色々とありますが一先ず本編からどうぞ
※今回はオリ設定などが含まれますのでその点は暖かく見守ってください…
「ビ、BB…!な、なんでここに…?!」
「はい、先輩♡まさか、永遠のヒロインである私の顔を見忘れたのですか?」
信じられない。
今俺の心の中にはその言葉が反芻している。
BB
彼女は俺が月の聖杯戦争の準決勝後、とある方法で俺たちマスターと何人かのサーヴァントを月の裏側に閉じ込めた張本人。外見が桜と瓜二つなのは彼女と同型機であるのだが…
今はこのことはどうでもいい。
問題は…
「なんでおまえがここに存在していられるんだ…?」
そう、俺がここに存在できているということは月の裏側から脱出、その際このムーンセルに異常が伝わりその原因であるBBは1メモリも残らず消されたはずなのだ。
なのになぜこの場所に存在しているのは…
「そんなの先輩がお呼びになったから地獄から復活したからで…」
「黙りなさいBB。あなたは余計なことはできないはずよ」
「…。この性悪ブスが…」
「…」
そのBBを制したのはなんと桜であった。
月の裏側では桜の言葉で制されることがなかったあのBBが桜の言葉を聞いた…?
これも一体…?
「これに関しても今から説明しよう。マスター」
アーチャーから落ち着かされるように声がかかる。
俺は一度深呼吸をして話を聞き入れるようにする。
「よし、マスターも落ちつき、役者もそろったところで私から説明をしよう」
「まず俺がどうしてこうして現存できているんだ…?」
そう、まず俺が最初に気になった話を聞くことにする。
俺が月の聖杯戦争その決勝を勝利、聖杯の真の支配者にも勝利し、俺の願いが成就されその際、イレギュラーな存在である俺は月の中枢で分解されるのを待つだけだったのだ。
だが、なぜか俺が意識した時にはあの武偵がはびこる世界に存在していたのだ。
それがなぜなのか。
俺は赤簑の弓兵に聞いた。
「ふむ…。そこを話すには最終戦勝利後から話さなければならないようだな」
アーチャーは一度咳払いをすると話し始めた
「まず、私とマスターが最終戦勝利後、マスターが『ムーンセルを完全な観測装置とする』という願いを叶えたのは知っているな?」
そう、俺の願いはもう聖杯戦争のような殺し合いをしないために聖杯戦争を起こさない観測装置として存在させるという願いを叶えた。
願いを叶えるためムーンセルとの接続を開始し消されるのを待つばかり出会ったのだが…
「そのようなそぐわぬこと、我が受容するわけがなかろう」
声を上げたのはギルガメッシュであった。
そ、それはどういう…
「この我が手をつけて育て上げたマスターを消すなど、許されると思うか?」
「…むう。その金ぴかと意見がかぶるのはちょっと癪でありますが、ご主人様を消されるというのは私も許容しかねます!」
ギルガメッシュに賛同するようにキャスターも声を上げる
「うむ、そこで余たちが新たに願ったのは…」
「ちょ、ちょっと待ってくれ…!」
俺が理解を追いつかせるために待ったをかける。
突飛過ぎるのもあるが一つ気になったことがある
「なんでみんなは…いや、俺もみんなのことを知っているんだ…?」
そう、月の世界では行われた聖杯戦争はただの一つだけ。
つまり従えられるのは一人のサーヴァントだけなのだ。
たとえこの中の一人のサーヴァントを従えていても四人全員と知り合うことができないのだ。
それはどう叶えられるのか
「先輩、その問題を解決するには平行世界の可能性を考えなければなりません」
「平行世界?」
桜から声がかかる。
平行世界とは一体…
「はい!では無知な先輩のために説明してあげましょう♡」
BBが教鞭を振るうとボンッという音とともにホワイトボードが出てくる
「まずここに駄狐とのサーヴァントと決勝を勝ちぬき聖杯をとった未来があるとします。
が、また敗北した未来もあるかもしれない。先輩が予選で負けている未来もあれば、月の裏側で私と先輩がハネムーンをしている未来もあるかもしれない。それが平行世界の概念です。」
ふむ、なるほど。
一言何か変なこと言っていたかもしれないが平行世界の概念はだいたいわかった。
が、それがこの四人のサーヴァントを呼び出した結果を持ち出したのは…
「まったく、こんなに言ってもわからないとは…先輩は平和な世界に当てられてぼけてしまわれたのでしょうか♡」
…むう。久々にBBの毒舌をその身に感じる。
「先輩を挑発するのはやめてくださいBB。すみません先輩…ちゃんと先輩にお話は通しておきますから…」
「あ…うん…」
この関係性も今は気になるがとりあえず話を進めてもらおう。
「で、平行世界が一体…っ!」
「ほう、大体は感づいたみたいだな」
なるほど…動揺をなくしたら大体は察しをつけることはできた。
「平行世界…それぞれの可能性の世界で勝ち抜いたみんなが何かを願ったのか…?」
それぞれの平行世界でみんなが何かを願って終結した集合体が俺ってことか。
だから、俺がみんなを知ってみんなも俺を知っている。
そういうことか…
けど、一体どうやってこの未来に集結したのか…
「マスター、ムーンセルは万能の聖杯だ。叶えられる願いは数多に数えられる」
…ってことは
「余たちが奏者を理不尽に消されることを望むはずはなかろう」
つまり…
「「「「マスターを消させる未来を変える」」」」
なるほど…ほんといい英霊たちと知り合えてよかった。
世間一般で反英霊と言われ続けても現実はこんなにもいい仲間たちだ。
「が、正しくは聞き入られなかったことも真実」
「…どういう…」
「ムーンセルは異分子を許容しない。つまりその異分子を存在させる未来をムーンセルは望まなかったということだ」
アーチャーの口から放たれる声は重いものだった。
「聖杯戦争後はNPCは分解される。さらにそのNPCが聖杯戦争の勝利者となるというイレギュラーにムーンセルは危険と判断し、私たちの願いは成就されなかった」
なるほどな…
確かに完全なイレギュラーが最強のマスターなど普通は受容されないのかもしれない。
「が、その程度で諦めるなど余たちが望むはずもない。諦めぬことの大切さを教えてくれたのも奏者であるからな!」
セイバーからそのような声がかかる。
…俺の言葉が英霊にも響くなんて…ここまでうれしいこともあるのだと俺は心で嬉々をした。
「ああ、そこで俺たちは別の願いを叶えることにした…それは、マスターを助けられる可能性を叶えてくれというものだ」
…それは一体どういう?
「直接的にマスターを助けられる可能性を切り捨てられた。それを別の方向性から助けるためにそれを願ったのだ。例え、可能性が天文学的に低くとも…な…」
なるほど…
ムーンセルのシステム潜入はほぼ不可能に近い。
BBのようなイレギュラーならともかくただの英霊たちがシステムの突破をできるはずがないと思ったのだろう…その終着点がおそらく…
「その願いをそれぞれの英霊が願ったことによって私たち、四人の英霊が集ったのだ」
助けられる可能性…それが四人の英霊の集合ね…
トップクラスの英霊が四体、確かに助けてくれる可能性のある願いかもしれないが…
ムーンセルの防壁を貫くには限りなく可能性は少ないかもしれない。
「…私も願いに頼るなど…過去でもなかったのだがな…」
アーチャーのつぶやくような声が聞こえる。
…アーチャーは多く過去を語ってはくれなかったが、そのつぶやきからはいろんなものが感じられた気がする…
「しかしご主人様!それぞれ願ったことは大体一緒ですけど、その金ぴかだけは願ってなかったんですよ!」
キャスターがギルガメッシュを指さすが、ギルガメッシュは鼻で一蹴すると
「ふんっ!我の力を持ってすれば貴様らの力を借りずともマスターを拾い出すことなど容易よ」
…確かに、一応ギルガメッシュ月の裏側で封印指定食らってたもんな…
まあ、それでも四人の英霊が集ったことはわかった…
しかし、
「確かにみんなの力が強力なのはわかる…けど、それでも防壁を破るのには厳しいのでは…?」
それほどムーンセルの力は強力だ。
BBの反則級の力を持ってしても時間がかかったほどだ…それが例えこの英霊たちでも…
「ほう…マスター…貴様は我の力を疑っているのか…?我の本気の『天地乖離す開闢の星』を使えばあの程度造作もないわ!」
「…本当なのか?」
この英雄王が…慢心王が防壁を破るためということにあの剣を使っただと…!
それでもかなりの驚きだがそれ以上に嬉しく思う…だってあの英雄王が本気だよ?確かに最終戦で使ってくれたけどさ…
「ふむ、マスターの態度が気に入らぬが…ムーンセルの妨害があり我が力を行使しようと破壊がかなわぬのであってな」
そうなのか…。
ギルガメッシュの宝具、それは最高威力の宝具でもある。
…ムーンセルが妨害を仕掛けてきたとしても、あの何度見ても絶望としか表現できない宝具で壊れないとは…
それを持ってしても破れぬとは…
「ちょっと金ぴか!私たちの助力をあったことを忘れたとは言わせませんからね!ご主人様の株を一人掻っ攫うなど許しません!」
「はっ!たわけめ!貴様らの力などなくともあれくらい我一人で突破できたわ!」
さすがにギルガメッシュ一人では突破は無理だったようでキャスターたちの助力もあったと告げられる
「奏者よ!奏者よ!余も精一杯頑張ったぞ!いざ撫でることを許そう!」
「えっ…?あ、うん」
セイバーからのお願いについ無意識に撫でてしまう
ピシッ…
何かが壊れたかのような…はじけた音が聞こえた気がした…
なんとなくやめないといけない気がしたからやめたが…この悪寒…過去に何回も浴びたような…
手を離したことによってセイバーから不満の声が聞こえるが引いてくれた
「そのちんけな尾一本だけの貴様など助力にもならないわ!いざ尾を増やしたかと思えば壁を壊したとたんちぎっていきおって…!誰も貴様の巨体など興味もないわ!」
「むっきー!何ですかこの金ぴかは?!乙女心のおの字もわからないのですか!」
…なにやら騒がしいがみんながみんな協力して俺を助けてくれたことはわかる。
「んん…!では話を戻そう。ムーンセルのセキュリティを突破し、マスターのデータを探ったのだが…すでに手遅れに近かったのだ」
…それは一体…
「…奏者の体は大部分がなくなっていてどうすればよいのかわからぬままだったのだ…」
「ああ。そしてムーンセルは私たちの侵入を感知したことによって気が触れたようだ。マスターの消失を早めようとしてきたのだ。」
ムーンセルの危惧が皆無と思われたことをやってのけたことで本腰を入れたということだろうか。
そこでギルガメッシュと言い争っていたキャスターが近寄ってきた。
「ご主人様の体は私たちがどのような手を持ってしても守り切ることができませんでした…。」
「…そうか。いや、本当にみんなありがとう。みんなの助力があってこそ俺がここにいるってことを実感できて…本当にありがとう」
そう言っておれは頭を下げる。
頭を下げることでみんな間に穏やかな空気が流れる。
「けど、俺はここにいる。ってことはどうにかなったのか…一体どういう…」
「全く、そこで私の名前が出てこないなんて、先輩は一度ゾウリムシからやり直した方がいいと思います!」
そこで今まで黙っていたBBが声をあげた。
「今にも消されかけている先輩をムーンセルのNPCロールから抜け出させて別メモリに先輩を移した私を崇めてください♡」
「ということは俺を救い出したのはBBってことなのか?」
BBの毒舌は相変わらずだがBBの本来の目的は俺を消滅の未来から救い出すということだ。
本当はとても優しいということは知っている。
「まあ、真に助け出したのはBBではなく桜なのだがね。月の裏側というムーンセルの監視外に送り込んだBBだ。もう無くなっているとはいえ別の方法を探すという点においてはBBの協力が必要だと思い立った」
「けど、BBはあのとき1メモリに至るまで消されたはずでは…」
「はい、ですのでNPCの削除ロールから私が引き抜かれて協力を要請されました。アーチャーさんからの助言で一応BBと同型機である私を引き抜いたと聞いています」
「ムーンセルの中枢で多少は融通が効いたようでな、桜には何の問題も無く呼び出すことができたのだ」
「そのBBには管理者である私が管理しているので反抗をすることはないので安心してください」
「…本当にうざいですね…。その性格ブスなところ同型機としてもわかりたくもありません」
BBと桜の間でバチバチと火花が散っているように見えるが…争いにならないみたいだし安心しておこう。
まだまだ話は長く続きそうだ。
俺は桜散るムーンセルの中心で黒い空を仰ぎ見るのだった。
66話終わりました。
大変すみませんでしたぁぁぁぁぁ!
今回の話はオリ設定や絡み合わせの部分が多く色々と構想を練っていたのですが致命的な欠陥が発生し構成を練り直すことになりました。
が、就活や新生活など私情が重なりちょっと話を書くところではなく…安定し出してからの投稿となりました。三月に投稿するなどと言ってできなくて本当にすみませんでした。
今回はようやく白野君のサーヴァントたちが登場し、このクロスオーバーの絡みについて練りに練ったのですが…なにぶん日があいたり、ゲームから疎遠になったりしたなどでにわかになってしまい本当に申し訳ないです。
今後の投稿予定としては月に2,3度になるかもしれないかと。
あ、お気に入り登録者が1000人超えてたのを見て凄い驚きました。
皆さんありがとうございます。
感想の応援の言葉なども執筆の励みになりました。本当にありがとうございます。
それではまた次回後編になりますがそのときまで
あ、fgoで玉藻当てました。
ちゃんと嫁として育てています!