DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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長かったようで短かった本作も、いよいよ最終回
ラストエピソードも、ゆっくりお楽しみください



sceneDYNAMIC DOUBLEviolence

 

光が二人を包む

マジンカイザーとゲッターも、光の中へ飛び込んだ

神は死に、世界は壊れなかった

だが、二人の行く世界は、前にいた場所でも、もっと前にいた場所でもない

そこは、地平線まで岩と土が広がる場所だった

最初に、ナガイが気付いた

「・・・ここは、どこだ?」

イシカワも、首を振って辺りを見回す

「ん?なんだぁ?いつの間に流れ着いた?」

何もない殺風景な土地

二人と、二人の乗っていたスーパーロボット以外は、何もない

強いて言えば、石が転がっているくらいか

そして、ナガイとイシカワは、お互いの姿を確認した

「ヘッ、まあいい・・・賢ちゃんがいるなら好都合だ」

「そうだなァ豪ちゃん・・・んじゃあ、決着つけようぜ」

ここは、あの神が、一生楽しめる楽園を作るために用意した世界だったのだろう

だが、神は死んだ

世界を細やかに作ろうとした矢先だ

なのでここは、ナガイとイシカワが戦った世界とも、ナガイとイシカワが元々いた世界とも違う

つまり、人っ子一人とていない

即ち、いくらでも暴れ続けられるのだ

「神に会うては神を斬り!悪魔に会うてはその悪魔をも撃つ!戦いたいから戦い潰したいから潰す!」

「燃えてきたぜ!チェエエエエエンジゲッタァアアアアアアッ!ゥワンッ!」

そしてこの二人のすることは一つ

永遠に戦い続けることだけだ

「俺達が地獄だッ!!」

「ゲッターの恐ろしさを、味あわせてやるッ!!」

マジンカイザーSKLが牙斬刀を振るう

新ゲッターロボがトマホークを振るう

ナガイとイシカワ、別々の二人

だが、二人は、まるで殆ど、お互いに似通っていた

戦いの高揚感に、二人の顔が歪む

それは、見たものを恐怖させる程の、凶悪な笑みの面相

「うおおおおおおおッ!!」

「だらぁあああああッ!!」

ぶつかる二体のスーパーロボット

ゲッターがトマホークを叩き付ければ、カイザーが防ぐ

カイザーが牙斬刀で斬り付ければ、ゲッターはそれをガードする

一撃が飛び交う度に、天が裂け地が割れ風が轟く

カイザーの攻撃が強く、速く、激しくなる

ゲッターの攻撃が強く、速く、激しくなる

ナガイとイシカワはよく似ていた

戦い方も、考え方も、力強さも

「でりゃぁッ!!」

「とぉりゃッ!!」

互いが互いへ思いきり攻撃を繰り出す

衝撃波が辺りの全てを砕く

それは、殺すつもりの一撃だ

だが、二人は互いを殺すために戦っているのではない

憎み合ってすらいない

この二人はこの戦いを、心から楽しむために戦っている

壊れる世界

二つのスーパーロボットが全力で戦う余波で、何もかもが崩れていく

しかし、それでもナガイとイシカワは止まらない

この世界がどうなるかは、誰にもわからないだろう

だが、一つだけ確かなことがあるとしたら、

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!」

「オラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」

この二体(DOUBLE)暴力(violence)は、永遠に終わらないことだ

 

 

 

 






こんな変な組み合わせを主役とした作品にお付き合いいただき、誠にありがとうございました
マジンガーとゲッター、永遠なれ

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