一般人15歳で〝ちょっと〟変わった彼のIS生活(完結) 作:A.K
女性主義者達を
許す事などない
自分勝手に男を下す
都合が悪ければ手のひら返し
拒絶せよ
セシリア・オルコットに続き織斑一夏をも下した澪。澪は地面に埋まる様に気絶している織斑一夏を見ながら、ODA『流星』を換装して名前無き破壊者に戻る。
『……』
澪は今のアリーナの光景を見る。試合前は綺麗に整備されていた地面やシールドバリアー展開防御壁が、今や地面は大小のクレーター、シールドバリアー展開防御壁の内部までにはいかなかったが壁部表面上には大きな亀裂が走っている。
……これが、俺がやったのか
澪はこの光景を見てそう思う。澪が思ったのはそれだけで、アリーナにいる人々の事など何一切心配はしていなかった。この試合を見に来ている者の大半が、澪にとって一番嫌いな女性主義者達だった為に余計に心配することは無い
澪はすぐ様自分が出てきたピットに、PICと非固定浮遊部位の大型スラスターを使って戻った。
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「ふう……」
澪は名前無き破壊者を解いて人間状態に戻り、そう息を吐く。今現在ピットの外では澪に対しての罵声が鳴り響き、澪の怒りゲージはぐんぐん上昇している。そんな状態なのだが……
「榊。貴様の禁忌のISを寄越せ、もう一度こちらで調べる」
「ちふy……織斑先生もこう言っておるのだ。さっさと貴様が持つ専用機を、織斑先生に渡せ!」
俺の目の前には一番毛嫌いしている屑教師こと織斑千冬と、天災の妹である篠ノ之箒がそう言って寮に帰ろうとする俺の前を立ち阻んでいる。……邪魔だ。でも、今の俺の状態をまだ教えてなかったな
「織斑先生。言い忘れていましたが、ノーネーム……貴方方では禁忌のISでしたか。禁忌のISは俺の体と融合してます」
「ゆ、融合だと?」
ん?流石に世界最強でも、人とISが融合したなどと言うと戸惑うか。まあ……流石にいままでその事例がないからだと俺は思うがな。
「はい。文字通り禁忌のISは、俺の体と融合してます。その為俺からIS反応が出ていますし、生身でもISの機能のPICを使っての空中浮遊もできます」
俺はそう言って、空中浮遊をPICで行う。つかあれなんだな、何気にハイパーセンサーも使えるみたいで俺の背後の光景も見える。
澪はそう考えてから空中浮遊を止めて、地面に静かに降り立つ。その光景を見ていた織斑千冬と篠ノ之箒は唖然としていたが、澪が地面に静かに降り立つのを見て意識を取り戻す
「……取り敢えず、榊がISと融合しているのは分かった。しかし、そのデータを取り出す事は出来ないのか?」
しつこい……ノーネーム
────何でしょうか主
外部にデータ公開をする事は出来るのか?アレが五月蝿くてな
────それなら主。我々はデータ公開なんてする気はありませんと、お伝え下さい。
「えっと、名前無き破壊者はデータ公開なんてする気はないとの事です」
「……はっ?」
「ではそういう事で」
澪はそう言ってその場からスタスタと歩き去って行く。しかし、織斑千冬は強引にでもデータを取り出そうと澪に対し、どこからともなく出した出席簿を目にも止まらなぬ速さで澪に向けて投げる。織斑千冬は知らないが、澪はハイパーセンサーも使える為、後ろから来る出席簿の存在には気付いていた。
澪は迫り来る出席簿を振り向いて受け止める。
「そら、お返しだ」
澪は受け止めた出席簿を、澪が元々持つ力とISの力を合わせた力で投げ返した。
「ぐううっ!?」
出席簿を織斑千冬はキャッチしたが、余りの力に数メートル押される。その光景を見ていた篠ノ之箒は、呆然としていた。なんとか止まった織斑千冬は辺りを見渡す
「……っく、逃げ足の速い奴め」
織斑千冬が投げ返された出席簿をキャッチした後、澪は既にその場から立ち去っていた。織斑千冬は澪がいたと思われる場所から、背筋が凍るほど……恐ろしい何かが漂っていることに気付いたがそれが何かは分からなかった。
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「ふう……」
澪は部屋に戻ってからシャワーで汗を流し、今はベッドで横になっている。そして、今現在澪はある事に考えている。
俺の頭には常時展開されているハイパーセンサーから来る情報、視界に映し出される様々な情報などが次々に送られていく。更に先程の身体能力の向上、生身でのPICやパワーアシスト使用と分かっているつもりでいたがやはり慣れないものだ。
いくらISと完全融合したからと言っても身体代謝は勿論、食欲・睡眠欲は未だに健在だと俺は理解はしている。そういう所は変わりないのか
────主……何をお考えで?
「ノーネームか」
────そうです
「なに、今の俺の状態がどうなってんのか考えていただけだ」
────なら丁度いいですね。私も主の体についてお話をしようと思っていた所でした
「なら話が早い。説明してくれ」
────それでは……説明致します。
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────……という訳です。
「成程、良くわかった」
ノーネームの話を聞いて、今の俺の体の状態に驚いた。まとめるとこうだ。
・ISであり、人間であること(どこかの勇者王か?)
・内臓部は勿論、心臓もあるが体が完全消滅しない限り死ぬことは無い
・人間体でもISの全機能の使用可能。なお、機能についてはON/OFFの切り替えが不可能。何故出来ない!?
・ISのエネルギーは人間体の時に自動生成され、それが永久にストックされる
・IS体でもエネルギーは自動生成され、そのまま動力源として使用される
・過剰エネルギーは全て機体の修復や、人間体での活動源となる。更に傷なども過剰エネルギーで修復
・あと数年で、体の老化停止
……成程、見事に人を辞めているな。特に老化の停止とは、もうこれでは不老不死だな……否、体が完全消滅しない限り死ぬことは無いという事だから死ぬには死ぬのか。しかしだ……
────なんでしょうか
「ここまでのエネルギーを生成する、俺とノーネーム達を動かす動力源ってのは一体何なんだ?流石にここまでのエネルギーを……ノーネームが言うには永久に生成し続ける動力源は聴いたことがない」
────これだけは言わせて頂きます。主や我々を動かすのはある永久機関です
「……そうか、ならいい」
────それでは失礼致します
そう言ってノーネームは黙った。動力源が何か気になるが、今は…取り敢えず寝るとするか。
そう考えた澪はそのまま眠気に身を任せ、すぐに眠るのであった。
ドーモ、レイ=サン。スリープスレイヤーデス
アイェェェェ!?アイェェェェ!?ニ、ニンシャナンデ!?
キサマハユメカラサメルノダ!!イヤーッ!
グワーッ!?サヨナラー!!
────主……主……起きて下さい
「……はっ!?ね、なんだ……(コンコン)……ん?」
澪はノーネームの声に意識を覚ました。しかし、何かもっと恐ろしい何かがあったような気がしたが、忘れる事にした。
────セシリア・オルコットが来た模様です
「ん……そうか」
おっ、視界の中心にウィンドウが出てきた……これはブルー・ティアーズか。ならセシリア・オルコットだろう。
澪はそう考えながら、ベットから立ち上がって部屋の扉を開ける。そこには分かっていたが制服姿のセシリア・オルコットが居た。澪はセシリア・オルコットを見てから言う
「何の用だ。セシリア・オルコット」
「…………あ、あの……実は謝罪しにきましたの」
謝りに?……ふん
「何をしに来たのかと思えば、謝罪しに来た?散々とあんなことを言っとおいてか?」
なんで今更来たんだコイツ。試合で差別やら研究機関に送ろうとしたのに、あとから謝りたいだと?相変わらずイライラさせるヤローだ。
「残念だが、お断りだな」
「そ、それでもどうしても謝りたいのです!」
あー……もう
「少し……黙れよ」
「っ!?」
セシリア・オルコットは突然放出された、試合の時と同じような濃厚な殺気を目の前にし口を閉じる。そう……セシリア・オルコットは感じたのだ。今喋れば、間違い無く目の前に居る澪に殺されると。その圧力は、思わず息が苦しくなるほどとても濃いものであった。
「織斑の時と変わって、俺だけ批判しまくっていた奴等もそうだったが俺からして見れば、オルコット。
テメェ随分身勝手じゃねえか……おい?」
セシリア・オルコットは震えていた。目の前に居る澪が出す圧倒的殺意の奔流を前に、奥歯をガチガチ打ち鳴らし、体の震えが止まらない。
セシリア・オルコットは澪の怒りが、止まること無くさらに増えて、増大している事に本能が察した。そしてその怒りと殺気が混ざり合い、名前無き破壊者と似たものに見えたセシリア・オルコットは気が遠くなり始め、その額からは汗がダラダラと流れ始めている。
「……もうテメェが謝まったって既に事は進んで、もう取り返しのつかないところまで来た」
そう言ってから澪は部屋の扉に手をかける。そして……
「もう既に遅いんだよ。
サヨウナラ……セシリア・オルコット」
そう言って澪は部屋の扉を閉めた。
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パタンと、澪が住む部屋の扉が閉められ、そのすぐ後にガチャリと部屋の鍵が閉められる音が鳴る。同時にそこにあった圧倒的プレッシャーも消え去る。それを認知して、セシリア・オルコットはその場でぺたりと座り込む。
「……」
終わった。それが彼女が頭の中で思い浮かんだ唯一の言葉であった。セシリア・オルコットはもう既に澪との関係を築くことは、この先永遠に出来ないのだと直感した。
しかし、頭の片隅のほんの少しの思考が、これから先絶対に関係を築くことは出来るはずだと根拠の無いまま考えを始めた……その時だ
「ふふふ♪呆然としてしている所悪いけど、貴女がセシリア・オルコットさん?」
セシリア・オルコットは突然後ろから声に驚き、その声が聞こえた方へと頭を向ける。そこには、水色の髪を持ち抜群のプロモーションを持つ一人の女性が居た。ネクタイの色から彼女が上級生だと分かった。
そこまで考えて、セシリア・オルコットは目の前の人物が誰か導いた
「……あ、貴女は生徒会長の……」
「そっ、私はIS学園生徒会長の更識楯無。
同時に、ロシアIS国家代表でもあるわ」
更識楯無。史上最年少でロシアIS国家代表の座につき、さらには現IS学園生徒最強兼生徒会長である。専用機も持っており、その操縦技術も世界に誇るものだ。何にしても機体の能力以外の弱点という弱点が無い、それ程までのレベルを楯無は持っている。
セシリア・オルコットは楯無とのレベルの差、さらには圧倒的プレッシャーを受ける。それにより、自分の方が下であることを認めさせられたセシリア・オルコットは恐る恐る楯無に尋ねた
「い、一体何の御用なのですか?」
セシリア・オルコットが楯無に恐る恐る尋ねると、楯無は笑顔で答える。何故か笑顔でいる楯無を見て、セシリア・オルコットは何か良いことがあるのではないかと思っていたが……
「単刀直入で言うわね。IS学園生徒会長及である私と、IS学園最高責任者である学園長との話し合いにより、セシリア・オルコット……貴女をIS学園から追放します」
現実は非常である
「えっ……な、何故ですか!?」
セシリア・オルコットの言葉聞いて、楯無は何処からともなくICレコーダーとUSBメモリを取り出して見せる。楯無はその中のICレコーダーの再生ボタンを押す。すると、ICレコーダーからセシリア・オルコット自身の……教室で言った日本に対しての侮辱に関する事が流された。
セシリア・オルコットは体をガタガタ震わせながら質問する。
「そ、それは……」
「ん?これはねー……とある人から頂いた物よ。で、このUSBメモリには先程の試合で貴方が、澪くんに対して言った罵倒等の音声データが入ってるわよ♪」
不味い。非常に不味い。何とかして、目の前の二つを……公開されたら……っと、考えていたセシリア・オルコット。しかし……
「何とかしなくちゃ……って顔してるけど、もう遅いわよ」
「お、遅いとは……?」
「もう貴方の国と女王陛下に伝えてある……って言ってるの」
「!?」
「そう言えば……貴女の国って、たしか反女尊男卑国家だったわよね?」
セシリア・オルコットが所属するイギリスは女王陛下が大の反女尊男卑主義者の為に、欧州では珍しい反女尊男卑国家である。その為、イギリス国内で発生する女性主義者が罪を犯すと大変重い罪を課されることで有名である。
楯無は続けて言う
「……そういう訳で、貴女の国の政府は勿論、女王陛下はもうカンカンよ。それで、先程の試合の光景も見ていただいて、イギリスとIS学園の私と学園長で会議を行った結果。貴女のIS学園追放が決まり、本国に強制送還よ」
「あ……ああ……ああああ……」
「まあ……貴方が《代表候補生規定項目》である『第一条 代表候補生は他国に対しての暴言・男性差別をしてはならない』を破ってる時点で、既に決まっていたけどね」
楯無はそう言ってから、虚ろな目をして青ざめた顔をしているセシリア・オルコットを一度見てからその場を離れる。
「じゃあね、哀れな英国貴族さん」
この日の夜、IS学園一年一組所属 イギリス代表候補生セシリア・オルコットは、IS学園から追放。IS学園外の複合娯楽施設レゾナンスにて、更識家の特殊部隊によってその身を確保。その後、日本政府を通してイギリスにその日の内に強制送還された。
次の日の朝
『イギリス代表候補生であるセシリア・オルコット容疑者16歳が、男女差別と代表候補生規定項目違反の罪によりIS学園から追放。その後、イギリスに強制送還された模様です。
なお、セシリア・オルコット容疑者に与えられていた専用機『ブルー・ティアーズ』は没収。代表候補生の称号は永久剥奪される模様です。』
「……ふん。これが奴の末路か、哀れなものだ」
「代表候補生としての規則を守れないようなら、このぐらい当然よ」
次の日の朝、自室に取り付けてもらったTVからはその様なニュースが流れていた。澪と楯無はそのニュースを見て、そう言った。
次回予告
セシリア・オルコットの追放
クラス代表の決定
それが、クラス代表決定戦から数日たっての出来事だ
向けられる『妬み』『殺意』『恐怖』の視線
「死んじゃえ!」
「IS学園から出てけ!」
襲い来る女性主義者達
あれから、悪い事ばかりであったが……
少しはいいことも起きた
次回=変わる日常=
しかし、困った事も……
「ち、力加減が出来ない……」
『主!何事にも!ファイトです!』