フェイル   作:フクブチョー

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第二十八罪 身の程知らず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「く………うぁ…」

 

苦悶の声が黒髪の少女から漏れる。それもそのはず。彼女は今、呼吸が困難な状況に追いやられていた。

 

「戦の才は認めるが……まだまだ若ぇのぉ、身の程知らずめ」

「うぁ……あ……」

 

赤眼の少女、アカメは今、死の淵に立たされていた。喉笛を掴まれ、握りつぶさんばかりの凄まじい握力で絞められている。

才ある少女に死を与えんとしているのは見た目は初老の男。長い顎髭に黒髪、褐色の肌をした戦士。名はウェネグ。墓守の長を名乗っており、墓守の特徴とおおよそ一致する容姿を持つ。が、他の墓守と違う点が幾つか存在した。

 

一つは強さ。基礎戦闘力が他の墓守とは段違い。戦闘経験も自分を遥かに凌ぐ。戦いの駆け引きで勝てる相手ではなかった。

 

そしてもう一つが秘術。いま、初老の男の外見はその辺りの動植物とは明らかに違った。角が生え、牙が見え、爪が異常に伸びている。

彼の変身対象はヌビスという超級危険種。プトラの地では神獣と呼ばれ、崇められている伝説の危険種。その破壊力、回復力共に野生の動物などを遥かに上回る。

 

自分を遥かに上回る圧倒的なスペックに老獪な戦術。今のアカメがタイマンで勝てる相手ではなかった。

 

「嫁にしたい程の強さじゃったが……あいにく我は一筋なのでな」

 

死ね、と言葉には出さない代わりに一層の力が腕にこもる。もうアカメにも意識は無くなりかけていた。

 

ーーー私は……まだ……しね、な…クロ……メ

 

足掻く。が、体に力が入らない。冷たい闇が背中に迫る。視界が赤く染まった。

 

ああ、そういえばあの人は今、どうしているのだろう?生きているだろうか?

 

視界が赤く染まったからか、最期の数瞬で紅い髪の同行者の存在が脳裏に蘇る。彼の名前は……

 

「フェイ……る」

 

それは音とも呼べないような掠れた振動。想いがこもっているかどうかなど聞いただけではまずわからない。

しかし、その音に何の感情もこもっていなかったかと言われれば嘘になる。一度目は修験者の森で、二度目はこの墓場で、自分を護ってくれたその人物はアカメにとって最後のヨスガであり、希望だった。

 

首の圧迫が無くなる。宙に浮いていた体は重力に従って落下する。しかし固い地面の衝撃は全くない。その五体を力強く、暖かい手がしっかりと支えた。

 

「待たせたな」

 

彼女の紅い希望が、笑みを浮かべて立っていた。

 

ーーーー……うん、待ってた……かも

 

その声は喜びと恥ずかしさで言葉にならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一歩進むごとに罠が発動し、次から次へと襲いかかる。そのことごとくを避けるか壊すか斬るか殴るかしながら突き進む二人の人影があった。

一人は黒のローブをはためかせ、紅い髪を靡かせる男。眉目は秀麗、体躯は長身痩躯。街を歩けば大抵の女は顔だけで引っ掛けられそうな美青年だ。

もう一人は少女だ。艶やかな黒髪を腰まで伸ばし、細身の片刃の剣を手に持っている。こちらもまたかなり顔立ちは整っている。十人いれば九人が美少女と言うだろう。一人は野生的過ぎてそういう対象に見れないかもしれない。

二人にはもう一つ共通点がある。両方とも紅い瞳を宿しているという事だ。尤も、厳密には同じ色ではない。男は紅玉のような鮮やかな紅の瞳を持ち、少女は鮮血のような緋色に近い紅の瞳を宿していた。

 

男の名はヴァリウス。かつて炎狼と呼ばれた軍人にして今は事情によりフェイルと名乗る自称軍人。トレードマークとも呼べる愛剣は現在弟子に預けている。しかし素手でも尋常でない戦闘力を持つ戦士だ。

少女はアカメ。戦士としても女としても伸び盛り真っ盛りの輝きを放っている。

偶然にも目的地を同じくした二人は行動を共にしていた。というより勝手にくっついてきたという感じだが。

 

アカメが落ちた奈落から気合いと根性で這い上がったヴァリウスは墓の中への進入に成功していた。しかし掴むところも少なく、かつ二人分の体重を支えながらの崖登りの強行軍は相当の時間を必要とした。

 

ーーーーしかし思ったより鈍ってるな。イメージと身体の動きに少し差がある。

 

だからこの罠の大群は良いサビ落としになる。罠を突破しつつ、ヴァリウスはカンを取り戻していく。

 

「ははっ、アスレチックのようだな。エディが好きそうな仕掛けだ」

「罠があるとっ……聞いてはっ…いたがっ」

「大歓迎されてるみたいじゃねえか。先行したお前らのお仲間のお陰だろうな。雑用係、マッピングサボるんじゃねえぞ」

「わかってる!」

 

唐突にヴァリウスが壁を殴る。何事かと一瞬動揺したが、脊椎が破壊された墓守が地面に落ちた。

壁に擬態していた敵がいたのだ。それをヴァリウスは見抜いていた。

 

「よくわかったな」

「フェクマで一ヶ月も狩りしていりゃ、嫌でも気づくようになる。おら雑用、口より手と足動かせ。置いてくぞ」

 

凄まじい速度でかけていた二人が急停止する。墓全体を揺らすような地鳴りが響いてきた。

 

「この地鳴りは……」

「こういうのが聞こえる時は大抵……うわ、やっぱりアレだ」

 

巨大な鉄球が目の前から転がり込んでくる。このままでは確実にプレスされるだろう。

 

「どうするアレ、私が斬ろうか?」

「やめとけ、ああいうのは壊すと大抵なんか仕掛けがある。ガス系だったら即詰みだ」

 

すぐ横の壁面を蹴り壊す。大の大人が通れる大きさではなかったが小柄な少女一人くらいなら収まりそうな穴ができる。

 

「えっ、きゃっ!?」

 

首根っこを引っ掴むとその穴に彼女を投げ込む。

 

「てめえはそこで大人しくしてろよっと」

「フェイル!!」

 

状況を確認した時には、目の前を鉄球が通過する。しばらく地響きが鳴り続いた。音が遠のいていき、安全な事を確認すると穴から出る。

 

ーーーー不器用なのは知ってたけど……どうせ助けるならもっと優しく助けてほしかった

 

そうしたら今の何倍も彼にときめく事が……

 

ーーーーときめく?

 

心の中に浮かんだ感情の名前に疑問符が浮かぶ。彼からもらった本のおかげでその感情の意味はよく知っている。けど不思議だった。本の中のヒロインが持つような感情を自分が持った事が信じられなかった。

 

ーーーーこの感情は……いったい何なんだろう。

 

「ねえ、フェイ……ル?」

 

なんでも知っていて、なんだって教えてくれた青年を求めて、墓の廊下に出る。しかし期待した、生涯で初めて綺麗と思った青年の姿はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーあーあ…はぐれちまった。そして迷った。クソ、マッピング俺もやっときゃ良かった。

 

広大な墓の中を一人で彷徨いながら頭を掻く。壁の上隅に跳躍し、張り付くことで鉄球を躱したまではよかったのだが、隠し扉が仕掛けられており、あっという間に違う空間へと放り出されてしまった。

 

ーーーー参ったな、ここまで早くバラけちまうとは…

 

可能性のうちに入っていなかったかと言われれば入っていたと答えざるをえないが、こんなに早く逸れる事になるとは思わなかった。地下なので外の時間が正確には分からないが、弟子達と別れてから周辺調査の時間も込みで、恐らく2日は経っている。

 

ーーーーチェルシー達を連れてこなくてよかったぜ。もし此処で戦わせていたら確実に守りきれず死人が出てたな。

 

じっとしてるわけにもいかない。そろそろ帰ると約束した頃合いだ。まあ戻らなければ撤退しろと命じているからそこまで心配してはいないが、出来れば時間通りに無事な姿を見せてやりたい。壁から伝わる足音や気配を頼りに走った。

 

ーーーー複数の人の気配。近づいてくる。

 

止まる。相手がこちらに気づいていて仕掛けてくるなら、備えておかなければならない。それに気配は二方向から近づいてきていた。

 

ーーーー来る!

 

凄まじい速度で跳んで来たのは長い茶髪を後ろに束ねた快活な少女。肌は白く、恐らくはアカメの仲間と思われる。

 

ーーーーうわ、追いつかれたか、とっとと用件をすませねえと面倒な事…………にっ!?

 

両手で少女のヒザ蹴りを受け止める。向かってくる彼女からは殺気が放たれていた。

 

「お、おい!なんの真似だ!?」

「問答無用だ!平和を乱す墓守め!!」

「待て待て、オレァ墓守なんかじゃねえって!見ろ!肌の色白いだろうが!」

「聞く耳持たないわね!」

 

凄まじいケリのラッシュがヴァリウスに殺到する。クリーンヒットはさせず、全て払い落としてはいるが、防ぐ腕が痺れる。小さな体軀からは考えられない程の威力だった。

 

「お父さんに敵か味方かわからない相手は取り敢えず殺せって言われてるのよ!」

「あちゃあ…完全に洗脳されちゃってる系か。頭の弱いタイプの典型だ。こりゃ現実見せると精神崩壊する可能性があるな」

 

恐らくこの子の世界はかなり狭い。唯一の彼女の心の拠り所となっているのは恐らくゴズキ。コルネリアと違い、これはもう救いようがない。使い潰されるまで暗殺道具として生きる道しか彼女には残されていないだろう。

 

考え事をしながら交戦するヴァリウスに対し、茶髪を後ろに束ねた少女、ポニィは戦慄していた。

相手は変身していない。つまりまだ秘術は使っていないにも関わらず、腕だけでヨクトボトムズで強化されたポニィの蹴りを難なく捌いているのだ。しかも最初の一撃以外は一歩も動いていない、そんな事が出来る相手をポニィは初めて見た。

 

攻防の最中に僅かに隙が出来る。そこを目掛けてポニィは蹴りを放つ。

 

ーーーーはい食いついた。

 

難なくポニィの足を取る。先ほど見せた隙は誘導させるためにわざと作ったモノ。脳筋タイプはこの手のフェイントに必ずと言っていいほど引っかかる。

足首を掴み、壁面に思いっきりぶん投げた。

 

「おおっとぉ!?」

 

ーーーーおお、猫みてえだな。

 

投げられている最中、空中で一回転し、壁面を足場に着地した。見事な動きと反応だ。頭はアレだし青さもかなりあるが身体能力で言えばうちの弟子を上回るかもしれない。

 

ーーーー頭悪そうなのが玉に瑕か。典型的な鉄砲玉タイプだな。ブレインが側にいる場合、中々厄介だが単体ならそこまで脅威ではない。

 

「へえ、ちょっとはやるじゃない」

「まあね」

 

構えを取る。この子には幾ら言葉を重ねても敵判定を脱する事は出来ないだろう。こうなったら動けない程度に打ち倒す。

 

「けど素手でアタシに勝とうとか……身の程知らずめ!」

 

再び跳躍し、蹴りを放つ。しかし今度は真正面から受け止め、足首をとった。

 

「はは、身の程知らずか。人に言う事は結構あったが言われたのはずいぶん久しぶりだ」

 

足首を掴んだまま、高く掲げる。空いている足で抵抗するように蹴りを放ってきたが、ヴァリウスの危険種の牙をも砕く凄まじい握力で握り込む事により、相手の動きをコントロールした。ミシリと嫌な音がなる。

 

「ンギッ!?」

「アドバイスだ。実戦において無駄に跳躍するな。空中じゃどうしても動きが制限される上に攻撃も読みやすい。勢いが出るから強い一撃が出せるつもりでいるんだろうが、軸足が地についてない技の威力なんてこんなもんだ」

「い゛だだだだだ!?」

「…………さて、俺としては殺す気は無いんだけど……また暴れられても面倒だ」

 

片手上段に振りかぶる。まるで刀で誰かを唐竹割りに斬るような構え。

 

「手加減は一応するが……頭は守れ。死ぬなよ?身の程知らず」

 

振り下ろす。石畳に思いっきり叩きつけた。

 

「へぇ」

 

振り下ろしたポニィを見て初めて感嘆の声を漏らす。

 

「意識があるか。やるじゃないか」

「あ……あ……ああ」

 

せり上がった横隔膜が言葉を発する事を許さない。肺の活動も一時的に停止している。何とか気絶だけはしていなかったが、もうろくに身体を動かす事は出来なかった。

 

「運が良ければお仲間が助けてくれんだろ。墓守に見つかった時はまあご愁傷様。身の程を弁えなかったお前が………ってうわぁ」

 

気配を感じた方向に視線を向けてみると今度は褐色の肌にドクロを腰につけた小柄なおかっぱ頭の少女が現れた。彼女の名はカショックと言った。

 

ーーーー間違いなく墓守。腰につけてるドクロの数は四つ。見た感じから言っても今までのよりは強そうだな…

 

「侵入者共……仲間割れか?」

 

仰向けに倒れるポニィを見て墓守は現状を判断する。そう思われても仕方ないなとヴァリウスは苦笑した。

 

「え………あなた……墓……もりじゃ……」

「だーから言ったじゃん。違うって。てめえはもう少し視野を広げる努力をしな」

 

ぐるりと一度、肩を回す。さて、連戦になるがどうという事はない。ようやく身体があったまってきた所だ。

 

「ふん、まさか素手で私に挑もうとはな。身の程知らずめ」

「まったくどいつもこいつも。井の中の蛙は時々なら面白いがこう立て続けで来られては少々飽きるな」

「ほざけ!!」

 

うねる様な動きでこちらに迫る。その滑らかさはまるで蛇の様だ。

 

「ほう、柔拳の使い手か。多種様々揃えてらっしゃることで」

 

捉えどころのない拳に少し驚く。まさに複雑怪奇。こちらの腕を絡め取る様にスルリとうねった。

 

「捕らえた」

「どうかな?」

 

スウと息を吸う。ヴァリウスは瞬間的に筋肉を緩めると、裂帛の気合いを込めて全身をパンプアップさせた。

 

ーーーー正しい拳と書いて……

 

「正拳!!」

「何!?」

 

拘束が解ける。吹っ飛ばされたカショックは慌てて態勢を整えた。

 

「まさかあの状態になった蛇から脱出できるものがいるとはな」

「結構いると思うぜ?特に東方の拳法家にはな」

 

いまヴァリウスがやったのは三戦の応用。敵がどこからどういう力をかけてこようがただ鋼のごとく身体をしめることで攻撃を弾き飛ばす。簡単に言えば全身を握った拳に変える様な技。関節技などが入る余地はない。

 

「どうした?大道芸はもうおしまいか?」

「チッ、調子に乗るな。どちらが大道芸か教えてやる!」

 

再びラッシュが始まる。しかし今度はそう簡単に関節を取らせてくれない。

 

ーーーーもう見切ったのか!?

 

「野生に頼りすぎだ。本能で攻撃してくるもんだから古強者の俺様はカンで攻撃が読める」

 

ーーーーちっ、立ち技ではダメか。寝技に引きずり込んで。

 

「リーチで負ける相手に姿勢を低くしちゃダメだろう」

 

顎を爪先で蹴り上げる。無防備になった喉元に足先を固めて突き入れた。

 

「ガハッ!?」

 

吐瀉物を撒き散らし、膝を折り、頭を下げる。その姿はまるで許しを乞うているかの様だ。

 

「大道芸はどちらかわかったか?身の程知らず。受講料は貴様の命だ」

 

踵落としで脳天を砕く。いかな秘術といえど頭を潰されては死ぬしかない。

 

「ふぅ……まあまあ強かったな。良い馴らしにはなった」

 

首を鳴らす。ようやく身体がイメージに合い始めた。

 

「じゃあなポニテ。常人なら丸一日は動けねえだろうがお前なら一刻もあれば動ける様にくらいはなるだろう。運が良ければ死にはしないと思う。じゃあな」

 

ヒラっと手を振ると墓の奥へと姿を消した。

 

ーーーーあんな強い人も……いるんだ…

 

籠の中に取り込まれた少女、ポニィは世界の広さを垣間見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポニィと別れた後、ヴァリウスは罠が発動するのも、自分の侵入を敵に報せるのも御構い無しに縦横無尽に走り回っていた。

 

ーーーーああクソ、アカメのヤツ、マジでどこにいるのかわからねえ。

 

あいつのお仲間の部隊が来たってことはそれなりに時間が経ってしまったということ。このままでは3日で帰るという弟子達との約束を完全に破ってしまう。まあ自分が戻らなければ帰れと指示を出してはいるため、そこまで心配はしてないが、心配されているだろう。それなのに自分はまだ帰還のめどすら立っていない。

 

「うぉおおおおい!アカメぇえええええ!!どこだぁああああ!」

 

出来れば使いたくなかった最終手段を使う。侵入どころか、自分の居場所すら敵に教えてしまう愚行中の愚行。だが自力で発見できない以上、アカメ自身に居所の情報をもらうしかない。そのために一番手っ取り早い情報は音だった。

 

「返事しろぉおおおおおお!!!早く出てこねえとテメエんちに頼んでもいない出前が山ほど届くゾォおおおおお!!ピザとか届いちゃうぞぉおおおおおお!!!いーのか俺金払わねえからなぁあああ!!!」

 

呼びかけというよりもはや恐喝。俺ならかくれんぼしていても居所を白状するだろう。屋内な事もあり、この声はかなり響いた。周辺にいるのならまず聞こえたはずだ。にも関わらず、返事はない。

 

ーーーー考えられるパターンは、三つ。

 

一、ただの屍のようだ

二、単純に聞こえていない

三、聞こえていても声が出せない状況

 

ーーーーくそ、せめて3であってくれ!

 

「アンタ、僕らの住んでる場所、知ってるのかよ」

 

か細い声だったが聞こえた。明らかにさっきの叫び声に対するレスポンス。音源を振り返り、その場所に向けて跳躍する。すると角を曲がった所に入り口で会ったメガネ君が倒れていた。

 

「メガネ君!」

「グリーンだ……」

 

駆け寄り、ザッと体の状態を見る。そこそこ傷つけられてはいるが、命に関わるほどではない。先ほど自分が痛めつけた少女と同程度か、それ以下だろう。

 

「おいメガネ君、アカメの居場所、知らねえか?罠で逸れちまってな。探してるんだ、どこにいる?」

「それは………」

 

グリーンはアカメの居場所を知っている。つい先ほど、アカメに窮地を救ってもらっていた。長を名乗る老人と出会ってしまい、交戦となったのだが、自分の実力で敵う相手ではなく、早々に追い詰められてしまった。その時、割って入ったのがアカメ。そのまま戦闘となり、高速移動しながら戦い始めた二人はもうこの場にはいない。でもそう離れてはいないだろう。

 

しかしその事をこの男に教える事にグリーンは躊躇した。アカメに見た事もない顔をさせたこの男。カッコいい戦士。綺麗な人。そんな彼が気に入らなかったから。

 

「グリーン」

 

紅玉の瞳が彼を捉える。そのまっすぐな光に後ろめたさのある彼は目を背けた。

 

「あの子が大切なら、教えろ」

 

…………悔しい。

 

この男のように、助けると断言できる強さを持っていない事も、今アカメのために出来る事がその居場所の検討を教えるしかないという事も。

 

黙ってアカメ達が消えた方向を指差す。それがグリーンにできた精一杯だった。

 

「ありがとう」

 

一言置いた瞬間、その姿は見えなくなった。

 

ーーーーああ、くそ……

 

 

カッコいいなぁ

 

 

それだけを最後に思い、グリーンの意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




*ポニィを振り下ろす。石畳に思いっきり叩きつけた。
きっと、青竹を一振りでバラバラにする。ポニィちゃん、敗れたり!(宮本武蔵並感)


*返事しろぉおおおおおお!!!早く出てこねえとテメエんちに頼んでもいない出前が山ほど届くゾォおおおおお!!ピザとか届いちゃうぞぉおおおおおお!!!いーのか俺金払わねえからなぁあああ!!
嫌がらせどころかもはやテロ




後書きです。墓守編あと2話で終わる予定。アカメが驚くほど乙女やってるなぁ、コレでええんかなぁと思いながら書いています。次はファン達弟子組も登場します。多分。それでは励みになりますので感想、評価よろしくお願いします。面白かったの一言でも頂ければ幸いです。
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