DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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sceneGET マイナー国の王と姫

 

「おいイシカワ、お前、暇だろう」

いきなりなんだクソジジイ

唐突すぎんだろ

「いきなり人を呼びつけといてそれか?そんなんで国王が務まるのかよ」

「お前のような男がゲッターロボのパイロットを務まるよりかはな」

ぐっ・・・このジジイ

図星突かれたからって妙なこと言いやがって

後で覚えてやがれ

「この野郎・・・」

「ほれほれ、顔に出とるぞ」

チッ!

ふざけやがって

「何の用だジジイ!とっとと言いやがれ!」

あの地下室を出て数分しか経ってねえぞ!俺ぁ観光もできねえじゃねえか!

「お前はどうせ自由にブラブラしたいとでも思っているようだが、そうはいかん」

「人にモノ頼むならとっとと用件言いやがれ、まどろっこしいんだよ!」

「そうムキになるなイシカワ、お前には本城に行ってもらう」

ハァ?本城?

城ってことは・・・ここ以外にも城があるってのか?この国に

「知っての通り、この城は地下の大量の擬似ゲッター線にいわば蓋をするためのモノだ」

「なんでまたもう一つ城を?」

「小さい建物では蓋にならん、大きすぎると不自然だ」

だから城か

ほー、考えたもんだ

なるほど・・・ってそうじゃねえ!

「しまった、話が逸れた!」

「お前が逸らしたんだろう」

「うるせえ!どうして俺がその本城に行かねえといけねんだ!」

理由を言え、理由を!

俺は暇じゃねえ、御使いなんかするかよ!

というかそもそも指図すんじゃねえ!

「カズト達騎士団は、ここ最近頻発している巨獣への対応に動けない」

「だから俺に、国の本城を守らせようってのか?」

「お前なぞにそんな大規模な仕事を頼むつもりはない」

「ンだとぉ!?」

ケンカ売ってんのかジジイ!

さっきっから延々遠回りな話ばっかしやがって!

本題を言え本題を!

「ワシの娘の遊び相手になってこい」

は?

 

 

 

 

 

 

 

「私は、このマイナー国国王の娘、ミツルと申します」

「ちょっと待て」

豪華な絨毯、豪華なソファ、豪華なテーブル、豪華なシャンデリア

国王の城の謁見の間を小さくしたような部屋に、イシカワはいた

目の前には華麗なドレスを着た少女

状況から考えて、マイナー国のお姫様だろう

「何かとご迷惑をお掛けするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」

「ちょっと待て」

「なんでしょうか、イシカワさん」

イシカワは国王の真意を図りかねていた

というか、頭の悪いイシカワでなくとも、この状況には困り果てることだろう

目の前には王国のお姫様

自分はその面前

「・・・いや、なんでもねえ・・・」

あの国王のことだ、何か裏があるのだろうが、状況のあまりの不可解さに考察が働かない

ミツルから目を離してテーブルのクッキーを摘まむが、味を感じられる心理的余裕は無かった

「・・・あの、私、何か失礼を・・・」

「いや、大丈夫だ、そんなことはねえ」

とりあえず、このお姫様をなんとかしよう

そう考えたイシカワは、話題を切り出した

「ミツル・・・だったか?お前はどうしてこの城にいんだ?」

「それは、父の意向です」

「親父の命令に?」

「はい、私が父のいる方の城へ向かうと、父の足手まといにしかなりませんから・・・」

「なるほどな」

イシカワは再びクッキーを頬張った

先とは違い、落ち着いたからか甘い味が舌に染みる

「わかることはわかってんのか」

この問答で、イシカワはある程度察した

「はい・・・この国の状況や父の様子からして、何もできない私はここで大人しくしているのがいいと考えました」

「御立派なこった」

「私が皆の足を引っ張るくらいなら、ここでひっそりと暮らす方が良いのです」

「だが、お前はこの国の女王様になるんだろ?」

唐突に、ネガティブな話を遮る

ドレスの裾を握り締めたミツルを流し目で見ながら、イシカワはそう聞いた

いや、聞いたというより、確信に至るための確認というべきか

「・・・はい」

「不器用なジジイだ、跡継ぎを守るために城に閉じ込めるなんざ・・・」

「・・・うっ・・・うっ・・・」

「過保護なこったぜ・・・ってどうした!?」

突然泣き始めたミツルに、イシカワは慌てる

いくら粗暴といえども、女子供に酷いことをできる男ではない

食べかけのクッキーを放り出し、ミツルのソファーに駆け寄った

「私は情けないのです・・・」

「ハァ?」

「私は・・・何もできない自分が・・・」

目元をハンカチで抑えながら、ミツルは泣き続けた

 

 

 

 

 

 

 

そこへ、軽装の鎧を着けた数人の男が雪崩れ込んだ

「キャアッ!?」

物々しい雰囲気に驚いたのか、ミツルは涙を引っ込める

蹴破られたドアが、虚しく倒れていた

「動くな忌々しい王族めグゲェッ!?」

先頭の男がミツルを捕らえようと手を伸ばした瞬間、その顔面に拳が埋まる

イシカワの拳だ

「オイ、テメエら・・・」

鎧の特徴は見知ったものだ

カズト達マイナー国の騎士団が装備しているものだ

「おれのダチ公の娘にケンカ売るとは良い度胸じゃねえか・・・」

だがこの態度なら、コイツらがやろうとしていることは明白だ

クーデター

大方、巨獣に対応しきれていない王族を無能と批判して、自分達が国のトップになろうとしているのだろう

ならば容赦の必要はない

「そのケンカ、纏めて俺が買ってやる」

国王は狂った

国を守るために

王女は泣いた

国を想うために

目の前の男達はそんな者達を踏みにじるつもりだった

「かかってきやがれチンピラ共ッ!!」

イシカワは吠えた

クーデターは一日で鎮圧された

 





DOUBLEviolenceは一度筆を取るとスラスラ進む
やはりナガイとイシカワがが濃いからですね
皆も書こう、戦闘狂系突撃野郎主人公
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