にあかりさんは呆然と俺を見上げていた

 




54弾終わりました。
パラノイヤ(偽)さん、恋姫夢想さん、ベクセルmk.5さん感想ありがとうございます。
意見・感想お待ちしています。
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