DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》 作:アルファるふぁ/保利滝良
ま、終わっただろうな
村長からの依頼は、村から半径十キロのところに住む賊共の撃破・・・つまり皆殺しだ
つまらん
巨獣が出てくるまでまるで作業みたいなもんだったぜ
実際作業なんだろうが
盗賊から狙われる村、退屈な日々
村の人口が元々少なかったのも、それが関係しているわけか?どーでもいいが
さて、村に戻るか
とっととオサラバとしようぜ
巨大な足音をたてて、マジンカイザーSKLはとある村へとたどり着いた
その場に座り込み、頭部からパイルダーが飛び出す
「ナガイー!」
パイルダーが地面へ着陸する
そこへ走り寄る一人の少女
ミユキだ
「おー、こりゃミユキの嬢ちゃん・・・何だよ」
「お前、村から離れるつもりって本当か?」
「誰から聞いたよ?」
「酒場ででかい声で話してたろ!」
あからさまに舌打ちすると、ナガイは言った
「お前にゃ関係・・・」
「私も連れてってくれ!」
「ハアァ!?」
ミユキの突然の物言いに、さすがにたじろぐナガイ
それを察してか、ミユキは勝手に話を続けた
「この村、気に入らん!」
そう、ここはもともとミユキのいた村ではなかったのだ
あの村は盗賊団の大々的な襲撃にあい、焼け尽くされてしまった
しかし近くの村に移り住むならまだ皆食っていける
しかしこれでは向こうの村にメリットがない
村で食うだけの食い扶持をヨソモノにやれるメリットがない
そこでナガイは持ち掛けた
今後一切治安を気にする必要が無くなれば、彼らも喜んで合併を受け入れるのでは、と
賊共を殲滅し、あまつさえ近くに棲む巨獣すら葬ってみせたナガイ
移住先は喜んで生き残り達を引き入れてくれたのだが
「こっちの村人、態度が悪い!」
「別にヨソモノが偉そうにしてる訳じゃねえのになあ」
それにこっちの村の後ろ楯はマジンカイザーだ
いなくなれば村同士の対立は激しくなるだろう
ミユキが嫌になってくるのも仕方がないと言える
「なら、私も同行しますよ」
爽やかな声がした
リキだ
戦闘マシーンを失った彼も、他の村人と変わりはしない
「なんでだよ」
「そこのミユキさんの、お姉さまからの遺言でして」
「決まりだな!」
「・・・ふざけやがって・・・」
あてもない一人旅のつもりが、連れができてしまった
ナガイは頭を抱えた
「さあて、準備はいいかいお二人さん」
「私は大丈夫だ」
「こっちも問題ありませんよ」
よし、行くか
パイルダー、オンッ!
「さあて、夜逃げの始まりだ!」
もう村長との話はついてる
まず契約不履行ってことはないだろう
で、噂だが、向こうの村はミユキの村と比べて不細工しかいないそうだ
で、ミユキの村は美男美女揃い
あとはそう言うことだ、村長もミユキの友人のナイスバデーに驚いてたぜ
だから村同士の不和も、ほっとけば片付く
手出すまでもねえ
とっととオサラバしようぜ
「ところでナガイ」
「あ?なんだよ」
「どこ行くんだ?あては?」
「ねえに決まってんだろ」
「これは先が思いやられますね」
「ほっとけ!」