今回一部だけ、三人称視点になっている場面があります。
というより、これからは遊矢くんが関わっていない出来事は三人称で描写しますので
どうかご理解のほどを。
次話辺りから本格的に舞網チャンピオンシップを目指す展開になると思います!
それでは、どうぞ!
金曜日の放課後。いつも通り、俺とアリス、柚子の3人で帰宅しようとしていると、柚子がふと思い出したようにこう言った。
「もうそろそろジュニアユース選手権ね」
「舞網チャンピオンシップ?もうそんな時期か~」
「なに、呑気なこと言ってるのよ、遊矢!アンタ、まだジュニアユース選手権の参加資格無かったでしょ!?」
「大丈夫大丈夫。零児が対戦相手のセッティングしてくれるらしいから」
「そういえば昨日、零児君からメール来てたわね。明日辺りからまとめて予約がとれたそうよ」
「おお、やっとか!ワクワクして来たぜ!」
「私はもう出場確定してるしね・・・頑張ってよ、遊矢、アリス。ユートと黒咲も大丈夫なのかしら?」
ユートについては、郊外から帰ってきた俺の親戚ということにしてある。
隼と共に遊勝塾に所属している。あんまり関わらないからほとんど幽霊状態だけどな!
あと、アリスの魔法で俺とユートをブレスレットの対象から外している。七色の人形遣い、恐るべし。
その時、柚子が咳払いをした。
「ねえ、遊矢、アリス・・・え~っと、その・・・」
「どうしたの、柚子。私で良ければ相談に乗るわよ。」
「お願い、光津真澄に勝つ方法を教えて!負けっぱなしだと悔しいのよ!」
「成る程・・・で、柚子はどういう風に勝ちたいんだ?」
「どんな風にって・・・どういうこと?」
「お前がどうやって真澄に勝ちたいかってことだ。どんな形であれ、『勝利』が欲しいだけなら、考えるまでも無い。相手の勝ち筋を潰せばいいだけだ。」
「勝ち筋を潰せる構築・・・でも、それはデッキを変えるってことよね?」
「まぁ、そうなるわね・・・」
実際、特殊召喚と墓地利用を封じれば殆どの融合デッキは止まるからな・・・クリスティア絶許。
「それは嫌。私は私らしい形で勝ちたい!」
「それなら、そのデッキを強化する必要があるな。『ヴァルハラ』とか組んでみるか?」
「遊矢、アリス!私に、融合を教えて!」
「なんで融合なんだ?」
「私、融合は使えないんだけど・・・」
「真澄と同じ舞台で戦って勝ちたいの!」
気合入ってるな・・・こうなった女は止められない。元々ストロングな柚子なら尚更だ。
「あ~、わかった・・・」
「私も付き合うわ」
「有難う!」
という訳で塾の近くのカードショップに赴いた。
が、このショップの・・・と言うより、この世界のカードレートはぶっ壊れており、攻撃力に優れるカードがかなり高価である。
ただし、パックにも低封入率だが入っているので、まずはパックを買って「幻奏」で使える融合モンスターを入手する必要がある。が、この問題は一瞬で解決した。
柚子が適当に買った2パックから、「マイリスタン・シューベルト」と「ブルーム・ディーバ」を引き当てたのだ。この世界の奴ら引き強過ぎだろ・・・
ちなみに、俺も出来心で買ったら、こんな感じの超俺得な内容だったので、心の中で大歓喜した。
「モリンフェン」
「シーホース」
「黒魔族のカーテン」
「融合」
「融合解除」
っしゃあああ!モリンフェン様にシーホース、さらに某ブラマジサポそっくりのカーテンだと!?
なんと豪華な内容なんだ!今度デッキ組むとするか。
残った「融合」はこんなカード、36枚持っている!ので、「融合解除」と共に柚子に譲渡した。
ちなみにアリスは『原初の種』のウルトラレア仕様を引き当てていた。
一応使えるな、このカード・・・
「手札・フィールドに決められた素材モンスターを揃えて、この『融合』カードを使う。これが融合召喚の基本だな。ただし、これにあてはまらない融合召喚ができるカードもある。例えば、この『龍の鏡』。墓地から素材を除外することで、ドラゴン族融合モンスターを融合召喚するカードだ」
「「はーい」」
「あと、融合モンスターはエクストラデッキに入れてデュエルを開始するんだ。墓地に送られる場合は普通に墓地に行くけど、手札・デッキに戻る時はエクストラデッキに戻すんだ。これは間違えやすいから気をつけてな。シンクロ・エクシーズもこの点は同じだから、バウンスは効果的だ」
俺も十年くらい前の頃は、融合モンスターに強脱されたとき、普通に手札に入れてたな・・・。懐かしい。
「ねえ、遊矢。融合モンスターには、バウンス以外ではどんな対策が取れるの?」
「地味に効くのは『融合解除』だな。自分の融合モンスターを分離させて追撃したり、リリース・エスケープしたりとか汎用性が高いカードだけど、相手の融合モンスターを分離させると素材が戻らないっていう裏技があるからな。融合軸のデッキなら入れといて損は無いと思う」
「そうなんだ・・・」
柚子は、真剣にデッキと向かい合っている。大会までには間に合うだろう。
金曜日はそうして過ぎていった。
◇ ◆ ◇
舞網市裏路地-
そこに建っている薄汚れた建物。『ワイト塾』それがこの建物の名前らしい。
塾生は数えるほどしかいない、さびれた塾。だが、今は久しぶりに見知らぬ人間が居た。
見た目の年齢は中学生かそこらといった所だが、なぜか侮れない雰囲気を持つ白髪の少年だ。
「入塾希望者か?」
塾長とおぼしき男。名を骨山という。
彼の質問には答えず、少年はディスクを起動させる。
「俺が勝ったらこの塾を貰う」
「なんだと!?それに、君は一体・・・」
「士堂 宗司だ。いくぜ」
「デュエル!」
宗司 LP 4000
骨山 LP 4000
宗「俺のターン!モンスターをセット。そして、カードを3枚セットして、ターンエンド!」
宗司 LP 4000
手札 1
場 セット
セット×3
骨「私のターン、ドロー!『ワイトキング』を召喚!」ATK 0
「そして魔法カード、『ワン・フォー・ワン』発動!手札の『ワイトプリンス』をコストに、デッキから『ワイトキング』を特殊召喚!」
「さらに墓地に送られた『ワイトプリンス』の効果発動!デッキから『ワイト』、『ワイト婦人』を墓地に送る!そして、『ワイトプリンス』、『ワイト婦人』は墓地では『ワイト』として扱われる!」
「仕上げに『ワイトキング』の効果!墓地の『ワイト』の数×1000ポイント攻撃力がアップする!」
『ワイトキング』ATK 0→3000
骨「バトル!『ワイトキング』でセットモンスターを攻撃!ワイトパンチ・キングバージョン!」
宗「俺は破壊された『仮面竜マスクド・ドラゴン』の効果発動。デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族を特殊召喚できる!俺は2体目の『仮面竜』を守備表示!」DEF 1100
骨「ならば!もう1体の『ワイトキング』で攻撃!」
宗「このカードが戦闘で破壊された為『ミンゲイドラゴン』を特殊召喚」DEF 200
骨「うまく凌いだか・・・私はこれでターンエンド」
宗司 LP 4000
手札 1
場 『ミンゲイドラゴン』DEF 200
セット×2
骨山 LP 4000
手札 3
場 『ワイトキング』ATK 3000
『ワイトキング』ATK 3000
宗「3000はなかなかの攻撃力だが・・・悪いな、俺も攻撃力には自信があるんだ。ドロー!」
「『ミンゲイドラゴン』はドラゴン族モンスター召喚の際、2体分のリリースとなる!来い、『フェルグラントドラゴン』!」ATK 2800
光り輝く巨躯と鋭い嘴を持つ竜が羽を震わせて出現した。
骨「それが君のエースモンスターか。だが、その攻撃力では今の『ワイトキング』は倒せない!」
宗「わかってるよ、んなこと。リバースカード、『竜殺輪』!自分場のドラゴン族モンスターをリリースし、その攻撃力の数値分のダメージをお互いが受ける!」
宗「ちっ・・・」 LP 4000→1200
骨「ぐわあああ!」LP 4000→1200
宗「『死者蘇生』を発動。『フェルグラントドラゴン』を蘇生させ、その特殊能力を発動させる!
墓地のモンスター1体を選択し、そのレベル×200ポイントの攻撃力を得る!俺は墓地にある『仮面竜』を選択!レベルは3なので、600のアップだ!」
『フェルグラントドラゴン』ATK 2800→3700
宗「そして俺は、最後のリバースカード『禁じられた聖杯』を発動。『ワイトキング』の効果を無効にし、その攻撃力を400ポイントアップする!」
骨「そんな・・・」
『ワイトキング』ATK 3000→400
宗「『フェルグラントドラゴン』の攻撃!グラント・スピア!」
骨「うわああ!」LP 1200→0
勝者 士堂 宗司
「さて、あんたには消えてもらおうか」
宗司は、デュエルディスクを骨山に向けた。
そして、ディスクから放たれた光が彼を無慈悲にカードに変えた。
「さて、占拠完了だ。とっとと登録しとくか。」
彼はパソコンを取り出し、舞網市のデータベースに侵入して「ワイト塾」の存在を抹消し、「尖兵塾」に登録し直した。もちろんハッキングであり、立派な違法行為である。が、それに躊躇した様子は微塵も無い。
「ん?通信か。えっと・・・」
宗司は通知の入ったデュエルディスクを確認し、回線を繋げる。
「どうした、素良。」
「宗司、そっちは終わった?」
「当たり前だろ。俺を誰だと思ってやがる」
「士堂宗司でしょ。アカデミア一の工作員の」
「武装工作員だっての」
「デュエルの腕前が微妙じゃ、武装してないも同然でしょ?」
「特進クラスエースのお前と比べんな。俺だって同期の中じゃトップだっつの。それより。済んだのかよ、6連勝」
「うん。簡単だったよ」
「だろうな。すぐにこっちに来い。地図を送る」
「うん。じゃあ頑張ろうね、宗司」
遊「柚子が融合を使う感じになったか・・・」
ア「アカデミアのことを考えると複雑ね。」
ア「それじゃあまた次回!」
遊「お楽しみはこれからだ!」