一般人15歳で〝ちょっと〟変わった彼のIS生活(完結) 作:A.K
声が聞こえた。
懐かしき憤怒の叫び
懐かしき悲劇の叫び
破壊されゆく世界の音
「主殿」
漆黒の宙、真っ白な大地。幾度の時を超えここに届いてるだろうもはや存在してるのかも分からぬ星々の生命の輝き、地球を照らしこの『表の月』を照らす太陽の輝き。
『裏の月』────光が届かぬ月の白い大地を見ることの無い漆黒の闇。そんな中にそれは居た。
白く光り輝く機体。その周りにまた白く輝く二人の人物が立っていた。
「なんだい?」
「......随分と、懐かしき光景ですね。」
「うん。随分と久しぶりに『過去の自分』を見たよ。
でも、ここの世界はまた随分と怒りに染まってるね。
それも、また僕という榊澪の一つだ。」
主殿────本来いるはずの無いもう一人の榊澪。その存在は彼方の未来事象、その一つから訪れた者。
「フィーも久しぶりに見たんじゃないかな?暴れている自分の体。......懐かしき名前で言うなら、ノーネーム。」
フィー───名前無き破壊者の主人格であるノーネーム。
そんな彼らの背には、名前無き破壊者の果ての存在がボロボロになりながら鎮座していた。
「未来からタイミング悪くこの時期に来て、危うく邂逅してしまう所でビックリしたよ。」
「だからと言って太陽の方角に突撃しないで下さい。」
彼らは未来から来た直後、宇宙に上がってくる現在の澪達を知覚し急いでこの中域から離脱。しかし、思った以上に移動したのだが、それに加え太陽の方角に突撃。危うく大惨事になる所だった。
「悪い悪い」
「全く......気を付けてくださいね?」
2人は、進化果ての名前無き破壊者で地球の澪達が居るIS学園及び全ての映像機器をクラッキング。そこから映像を見る。その映像機器と二人の目は同化し、まるでそこから見てるかのようにその光景を映し出す。
二人はIS学園で戦闘を繰り広げる『今』の澪に視線を向けた。
「うん。この世界では『破壊特化』したのかな?
名前は......『殲滅』か。懐かしい、あのマグマの様な熱き感情────『怒り』がヒシヒシと伝わるね。」
「この世界の我らが母は、主殿が持つ『異常感情能力』を機体の力として変換するシステムを導入しているようです。」
それに対して、澪は「面白い事をしてるね、博士は。」と言う。
「数多の世界線では、『破壊特化』した名前無き破壊者は終わりに辿り着く前に全てを滅ぼした。
全てに絶望して、全てに怒りを向けて......文字通り全てを破壊尽くした。」
数多の世界線を見てきた澪は言う。未だに『破壊特化』した名前無き破壊者の世界は、終わりに辿り着く前に何かしらのアクションで終わっている。
この世界線なら、『殲滅』に覚醒したタッグトーナメント。彼処でもし完全に理性が失われていたらどうなる?答えは簡単、リミッター解除され文字通り全てを破壊尽くす力を手に入れた殲滅に壁は存在しない。
だが、その場合亡国とIS委員会の委員長により最終的になんとか防がれる運命になる。それは結局IFの物語となった。
「この世界は違う。僕らが未だに見たことの無い結果が、世界が、物語がある。」
「私が見る初めての『破壊特化』の世界。
どうなるんでしょうね?」
「それは誰にもわからないさ。
この世界では君らがまだ『一人』になっていない。それもまたこうなった要因かも知れないよ?」
フィーこと旧︰ノーネーム達は、一人に融合した。未来の意味を持つ『フューチャー』。
そして機体......名前無き破壊者という破壊を願う機体は、人の未来を願う『希望』────『最果て』に辿り着いた。これが、未来の澪が辿り着いた進化の果て。
「僕らが目指した終わりとは違うけど、この世界の僕はきっと世界に希望を与えるだろう。」
「それは主殿の一方的な考えでは?」
呆れたようにフィーは言うが、澪は言う。
「どこまで行っても根本は同じさ。
あの理不尽がある限り、『榊澪』はアイツらを消し去る。
そして、人々は付いていく。それが────」
彼方からやって来た二人は語り続ける。
その視界の先、宇宙から見ればほんの少し先の距離にある地球を見続ける。
怒りを纏い、世界の理不尽に抗う『今の世界』を