次回は早めに投稿したいのですがまだ安定しないかも。
「カナ!おい、カナ!」
キンジがカナさんに駆け寄る。
カナさんは先ほどシャーロックの狙撃銃で撃たれ胸からどくどくと血があふれだしている。
「トオヤマキンイチ!」
何とパトラは白雪に封印されていたはずの棺から飛び出してきた。
パトラはあわあわとしながらもキンジからカナさんを受け取り傷の部分に手を当て何か喋り出すとそれと同時パトラの手から光がでてきた。
多分傷を直す呪文だとか何かだろう。
俺はそのカナさんに近づいていく。
そしてキンジの隣に付くと
「キンジ、ここは俺に任せてくれ。お前は…」
そこで俺は敵の姿を見る。
シャーロックは余裕の表情でパイプをぷかぷかとふいている。
…余裕の表情が何かと癪に障るが、ここはキンジに任せるか。
そこで俺の耳にかすかに声が聞こえる。
カナさんが何かキンジに耳打ちしたのだ。
その言葉を聞いたキンジは決心を固めたようでこの場から離れた。
俺はカナさんの隣に付き電子手帳を取り出す。
このくらいならコードキャストを使えば一発でなおすことができる。
しかし、それを抑えたのはカナさんだった。
「…!駄目だっ!岸波。お前の…それをしたら…完全に治るんだろう?」
「それはそうですけど…」
「なら俺を完全に直さないでくれ。パトラ頼む」
俺の電子手帳を持つ手を抑えるカナさんにボクは動揺した。
今でもどくどくと血があふれだしているのだ。
「大丈夫だ。これがヒステリアサヴァンシンドロームの特異点につながる!」
これがヒステリアモードの?
そう言えばさっきからカナさんの口調じゃない。
ヒステリアモードが切れているのか。
多量の出血でヒステリア性の血流が途切れているのか。
確か金一さんのヒステリアモードのきっかけは女装…
ああ…なるほどね。
つまりヒステリアモードになるには方法と種類があるってことか。
その一つが多分出血による命の危険とかなのだろう。
シャーロックは多分普通のヒステリアモードでは勝てないと言ったところか。
―!
うおっ!
船が揺れたぞ!
それと同時に船のちょうど側面の海水が吹きあがった。
これは魚雷か!
それと同時イ・ウーがアリンベール号に接舷する。
…こいつむちゃくちゃかよ!
どんどん海水が入り込んでくるアリンベール号にパキパキと音がしてくる。
それはまるで水が凍るような音で…
音の示す通り海水が凍っていた。
シャーロックが海面を凍らせそのうえを歩いてアリンベール号に近づいてきている。
氷の超能力…ジャンヌさんの超能力なのか?
そう言えばイ・ウーってのは互いに切磋琢磨し合って成長していくと聞いた。
多分シャーロックがジャンヌさんの能力をコピーしたと言ったところか。
それがイ・ウーの頂点に立つ男なら部下の能力を全部使えるとかな。
そこまで考えたところでシャーロックは氷の道からアリンベール号船上へと足を踏み入れた
「もう会えるころだと推理していたよ」
ただの言葉。
ただの言葉なのに俺にはこの男がとんでもない力を持っていることが理解できてしまった。
これが人類最強の探偵…
…ってだからなんだ!
俺はローマの華の皇帝や人類最高の執事、世界最強レベルの大妖孤や英雄の中の英雄王とも知り合う奴だろ!
それと比べたら人類最強の探偵がなんだ!
この程度乗り越えられなければあいつらに合わせる顔が無い。
俺は金一さんのことはパトラに任せることにして隣から立つ。
そして歩き出す。
俺の親友の元に。
たとえシャーロックのような探偵でもこれまでの悪行だ。
電子手帳でも書かれていないような悪行も多々行われていたことだろう。
それがたとえ人命を落とすことだとしても。
ならそのトップであるシャーロックはその行為を容認していたということだ。
たとえ自分の手で行われていないことでもそのようなエゴを容認することはできない。
シャーロックはさばかなければならない。
これが俺の結論だ。
ま、最終的な決定権はこいつが持っているんだがな。
俺は親友の隣に立つ。
…キンジの奴珍しくいい顔になっているじゃないか。
俺はシャーロックをしっかりと観察する。
そして気付いたことが一つある。
それは何故このタイミングでシャーロックが現れたということだ。
それにはさかのぼると一つの現象が結びつけられた。
その原因を俺は目で見た。
未だそのピンク色のツインテール頭はわなわなとふるえている。
まあ、何しろ今まで目標としてきた憧憬が目の前に現れたのだからな。
動揺するのは当然だろう。
そのアリアは覚えてはいないが先ほどパトラ戦の時に見せたあの緋色の光。
それが関係していることは明らかだ。
これまでにあんな光は見たことない。
予想だがこれはシャーロックが何か行った結果なのだと思う。
シャーロックも何か知っているような目をしているし。
というかあの目…少し違和感がある…
いいや、今は集中しないと。
敵の狙いがアリアにあることが分かったなら少し気にかけておかなければ
「卓越した推理は予知に近づいていく。僕はそれを『条理予知』と呼んでいるがね。つまり僕はこれを全て予め知っていたのだ。だからカナ君……いや、遠山金一君。君の胸の内も僕には推理できていた。」
『条理予知』ね。
未来予知とまではいかないが未来想像といったところか。
けど、それでもほとんど合っているからそこは探偵なんだなと思う。
すると、シャーロックがそこまで言った後俺の方を見る。
…?何なんだ?一体?
「アリア君」
はっとして見るとシャーロックがアリアを呼んで目があう
「時代は移っていくけど君はいつまでも同じだ。ホームズ家の淑女に伝わる髪型を君はきちんと守ってくれているんだね。されは初め、僕が君の曾お婆さんに命じたのだ。いつか君が現れることを推理していたからね」
アリアのツインテールを見ながらシャーロックが近づいていく。
「っ!」
「待て、キンジ。まだ動けない」
俺がキンジに制止の声をかける。
仕方のないことだ。
シャーロックには全く隙がない。
あるとすればもう少し待った後だ。それでもいけるかどうかはわからんが。
「アリア君。君は美しい。そして、強い。ホームズ一族で最も優れた才能を秘めた、天与の少女、それが君だ。なのにホームズ家の落ちこぼれ、欠陥品と呼ばれその能力を一族に認められない日々は、さぞかし辛いものだっただろうね。だが、僕は君の名誉を挽回させることができる。僕は君を僕の後継者として迎えにきたんだ」
「……ぁ……」
完全に言葉を失っていたアリアが小さく声をあげた。
「おいで、アリア君。君の都合さうよければおいで。悪くてもおいで、おいで。そうすれば君の母親は助かる」
アリアがカメリアの瞳を見開く。
まずい、アリアにその言葉は……
「さあ、アリア君」
シャーロックがアリアに手をかけようとしたその時
「今っ!」
俺は飛び出した。
少し違和感があるがこのタイミングがシャーロックにかすかに隙ができるタイミングだ。
ほとんどアリアに注意が行っていたからな。
俺は勢いよく飛び出し絶招歩法を放つ。
しかし、シャーロックは反応した。
俺の拳をシャーロックは掌で外側にずらす。
俺の拳の軌道はまっすぐから曲線へと変わりその拳は空を切った。
しかし、俺はそのままでは止まらない。
俺は右の拳を出しそれを左に逸らされた。
つまり、俺の力の向きは左側に向けられた。
そこで俺は勢いをそのまま流し今度は左肘をシャーロックにぶつける。
ほぼ攻撃の二倍の威力を俺の肘から放つ。
しかし、その攻撃はシャーロックに軽々と止められる。
が、まあ俺もそこで止められるのはほとんど予想していた。
俺の目標はシャーロックに手で防御をさせることだ。
シャーロックは俺の左ひじの防御に右手を使った。
つまりシャーロックは左手を出したため体制は少し右向きなのだ。
俺の肘打ちの威力を上げたのは普通のままじゃ体制を変ええることすらかなわなかっただろうからな。
完全に俺の肘打ちを止められたので俺も完全に止まった状態になる。
それにより新たな方向への動きがしやすくなった。
俺は左足を使い震脚を放つ。
しかしシャーロックはそれをステップするかのように回避する。
っち!こいつ!
しかしここで焦ってはいけない。
相手に乗せられて攻撃を単調にしてはいけない。
俺は斧刃脚を右足で放つ。
シャーロックは俺の右足を縄跳びを飛ぶようにして片足ずつ跳びそれを避ける。
しかし、ここで緩めてはいけない。
たとえ片足ずつでも少しは跳んでいるのだ。
さすがに少しは回避に支障はあるだろう。
そして俺は両膝で連環腿を放つが、それもシャーロックはポンポンと回避し俺にまるでサッカーボールを上にけり上げるように蹴りを放ってくる。
俺は避けるか迷ったが利用することにした。
俺も連環腿の技を放った後で少し宙に跳んでいる。
シャーロックのけり上げる蹴りを俺は足の裏で受ける。
そのシャーロックのけり上げた力は俺の足を駆使しそれを俺の前の方に剃るようにして力を受け流す。
それにより俺はバク天をするかのように空中で後方回転をしその威力でシャーロックを沈めようとして…
…それをやめざる終えなかった。
何と俺がシャーロックに少し背を向けた間に何とシャーロックは近くにいたアリアを引き寄せ盾にしていたのだ。
俺の攻撃はアリアに当たろうとしていたのだ。
俺は動揺してしまい空中で体制を崩した。
それと同時俺の回転スピードは落ち地面に落ちる。
俺は手を出し足を出して地面に立ちバックステップで距離を取った。
アリアを盾に取られていては攻撃しづらい。
そう考えての後退だった。
アリアの隣に立ち俺は夏場の海上で汗ばんだ滴る汗をぬぐう。
これは一筋縄では足りなさすぎる。
威力など考えないでコードキャストを使わなければならないのかもしれないな。
沈みゆく船の上で敵同士見合う高校生達は戦況の苛烈さを改めて認識するのだった。
62弾終わりました。
ちょっと中途半端ですがここで終了。
前回がちょっと白野君の戦闘が少なかったので緊急処置回でした。
阿刀さん、パラノイヤ(偽)さん、三の丸さん感想ありがとうございます。
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