一般人15歳で〝ちょっと〟変わった彼のIS生活(完結) 作:A.K
一人の少年は何事も無く、姉と共に生きてきた
一人の少年は全てに憎まれ奪われた
全てに愛された少年は真の恐怖を知らない
全てに憎まれ奪われた少年は真の恐怖を知る
互いが争うとどうなるか?
答えは決まっている
全てに憎まれ奪われた少年は
全てに復讐せんと、全てを破壊する
────Anti
────Infinite
────Stratos
────System
────A.I.S.S起動
『……ふん』
アリーナ内は漢字二文字で表すなら『地獄』。現在第一アリーナのシールドバリアー展開域の地面は、名前無き破壊者が放った攻撃によって戦場と化していた。
アリーナの地面は名前無き破壊者を中心にして、巨大なクレーターを形成。今もその余波でプラズマ光がバチバチと、今も漂う煙を伝って発生している。対戦相手であったセシリア・オルコットは教師部隊が急いで医務室に運んで、今はもうこの場にはいない。
先程まで澪に侮辱していた女子生徒達は、このあまりの光景に恐怖していた。女子生徒達は澪こと名前無き破壊者の頭部バイザーの真紅の光を見て、まるで次はお前だと言われるような幻聴を聞く。それによって次々にアリーナの観客席から生徒達が消えていく。
今は次の対戦相手である織斑一夏の準備が終わるまで、こうしてアリーナの中央でその戦う時間が来るのを待っていた。
『(ノーネーム。一次移行後の機体データを見せろ)』
澪がそう言うと【機体データの開放】と言うウィンドウが出る。それと同時に様々な機体データが表示されて、澪はそのデータに目を通す。
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機体名 :名前無き破壊者《N》
世代 :無世代多進化型
機体番号:ISーA《N》
制作企業:(株)AE社IS開発部署
搭乗者 :榊澪
SE量 :(戦闘用)25000
:(競技用)980
状態 :競技用設定
システム:A.I.S.S.(無起動中)
:真紅の光壁(無起動中)
特殊能力:■■■■■(パスコードロック中)
武装 :中型近接ブレード『復讐者の剣』
:一極点集中砲『悪魔の指』
新武装 :胸部展開荷電粒子圧縮砲『名前無き破壊者』
:自動操縦型無線突撃兵装『反逆する血の牙達』
:超圧縮荷電粒子砲兼光刀剣『真紅の世界』
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ふむ。なんか名前無き破壊者のデータには、結構やばいデータが載ってるな。なんだよSE量が900台って、現存のISなんかよりもよっぽどあるぞ。それと、特殊能力だ。なんだ特殊能力って?
────主。特殊能力と表示されていますが、正確には単一仕様能力の事です
確か単一仕様能力と言うのは、二次移行したISに見られる特殊能力だった筈だ。単一仕様能力自体二次移行しても発現しないこともあると聞いた。それなら何故一次移行しかしていないこのノーネームにはあるんだ?
────主。それは私自体もよく分かっていませんので……お答え出来ません
それよりも、来ました。
『ん?』
なんかAピットIS射出口から、白いISが発射されて俺の前まで来た。あっ、あの顔は……思い出した
「澪!」
『お前か……織斑』
そう言えば今回はセシリア・オルコットと織斑の二人と戦うんだったな。セシリア・オルコットのことが印象に残り過ぎて、織斑の事忘れてたな
「お前……なんであそこまでやった!」
『なんで?逆に言うが、お前はアイツにああ言われてイラつかないことは無いとでも?』
「……っ!それでも、普通男が女子に手を上げるなんてダメだろう!?」
はあ……。どうやらお前は俺みたいな目に遭ってないから、そんなことが言えるんだな。まあ、それ故の無知という奴でもあるな。それでも……
『今の時代に、それは邪魔だ』
「なんだと!?」
『なら言うが、女尊男卑の世界になってから10年間で何もしてない罪無き男達がどれ程居るのか。今年だけでも何人捕まって、人生の終を迎えたのかわかるか?』
これで分からないというのなら、お前色々とやばいからな。これは男として社会的に知ってなければいけない事だからな。
「……分からない」
『10年間で、世界で5000万人以上の男達が何もしてないのに女尊男卑の女性主義者に捕まった。日本でも今年に入ってから4ヶ月経つが、それでも1万人以上の男達が捕まった。しかも、何もしてない無実の人達がな。そんな状態である今の世界で、まだそんな巫山戯た事を言うのか?』
今日の世界的な問題であるのが、『女性主義者達による男性の強制逮捕』だ。女性主義者達の身勝手な要求に従わない男達が、この女性主義者達によって何故か勝手に警察に突き出され逮捕。しかも、今の時代では日本の警察の三割が女性主義者の婦警の為、理由を言ってもそいつらに逮捕される。
そんな愚行を繰り返している女性主義者達が、そんな身勝手な行動で逮捕された男達に復讐という形で殺されるなんて今の世界では当たり前になりつつある。まあ、それ自体もういろいろアウトたがな。
「それでも駄目なんだ!」
『……もういい。結局お前は幼稚な考え持つ奴だとわかった』
澪がそこまで言うと、試合開始カウントダウンの合図が鳴る。
『(ノーネーム。今回は真紅の光壁を使わない。その使わない分のエネルギーを機体全体のエネルギーとして回しておけ)』
────了解
その直後、澪の視界に機体のエネルギーバイパスを示すウィンドウが現れる。そのウィンドウの端に『真紅の光壁』と書かれる場所に繋がっているエネルギーバイパスが消滅。その分のエネルギーが機体の各場所に流される。
『試合開始!』
「行くぜ!」
む?もう始まったのか。つーか、真っ直ぐ進んで来るなんて馬鹿か?あの世界最強も近接特化のIS使ってたがフェイントやら何やら入れて来たが、それすらも無いのか
『悪魔の指』
「ぐあっ!?」
……おい。そこは避けろよ。つか、お前前の試合見てたんだろうが。この悪魔の指は一極点式という事であり、五本ある指中、人差し指しか発射出来ない。しかも案外威力は低い部類だ
「こんなんで止まるかよおぉぉぉ!」
ん?今気付いたが、織斑が持っているあの近接ブレードってもしかして暮桜の!?ノーネーム、あの近接ブレードにスキャンを掛けろ!
────スキャン完了。主、あれは『雪片弐型』です
雪片弐型?なら雪片の後継機か。なら……もしかしたらアレも受け継げられているのか……?いや、確か『単一仕様能力』は同じ物は存在しないオンリーワンの能力のはず
────単一仕様能力が同じ機体というのは有り得ません。
やはりそうだよな。それでも、もしかしてを想定して警戒するか。まあ……今は
『なら俺が止めてやろう』
澪はそう言って復讐者の剣を、復讐する血の牙達を展開。その後、背中の非固定浮遊部位の大型スラスターを起動させて突撃する。
『切り刻め、そして刮目せよ』
名前無き破壊者より先に、復讐する血の牙達が先行する。牙は白式に噛み付くように突撃、前の試合で脳波無線操縦兵器には慣れていると思っていた織斑一夏だったが、その時とは全く異なる近接特化の脳波無線操縦兵器に戸惑いを見せる。それ故に隙が生まれて、それ故に復讐する血の牙達の攻撃を受けてしまう。
『これから始まるのは』
復讐者の剣を槍みたく構え、突撃する名前無き破壊者。その剣の先には血の牙達によって動く事が出来ない織斑一夏こと白式。織斑一夏も澪に気付いて避けようとするが、血の牙達の猛攻に動けない
『一方的な蹂躙だ』
「ごはっ!?」
そう言った直後、復讐者の剣先が織斑一夏こと白式の胴に直撃。それによって上空からアリーナの地面にへと叩きつけられる織斑一夏。それに対して無機質な赤いバイザー越しで見下す破壊者。
まだ、試合は始まったばかりだ
次回予告
それは破壊
それは絶望
彼が体験したのはその二つ
彼は今の世界に理不尽を行うものに
破壊と絶望を与えんと誓う
ISとは己の主のパートナーである
破壊者を名乗るISは主の願いを叶える
その願いの為、隠された能力を解き放つ
次回=破壊者【後編】=