DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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訪れた地(獄)
むしろ地(獄)が訪れた



sceneSKL 訪れた地

無数の鋼鉄が整列し、たった一点を見つめている

きらびやかな装飾品、威厳に満ち溢れたら表情

その一点こそ、ブラス帝国の頂点に立つ男、ル・ドイス・デ・レーウルール・ブラス八世その人である

帝王は鋼鉄達、つまり戦闘メカを見回し、満足そうに頷いた

「諸君、知っての通りマイナー国は我々を脅かす外道の集まりだ・・・余は悲しい、皆がやつらに侵略され、蹂躙されるのをただ見ているだけなど・・・我慢できん!」

叫ぶような演説

ブラス王は両手を振り上げ、天を見上げるような姿勢となって言った

「そうだ、そのような日々ももう終わる!今、この日からだ!」

無数の戦闘マシーンが拳を振り上げた

パイロット達は歓声をあげた

「戦おう皆よ!私は皆と共に戦おう!」

王が締め括ると、歓声は大合唱に変わった

勇ましくブラス国を称えその未来が明るいものと宣言させるその歌は、ブラス国の国歌

その場にいる全ての人間が、ブラス国がマイナー国を潰すのを、応援していた

「くそっ、始まるか・・・?」

ただ一人を除いて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タクマ、どうだった?」

「いつ戦争を始めるかわからないところまで来てる・・・もう時間がない」

タクマと呼ばれた男はそう答えた

タクマは大人のようには見えない

彼は今年で16になったばかりの少年と言っても良いほどの人間だった

しかし彼は、彼には使命があった

「俺達平和の会が全力で色々やっても、全然影響が見えない」

平和の会

紛争孤児だった人間を集め、もう二度と戦争が起きないように様々なことをしてきた

デモ、署名運動、王への手紙、軍の基地前での大合唱会、平和を呼び掛ける演説

タクマは絶対に諦めず、苦労をし続けながら争いを食い止めようとして来た

その苦労も、泡と消える日が来た

「シオリ」

「なに?」

「ここまで運んだら奴等、戦争に反対する人達を逮捕し始めるぞ」

「堂々と私達を潰してくるってこと?」

タクマと同い年の少女シオリが、心配そうにタクマを見た

彼は静かに頷いた

「酷いときには戦争を推進する連中を激しく皮肉ったこともあった・・・だけど流石に武力行使まではしてこないはずだ」

「でも、平和の会が無くなるなんて嫌だよ」

呟くように言ったシオリ

タクマも、苦々しい表情をした

そこに慌ただしく、気弱そうな少年が入ってきた

「た、た、た、タクマ!」

「オサム、どうした!?」

オサムは激しく慌てながら、東側の窓を指差した

タクマはその窓の窓枠に手を掛け、外を見た

そこには、無数の戦闘マシーンがいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーチクショー」

暇じゃねーか、ああ?

長旅なのは良いが、こうもつまらねえとイライラが貯まる

「もうすぐブラス国の町に着きます、そこで休憩をとってはどうでしょうか」

「それは良い案だリキ、早速そうしよう!」

「オイ、動かしてるのは俺だぞ!まさかテメェら、俺をカイザーの運転手かなにかと思ってるんじゃあねえのか?」

いい加減にしやがれ・・・!

「まあ落ち着けナガイ、お前退屈そうな顔してるだろ」

あ?

本当に退屈だからだ!

「私達がいなかったら、もっと退屈してたんじゃないか?」

「アホかバカ野郎!」

ふざけてんのかミユキ

あーあー、こういうところサヤさんは良かった

あの人は男を立ててくれるからな~

無事だと良いがな・・・

「って、ん?」

なんだ、森の向こうに建物みてえなのがいっぱい並んでるが・・・

煙、出てねえか?

「ナガイさん、あの町襲われてます!」

・・・へっへっへ

「ナガイさん?」

「ナガイ、どうした?」

へっへっへ・・・

「ドンパチやってるじゃねえか」

・・・へっへっへ

「オイお前ら、降りろ」

「助けるのか?」

へっへっへ・・・

「神に会うては神を斬り、悪魔に会うてはその悪魔をも撃つ」

そうさ

「戦いたいから戦い、潰したいから潰す!」

良い退屈しのぎになりそうだぜ

すぐ潰れてくれるなよ?

「俺達に大義名分など無いのさッ!」

 

 

 

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