転生オリ主チート作ですが、自己満用の作品なのでご都合主義も気になさらないで下さいね。
辛口コメはしんどいです。なのは知識は基本がアニメです。いろいろ直された映画は知りません。
それでは本編へお進みください。
フランスアルザス地方。
広大な森林と、多くのブドウ畑が立ち並ぶ中にある小さな屋敷。
その小さな屋敷の中に、か細く、でも確かな産声が響き渡った。
「よく頑張ったわレナ!!男の子よ!!」
痛みに汗を流したレナと呼ばれる女性は、息を整えながらも傍らの女性に体を起させてもらう。
「おめでとう、お姉ちゃん!!」
「はぁ…はぁ……あ、ありがとうリーナ」
支えてくれた妹にお礼を言いながら、レナは母親から産着で包まれた我が子を受け取った。
「この子が…私の子」
泣き続ける赤子を抱きながら、レナは潤む視界の中で我が子を見つめる。
泣きながらも時折見える瞳の色はあの人と同じ深い青。
鼻の形もあの人に似ているだろう。
ちょっぴり生えている産毛は桜色で、自分のストロベリーよりも少し薄い色合いだ。
輪郭はどっちに似ているかは流石に分からないけど、二重でちょっと釣り目気味な目元は自分にそっくり。
そしてなによりも、頭から生える両耳と、産着から飛び出している小さな尻尾。
それが何よりも、この子が自分の子供だと証明していた。
「レナ!!大丈夫か!!」
レナが我が子を見て顔を綻ばせると、慌てて男性が入ってくる。
「はい、ライアさん。私もこの子も無事ですよ」
「レナっ!!よくやった、よく頑張ったぞっ!!」
感極まって泣きそうになりながら、プラチナブロンドの髪をした男性――ライアは、自分の妻を子供ごと抱きしめた。
「ライア兄さん、子供が子供が!!」
「あ、ああっ!!すまん、大丈夫かっ!?」
リーナに言われて慌てて離れると、ライアは心配そうに我が子を覗き見た。
「大丈夫ですよライアさん」
「そ、そうかよかった……それにしても、うん。この子は将来可愛い子になるぞ!!」
確信を持って断言するライアに、周りの三人は苦笑する。
「ライアさん。その子男の子ですよ」
「そ、そうなんですか!?」
レナの母親に言われて、ライアは驚きながらも我が子をまじまじと見つめる。
そしてやっぱり、
「けど、レナに似て可愛い子になりそうな気がする」
そんな彼の発言に、リーナと母親は声を立てて笑い。レナは優しく微笑んだ。
それは少し珍しいけど、どこにでもあるような家庭内出産の風景。
ちょっと違うのはそこには家族しか居なかったことと、母親の家系が夜の一族だということ。
ちょっと困ったのは、クオーターの狼子供が男の子だっていうこと。
そしてとても厄介なことは、家族はまだ気付いていない。
その子の魂に問題があることを。
そんな魂を持つ子供は、この日彼らの元に生まれ落ち、こう名付けられた。
リアン――リアン=クラルテと。
魔法少女リリカルなのは 罰則の偽り人 プロローグ1 生誕
「リーねえおそと~」
「はいはい、その前に帽子ね~って、リーア!!しっぽ!!しっぽ出てる!!」
「ん?…ううう!!」
注意された尻尾を引っ込めると、リアンは再びリーナの腕を引っ張って外に出ようとする。
つんのめりかけながらも何とかリーナは靴を履き、二人は外へと出て行く。
「いってらっしゃ~い」
「はーい!!」
「行ってきます!!」
出かけに掛けられたレナの声に庭先から返事をして、二人はいつものように森へと向かっていった。
「それじゃあ、おかたずけしましょうかね」
二人を見送ると、レナは洗物をしにキッチンへと向かう。
自然な流れで愛用となったエプロンを身に着けながら。
「レナ、二人はもう行ったのかい?」
「ええ。いつもと同じ場所ですよ、ライアさん」
「ううっ…また置いてかれた。それじゃあ行ってくるよ」
「はい。二人をよろしくお願いします」
キッチンに顔を出したライアが、落ち込みながらも二人を追いかける。
三年を過ぎにして、この光景ももう見慣れたものだった。
そう三年。リアンが生まれてからもう三年が過ぎていた。
子育てと言うのはとても大変で、あっという間の年月だった。
夜泣きは心配になるほど少なかったが、リアンはとっても臆病だった。
心配になったライアが覗き込めば泣き。
泣き止まそうと妹が抱き上げれば、更に激しく泣いた。
おしめを母が変えようとしても泣き。
レナ自身も母乳を与えようとして泣かれた。
何が不安で、何が怖いのか分からなくって、夜泣き以上に彼女家族を疲れさせた。
きっとレナ一人だったら、それだけで疲れきっていただろう。
ライアや母や妹がいたから何とか耐えることが出来た。
それが終わったのはリアンが生まれてから半年後の事。
疲れきった妹が、耳と尻尾をしまい忘れたまま近づくと泣かなかったのだ。
あの時ほど安堵したことは、今までになかった。
「本能かな?自分と違う人間の姿に不安だったのかもね」
そう言ったのは夫ライアで、彼だけはその後の半年も泣かれ続けた。
怖がって泣くことが無くなってからは、子育ては比較的楽になった。
リアンはすくすくと成長し、八ヶ月を過ぎる頃にはハイハイと、少しずつ言葉を喋るようになった。
「マンマァ」と初めて言われたときには嬉しくて泣いてしまった。
その次に覚えた言葉が「リーナァ」だったときは、ライアが泣いていた。
続けて「ナーナ(おばあちゃん)」「イーア(耳)」「テーウ(尻尾)」だった時にはライアは落ち込んでいた。
そんな彼が近づくと、リアンは泣いてしまうのだから仕方ないけど。
十ヶ月を過ぎる頃にはつかまり立ちが出来るかもと、家族みんなで期待した。
そんな期待を我が子は裏切り、十ヶ月を過ぎたリアンは完全に狼の姿になれるようになっていた。
夜の一族の中でも完全に獣化は珍しく、狼姿で走り回るリアンには手を焼かされた。
一年と少しが過ぎる頃には、我が子も落ち着きを取り戻して、人と狼の姿を意識して変えられるようになった。
その落ち着きようを見て、
「少し、早熟かもしれないわね」
そう言ったのはお母さんで、実際そうだったのかもしれない。
ライアに相談したかったが、ようやく「ダーデ(父)」と言ってもらえた彼はそれどころじゃなかった。
少し不安だったが、そんな不安をよそに我が子はすくすくと成長していった。
つかまり立ち、立ち歩き、言葉の発達など、普通の子供のように。
棚が倒れたり、積んであった皿が崩れたりと、不幸な所は度々あったがそれ以外は特に問題もなく。
リアンが二歳も半ばを迎えると、家族と一緒に外に出歩くようになった。
お気に入りの場所は森の中で、お気に入りの相手はリーナだ。
リアンはリーナの事をリーねえと、私の次に慕うようになった。
それに落ち込んだのはライアだったが、彼は大人になった時こそ!!と前向きになっていた。
尻尾と耳は服の装飾ですよ~と誤魔化した。
三歳になるとリアンは耳と尻尾を隠せるようになった。気が緩むと現れるけど、外では大分隠せるようになった。
――そして今に至る。
暖炉の炎をよく眺めていて、時折謎の本を手に持っている。
たまに辛い夢を見て、泣きながら抱きついてくる。
そんな不思議で不安な所もあるが、リアンはその歳よりも少し落ち着きのある、良い子に育ってくれたとレナは思う。
「そろそろ大丈夫かな?」
引き出しを開け出したのは、一枚の国際レター。
夜逃げして一族から逃れた母の代から、いまだ付き合いのある数少ない一族のうちの一つ。
同封された写真には、社と呼ばれる場所をバックに、知り合いの夫婦と、母と同じ紫の髪をした小学生の女の子。そしてその手を握って、リアンと同じ歳の女の子が写っている。
「いつか二人の子供と一緒に会いたいね」
そんな約束をした相手。
その手紙の住所はジャパン――そして名前には月村と書かれていた。
いったい何が書きたかったのか?
それは男の娘の獣娘です!!ただそれだけです。
狼子供の映画がすごく面白かったせい。