DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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外食美味しいですの巻



sceneGET 獣の悪夢

 

「・・・で、なんでアンタは俺を怖がってるんだ?」

「ひっ・・・!」

「お、おい」

・・・声かけただけなのに引っ込んでいきやがった

確かになよっちい優男みてえな顔してる訳じゃねえが、いくらなんでもそりゃねえぜ

「ごめんね・・・あの娘、男性恐怖症なの」

「よくそんなのを店に雇えたな」

「男の人の対応は私が主にしてたわ、それに・・・少しずつ克服してたのよ」

まあ、あのザマじゃあ十中八九・・・

「でも今日のアレで、すっかりフリダシ・・・いえ、マイナスかしらね」

「ケッ、まあいい」

手前のケツは手前で拭けって話だ

俺には関係ねえな

「飯はどれくらいでできる?」

「もう少しよ、待っててちょうだいね」

 

 

 

 

かーッ!食った食った

腹ぁパンパンだぜ

「ごっそさん、お代は・・・」

「あー良いわよ、助けてもらったお礼」

あん?

「いいのか?」

「あなたがいなかったら、私達ご飯作ってる場合じゃなかったもの」

「肝っ玉デケエなアンタ、名前聞かせてくれねえか」

気に入ったぜ

「ヨシノよ、ここの店主兼コック兼メインウェイター」

ほお・・・そりゃ・・・

「大変なんだな?」

「ええ、でも・・・」

今チラッとどこ見てやがった

ん?ヤコが柱の陰からこっち見てやがるな、あいつを見たのか

「あの娘が来てから本当に楽になったわ・・・今じゃ私よりも美味しいものを作ってくれるのよ」

「今のはどっちがこさえたんだ?」

「私ね」

「ヤコじゃねえのか」

「うちの店じゃ二軍だけど、不満かしら?」

へっ、腹が減ってりゃ何でも食うさ

だけども、まあまあイケたぜ

「いんや、美味かった」

「ありがとうね」

「次はもっと美味い方のが食いたいもんだが」

・・・ヤツはどっか行ったな?柱からいなくなってやがる

「それなら貴方、ヤコと仲良くしてくれないかしら?」

「冗談じゃねえ、骨を折ってまで飯を食うかよ」

「あら、残念」

なにが残念だ、全くよぉ

 

 

 

 

 

イシカワはヨシノの店から出た

辺りはすっかり暗くなっており、お喋りが長くなったことにイシカワは気付いた

そして、店から離れた場所から、無数の灯りが近付いてきたことにも、イシカワは気付いた

灯りの方向から騒ぎ声

「チッ、一昨日来やがれって言っただろうが」

それは、店を襲ってきた男たちだった

彼らは先程より多い数でもって、イシカワに近付いてきた

「テメエ、さっきはよくもやってくれたな!」

「お陰で鼻は完全に潰れちまったよ!どうしてくれんだ!」

「殺す!ぶっ殺してやるこの野郎!」

「泣いて謝っても許してやらねえぞコラァ!」

チンピラ達は思い思いの言葉をイシカワにぶつけてきた

おかげでそれぞれの言葉は全く聞き取れない

「うるせえなぁ・・・あァ?」

指を鳴らしながら男たちの方を見ていたイシカワはそれを見付けた

男たちの背後に忍び寄る、影に

「おい、後ろ・・・」

「ギアアアアアア!?!」

男の一人か悲鳴をあげた

恐らく一番後ろ辺りにいたのだろう、だからイシカワが見付けたソレに真っ先に狙われた

それはノミだった

生物の生き血を、極小だけ吸い取る、痒さを引き起こすこと以外はあまり驚異ではない虫だ

それが、人間より一回り大きいのが、無数

イシカワに恨みを持った男達より多い

そして悲鳴をあげた男は、肩からストローのような器官を刺され、そこから急速に血液を吸われていた

みるみるうちに萎み、体の色が変わっていく

「キュキュキュキュー!」

恐らく巨獣と同じく、緑の光とやらで巨大化したのだろう

それが微生物ほどのサイズだったため、人間寄りの大きさになった

「な、何コレ!」

騒ぎに気付いたのか、イシカワを見送りに来たのか、いつのまにかいたヨシノが驚愕の声をあげる

そのとなりには、ヤコいた

「イシカワさん・・・!」

今にも失神しそうなほど怯えきったヤコが、イシカワの方を向いた

「オイ」

「ひっ・・・!」

ノミの群れの前で仁王立ちをしながら、イシカワはヤコに言った

「終わったらまた来る、次はお前の飯を食わせろ」

「あ・・・」

「約束しろよ?」

 

 

 

 

 

へっ、何だか知らんが、今度はノミかぁ?

まあいい、コイツらをぶち殺せばうまい飯が食える

女のトラウマ直すよりかは楽そうだ

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