一般人15歳で〝ちょっと〟変わった彼のIS生活(完結)   作:A.K

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天へ魔は昇りて消える。

天から落ちたそれを見た。

兎はそれを見て跳ねる。


夏の魔王【壊】

 光の本流が宇宙へ登っていく。その中に居る世界を火に沈めんとする野心を宿す、黒き闇を焼き尽くしながら。

 極光を放つのはOG領域IS『天椿』を纏うHこと篠ノ乃箒。放出を終え、構えを解く。衝撃により燃え盛る炎を消え去った。

 

 

 空には星がある。

 黒き闇は消え去ったのだ。

 

 

「や、やった.......?」

 

 

 誰かがそう言った。

 誰もが勝てないと思っていた絶望そのものに勝ったのだ。奇跡だと思った。夢かと思った。でもこれは現実であると理解する。歓声が上がり、通信越しでも歓びの声が聞こえる。

 

 

「Hよくやった!」

「終わった、のだな。」

 

 

 残っていたメンバーが集まって箒を褒め讃える。

 

 

『いっくんの事はしょうが無いよ。魂は回収してコアに収めてるからあとは身体を用意すれば大丈夫。何はともあれ、お疲れ様H。』

 

 

 その言葉を聞いて箒はそうか、と呟いた。マドカはOG領域ISの影響で精神が成長した箒に、そういう所も成長したのだなと考えた所でふと気付く。皆が喜びに浸かる中、箒の顔に滝のような汗が浮かび上がっているのに気が付いた。直前まで動いていたからとかではない、明らかに異常な量の汗と苦悶に満ちた顔。嫌な事が頭をよぎった。

 

 

「お、おいH?お前それ.......」

「あとは頼む。」

 

 ゾッとする予感が当たってしまうことに恐怖する。ならばこの後起きるのは.......マドカは今まさに解かれる為に光る天椿の姿を見て叫ぶ。

 

 

「っ!?待て、まだ機体を解くな!!」

「済まない。」

 

 

 箒がそう言いながら目を閉じ、すると纏う天椿が光になって霧散。直後背中から大量の血飛沫があがる。さらにそのまま倒れようとする為、慌てて受け止めるがその口からも血が吹き出ておりマドカの体を赤く染める。

 ドクドクと、赤い液体が溢れその体から熱が消えていく。

 

 

「H?おいH!?」

「至急救急隊寄越してくれ、早く!」

「返事をしろ、おい!!

 くそっ、Y早く!」

「応急手当処置始めます!」

 

 

 これは恐らくOG領域ISを『普通の人間』が使った代償である。織斑の一族として作られたマドカ。故に織斑の人間の正体を知っており、何故一夏がISを動かせるのかも理解しているしそこからOG領域ISを動かせられる理由も予想はついている。

 『普通の人間』はOG領域ISに適応出来てないのだ。

 

 

「バイタル安定しません!」

「緊急治療用ナノマシンがあるっ、これを使え!」

「────安定しました!」

「救急隊は? 」

「もうすぐ来ます!」

「台に乗せろ!」

 

 

 苦悶に満ちた箒の表情が幾分か和らぎ、ひとまずの山場を乗りきった。その後すぐ様救急隊が来て箒をゴーストに搬送した。

 その後無事なメンバーで被害状況と二次被害が起きてないかの確認し、終えた所でマドカ達もゴーストに帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数週間が経つ。

 ドイツ事変からなる一連の騒動についての公表、サマーブレイク当日についての各方面への通達など等忙しい毎日を送った。

 亡国はついにOG領域ISについて情報を解禁、概要説明などに対応に追われていた。

 

 

「元々OG領域ISは普通の人間じゃ動かせないんだ。」

 

 

 今日の任務が終わりゴーストに帰還。機体を修理ハンガーに預けた後にマドカがそう言い、それに山田がえ?と呟いた。

 

 

「これまで確認されたOG領域IS。

 Hを除けば霧崎や榊、織斑一夏の3人に加えて準OG領域ISを含めばRもそうだな。

 

 前者3人は乗る為に人を辞めたか、乗ってるうちに人を辞めた連中だ。後者のRは機体性能もそうだが搭乗者自体が通常よりも高水準で世界の中でもひと握りのOG領域ISを操縦できる身体に仕上がってた。

 その中でもHは常人より凄まじい能力値だが、他4人と比べると明らかに体が出来上がってない。あえて言うなら『常人以上超人以下』、恐らく保護機構は働いていたのだが.......それがあの結果なのだろう。」

 

 

 機能はちゃんと正常に働いていた。

 OG領域ISはその機能の壁を平然と乗り越え、圧倒的負荷を掛けた。箒はその負荷を脳から分泌されるアドレナリンと気合と根性、そして保護機能で保っていたのだろう。

 そんなことを考えながら移動し、山田と別れた後医務室に着いた。

 

 

「入るぞ」

 

 

 中に入ると全身包帯だらけの鈴と、医務室に置いてあるTVに映る一夏という光景であった。恐らくISコアを通じてシステムに侵入、仮想アバターとして己の肉体を構成しそれを写しているのだろう。

 

 あれから昨日まで、鈴は生死の狭間をさまよっていた。そして昨日ついに目覚めて今日ようやく面会許可が下りた。

 

 

「鈴、どうだ?」

「どうも何も無いわ。」

 

 

 鈴は欠損した部分に目を向け「このザマよ」と言い放つ。

 

 

『…鈴』

「大丈夫。OG領域ISと戦闘するって決めた時から、真・甲龍に改造した時から、多分こうなるであろうということは考えてたから。」

 

 

 マドカを含め、今作戦に参加した者達の多くが命を懸けて挑んだ。しかし、やはりOG領域ISという次元が違う化け物にはそれ同等の力を持つ者しか相手はできなかった。出来たのはたった悪足掻き程度の攻撃、OG領域ISへの攻撃その殆どを鈴に任せた。さらに第4のOG領域ISとして覚醒した箒に途中から最後まで任せっきりで、最終的に今作戦において出た負傷者はR部隊のオルコット・鈴・箒の3人である。しかも鈴は皆を守るため片腕と片足を欠損、もはや戦える身では無くなってしまった。

 

 

「あーあ。自分の手で決着つけるつもりが、Hに助けられた挙句任せちゃったわ。」

『全て俺の責任だ。』

「いや、アンタの責任じゃないわよ。それに私のせいでも無い。あんなモノを造った連中が悪いのよ。」

『久しぶりの会話だと言うのに、こんな状態で抱き締めることも出来やしない。』

 

 

 私がいるという二人だけの空間を作りおってこのカップルめが。織斑一夏には言いたいことが山ほどあるがこいつはコイツで世界の為、私のオリジナルが残した罪の後始末、それこそ亡国の皆の為に世界中を駆け巡った。中には亡国ですらおいそれと手出し出来ない案件もあった。実際の所、織斑一夏は暴走前までに数多くの世界を巻き込むほどの危機を既に何度も解決しているのだ。それこそ欧州、中東、アジア圏で起こりそうだった数多くの大規模な騒乱はそのほぼ全てが織斑一夏の手で防がれた。既に亡国や世界は織斑一夏に対して頭が上がらないほどの恩がある。

 今回の暴走の一件も女権団残党の連中が例の禁忌弾を作ってるという情報があって、それを早急に何とかしようとしても上層部が慎重になり過ぎて動かなかった結果だ。

 

 

「んっ。命あればOKよ。

 最初の想定じゃ私普通に死ぬつもりだったし、腕や脚が欠損したくらいじゃ何ともないわよ。高いけど再生医療や義手やら義脚があるし、こうやって一夏と話せるのなら全然大丈夫。」

「私から言わせてもらう。

 元より今回の一件、とっくに情報を得てたのに動く許可を出さなかった亡国の本部が悪い。」

『けど、な。それでも俺が油断しなければこうはならなかった。』

「そんな事は関係ない。

 私から言わせてもらうと織斑一夏、貴様は被害者なんだ。今回の一件の大元の責任は我々になる。」 

「Mの言う通りよ。

 しかも一夏があの時やってくれなきゃ、『電入依弾』の完成品が数多く生産され最悪な事態を引き起こしてた。結果的に一夏は乗っ取られ暴走して大惨事を引き起こした。けど完成品による大量被害.......そこからさらに引き起こる事を考えると良くやってくれたと褒める所。」

 

 

 結果的にOG領域IS乗っ取った後に暴走、そしてドイツでの被害と日本での極僅かな被害だけで済んだのは奇跡だ。

 量産された完成品で数多ものISが被害にあえば、それこそ被害がどれほどになるのかは未知数だが確実的に言えるのは酷いことになっていたと言える。

 既に今回の一件について亡国は動いており、事の重大さと織斑一夏が暴走した件が己らに責任があると言う事で色々と動いている。さらに織斑一夏が施設を破壊し、撃たれた一発を除いて弾や制作データを残さず破壊尽くしたことでもう二度と作られることは無い。 

 

 

「H.......任務外だから別に構わんか。

 箒やオルコットについて報告しておく。」

 

 

 組織で配布されている情報端末を起動させ、立体映像を映す。

 

 

「オルコットについてだ。

 コアの破壊こそ免れたが機体損傷レベルC、本人も保護機能や絶対防御を貫通した一撃で腹部と内蔵、それに骨折も合わせて重症。ナノマシンが使えない中、よく生きていたものだ。

 一命を取り留めたが、機体は良くても搭乗者がこれだからな。ナノマシン治療もするようだが半年程休養とリハビリ生活となる。」

 

「次に箒についてだ。

 背中から臀部にかけての裂傷.......とはいえ何故か閉じかけていた。それに加えてほぼ全身に至る程の疲労骨折により重症。

 しかし、異常な程の治癒能力を見せて今日の時点でほぼ完治に近い。」

 

 

 マドカが一夏と鈴に目を向ける。

 どうせ何か知ってるのだろう?そう目で訴える。

 マドカはあの時、箒が血飛沫を上げたのを見た。その状態を見た。故にこの結果が信じられないのだ。

 

 

『箒のOGISについての詳細はまだ知らないんだよな?』

「複数のOGISが融合に近い現象を起こした機体だと理解している。」

「マドカ、あの天椿は文字通り融合したのよ。

 通常ISが持つ搭乗者保護機能、OG領域ISはそれらを超える人体再生機能とも呼べる機能を持ち合わせているのよ。私があの状況でも生きていたのはそういうことよ。

 

 そんなOG領域IS数機分の融合、その機能が傷を負ったのと同時に治す位再生力を得た.......と私は考えている。」

 

 

 マドカは理解した。ようはOG領域ISを動かしていたとき常に肉体は傷付き、そしてそれに反するように常時肉体再生が行われていた。それが不可解な現象を引き起こしていた。

 

 

「それでは降りた後の異様な治癒能力はなんだ?」

「それは普通に箒の治癒能力が変に高いだけよ。

 元からそうだったみたい。

 さらに言えば兎の血縁なんだから不思議じゃなくない?」

 

 

 鈴の元に来てから何度も叩き直し、鍛え上げたので箒はズタボロになる事が多く傷が絶えなかった。しかし、傷の治りがナノマシン未使用だったのだが常人よりも早かった。鈴はそう言った後に『でも』と言う。

 

 

「OG機体を操る者として、何かしらの異常は出てもおかしくないわ。

 ぶっちゃけ私なんか、目覚めてから体が変なのよ。」

 

 

 そういった鈴の言葉にどういう事だと言い返した。

 

 

「.......視力、聴力は特にそうだけど前と比較にならないぐらい良くなってんのよ。あとは体を動かさないと分からないけど、準OG機体とはいえ本気で動かした結果として私はこうなっている。」

 

 

 準OG機体でもこれであるならば、OG機体を動かした箒は?

 そもそもの話、織斑一夏がいるではないか。

 

 

「一夏、お前はOG機体を乗った後の体はどうなった?」

 

 

 霧崎、澪の二人は人を辞めた状態で乗っている。

 故に生身でOG機体を乗ったのは織斑一夏だけだ。

 

 

『体全体の能力値というのか、全てが変わったな。

 俺なんかも最初は滅茶苦茶キツかったんだが、乗りこなして都度体が変化してったな。それに合わせて生身の身体能力も、学園時代の千冬姉をすぐに上回るぐらいに上がったよ。』

 

 

 マドカの予想通り、機体側が搭乗者を弄っている。それによる弊害というか効果により、搭乗者の身体に変化が起きているのだ。強すぎる力に適応出来るようにと、コアが適応出来るように身体を進化させていたのだ。

 とりあえずその後すぐ箒の身体検査を行った。案の定いくら鍛えたとはいえ人が持つ、身体能力限界値を軽く凌駕していた。しかし害はないと判断され、機体側が乗りこなせる様にしてるだけだと束の助力もあってコア人格から聞き出した。

 

 これによりOG領域ISによる、搭乗者最適化機能が搭載されていると確定。これによりマドカは膨大な量の提出物が出る事となり、しばらくの間デスクワークに追われることとなる。

 

 

 

 

 

 

 あれから1年。

 箒と鈴はOGIS稼働による身体変化検査からなる、慣れへの特殊訓練に明け暮れる日々を送った。

 その間に束さんがいつ採取したか分からない俺の細胞を培養し、現在持てる全ての技術で細胞単位で改造を施した『アルティメット織斑一夏(束命名)』という肉体を獲た。

 鈴の欠損箇所は1ヶ月ほど特性ナノマシン超高速再生治療により無事に戻り、俺たち3人は身体を慣らす為に全力で世界各地を駆け巡った。オルコットについては一足早く現場復帰しており、部隊移動となり現在は山田部隊で活動となる。その為、新生R(鈴)チームはOGISチームとして亡国でも抜きん出た戦力もなったのである。

 箒のOG領域IS『天椿』は、俺や鈴の力は返上されたが今も澪の力は残っている。

 

 

「はあ」

「どうした?」

 

 

 亡国日本支部。

 現在俺こと織斑一夏は事務仕事による書類処理に追われている。今俺の隣にはマドカが同じく書類処理に追われている。鈴と箒はとある平和公園の工事に駆り出されている。

 

 

「色々終わったと、そう考えていた時期があった。」

「例の『M計画』か?」

 

 

 半年前、束さんを始めとした世界各国の技術者一同による共同計画が発表された。というかもう既にその時には動いていた。

 M計画とは月面都市を作り上げ、人類の宇宙への進出拠点都市とする大規模計画である。IS技術によって宇宙活動で問題視されていた大体の問題があれから更に発展したIS技術により解決し、さらに束でさえ考えつかなかった様々な次世代技術が生み出された結果この計画が実行可能となった。

 

 

「早いな、時が進むってのは。」

「そうだよね〜。もうあっという間さ!」

「兎、資料は?」

「ほいほい」

 

 

 この時、IS学園時代から始まりもう10年程近い年月が経とうとしている。戦争と差別、さらに混沌とした激動の時代を生き抜いた人類は宇宙という新たなフロンティアに挑もうとしているのだ。

 束さんからすれば予想以上の変化だ。束さん自身もだが、下手すれば宇宙への進出なんて夢のまた夢になりそうだったのだ。ISを開発してからもう既に20年余りになりそうになって、やっと始まったのだ。

 

 

「いっくん。」

「なんですか束さん?」

「君は黒の彼方を信じるかい?」

 

 

 黒の彼方。

 それは澪により生まれた宇宙の大穴。あの日、穴から届いた力が箒の力となった。なんにも分からない不明の穴、その中に意志を持った者がいる。

 あの決戦での姿を見たから、そこに居るのが澪であると確定出来ない。もしくはあの澪であったナニカがそこにいるのかもしれない。

 

 

「ほーきちゃんが譲り受けた力、それは確かにあの穴から届けられた。」

 

 

 この世界は澪に返しきれない恩がある。

 ほんの小さな、澪というきっかけがあったからこその今がある。束さんは呟いた。だからこそ確かめねばならない……そういったのだ。

 

 

 

「『M計画』が動き始めた。

 それと同時にもう一つやらなければ、私がやらなきゃならないことがある。」

 

 

 

 束さんは言う。

 穴の彼方に居る澪に、感謝の言葉を。返しきれない感謝の気持ちを届かせねばならない。世界を変えるきっかけを作った、誰よりも世界に抗った一人の英雄にその言葉を届けると。出来るのなら、再びこの地へ戻らせたいと。

 

 

「誰よりも戦い抜いて、抗って、理不尽から逃げず歩み進めた。

 それに、れー君はこんな私でさえも許してくれた。」

 

 

 束さんは言う。

 穴が縮小し始めている。

 

 

「っ、それは…」

「うん。多分、この次元とあちら側の次元境界修正が始まりつつあるんだと思う。

 タイムリミットまであと数年もない。」

 

 

 

 だからこそそれまでにM計画を終えさせる。

 同時に『ありがとう計画』を、穴へ突入する作戦を打ち立て、リミット前にそれを実行する。

 

 束さんの言葉に驚いた。

 そんな大事な話をしてくれなかったことに。

 

 

「私はもう戻らないと思う。

 第一あの穴が今の所一方通行だけで、何かが出てきた形跡が無い。穴から出られる保証も、中にいるナニカがれーくんである可能性も低いし襲われて殺されるかもしれない。

 

 故に私はもうここへ戻れない。」

 

 

 束さんはそれにね、と続けて言う。いくら何でも己自身、生き続ける限り無意識に混乱をまく種になる。家族との問題もケリが着いた。思い残す事は何も無い。

 そう言われてそうであると確証がないわけではない。でもそれは……俺が言おうとすると束さんは俺の口を手で押えた。

 

 

「これは、コレだけは私がやらなくちゃならないんだよ。」

 

 

 束さんの覚悟を前に何を言えばいい?

 そんなの決まっているだろう。

 

「何を手伝えばいいんですか?」

 

 

 

 

 それから月日が流れM計画が完遂されたその日、光速航行艦『兎は月を見る』にてIS開発の祖、『天災』篠ノ之束はとある人物と話していた。

 

 

『いくのかい?』

 

 

 相手はもう今は引退した元ゴースト艦長であるアルベルトだ。現在ゴーストを降りた後、月面都市デブリ対処区画にて指揮を執っている。

 だが心臓部にISコアを埋め込まれる改造手術を施されてしまった為なのか、今も昔と同じ姿だ。

 

 

「うん。」

『そうか。

 迷い人だった君を引き取ってから長い月日が経ったものだな。』

「艦長とあってから変わったよ。

 …もっと話したいことがあったけど、時間が無いからもう行くね。」

『うむ。では、君の旅路に祝福がある事を祈るよ。

 元気でな、束くん。』

 

 

 

 通信は切れ、各種データ通知の音だけがなる。

 束は目を閉じて上を向く。

 

 

 

「いくよ、れーくん。」

 

 

 星が翔けた。




次回予告

人は生きる
命舞う鉄の戦場だろうと。

ただ生きる為に
人が息を吸って生きる様に
私は戦場で人を殺し生きてきた。


それはかつてレイヴンと呼ばれた女。

戦場を駆ける
黒いIS『ストレイド』
私は全てを焼き尽くす黒き鳥となる。



その日、理不尽に出会い
私の運命はここに定まった。

これは黒き女の物語。


次回=嗤う女は満ち足りる=

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