「………っん?」
瞳を開き見えるのは豆電球が明かりを灯す薄汚れた部屋の天井であった。
ベッドからゆっくりと上半身を起こす。
「ここは……っ!?」
自分の体に手を当てると腹部を中心に包帯が巻かれ自分の身に何が起こったことが一瞬にして蘇った。
ドアノブが回る音がし誰が現れるのか警戒する。
「あっ!!あなた起きたのね!」
日本人らしき女性が入ってきて顔立ちからして自分とそんな歳が変わらないように見える。
「え……っと、シャーリーだっけ?ちょっと待ってて。おやじさぁん!!」
急ぎ部屋を出る千鶴の姿をシャーリーは唖然と見ている。
-中華連邦 ギアス嚮団 本拠地-
「V.V.………。」
項垂れて腰を落としたV.V.を見つけC.C.はゆっくりと近づく。
「会うのは何年ぶりだったかな、V.V.。私は結局、私の定めから逃げられなかったよ。」
「………ふっふふ。」
途切れそうなV.V.の嗄れた笑い声、彼の体から血が滴り落ちV.V.は怪訝に思い彼の体に触れる。
「お前!コードを……。」
「ふっふふ……。」
「V.V.………?」
吐血しながらもV.V.は笑いを止めない。
「……C.C.、無意味……だっ………僕らは生贄だった………。」
「V.V.!?」
彼の顔を伺うがV.V.はこの言葉を最期に一言も発することは無かった。
「生贄?どういう意味なんだ。シャルル、お前は兄に……」
眩い光が消えアキラは瞳を開いているつもりだが自分の視界は漆黒の闇に包まれていた。
あの扉からシャルルが現れ扉から発せられた光によってどこかへ連れて行かれたのか。
だが今、自分がまるで宙に浮いているように感じ今立っているのか横になってるのかわからずアキラは焦りをみせる。
だが突如漆黒の闇から青空のもと広い高原がアキラの前に広がる。
今自分が地に足がついていることに気づき足がふらついてしまった。
ここどこだ。目の前の光景が実物ように見えない。
高原の離れたところから爆発の硝煙見えアキラは敵が現れたのか。ショットガンを構えるがそこに現れたものにアキラは驚愕の表情をする。
3機の濃緑のグラスゴー、そしてグラスゴーの右肩が赤く染められている。
「……陽炎?」
ランドスピナーでこちらへ向かっていきライフルを撃ってきてアキラは身を縮ませながら走り身を隠せる場所へとまわる。
今、自分の身に何が起こっているのかわからないがこの目の前の敵をどうにかしなければこちらがやられる。アキラはショットガンの銃口をKMFに向けるのであった。
その頃、ルルーシュは父であるブリタニア皇帝のシャルルと対峙していたが
「生きている!?……そんな、確かに心臓を…」
ルルーシュはギアスでシャルルを死なせ長年の目的を達成したと思われたが死んだはずのシャルルは平然とした様子で立ち上がった。
「わからんのか、ルルーシュ。もはや、わしには剣でも銃でも何をもってしても、無駄だ。」
シャルルが自身の掌についている紋章をルルーシュに見せ付ける。
「あと少し、全てが揃えばこの世界を…そして流崎アキラ、異端者を排除できる。」
「アキラを?異端者?一体どういう……っ!?」
「こうして会うのは久しぶりだなシャルル。」
次に現れたのはC.C.であった。
「C.C.!?」
「シャルル、アキラをどこへ連れて行った。」
「もう二度と戻れないこの世界の更に闇へ。C.C.、さぁワシのもとへお前が揃えばやつらを滅ぼすことができる。そしてお前の願いはわしが叶えてやろう」
「C.C.の願いを知っているのか?」
「ルルーシュ、今こそ契約条件を、我が願いを明かそう。……我が願いは死ぬこと。私の存在が永遠に終わることだ。」
ギアス嚮団の制圧が完了したがゼロが行方不明となり黒の騎士団は混乱していたがジャレミアは嚮団のある場所へといた。
「おかしい、ジークフリートと共にあったあの機体がない。」
格納庫にいるジェレミアは以前見かけたある機体がどこにもないことに怪訝に思った。
先の戦闘で見ていない。
「ジェレミア!」
ロロが走って駆け寄ってきた。
「兄さんは見つけた?」
「いや……。」
「ここに何が…。」
「嚮団は私や高山、実験体の専用機に神経電位接続用のジークフリートの改良機を1機製造していた。回収しようと思ったがどこにも……っは!ロロ、高山昌克は発見したか!!嚮団はあの男を回収しているはず。」
「いや……あの男はどこにも。」
「もしや……。」
ジェレミアは急ぎここの施設の避難ルートへと向い、脱出艇を見つけ中を見ると嚮団の人間達の死体がいくつも転がっていた。頭蓋骨が潰された者、両目の眼球が潰された者。常人ではやれない所業である。
これをできるのは1人・・・・
「高山……。」
一方、アキラは襲い掛かるKMF部隊をショットガンのみで応戦していた。
実体のないものだと思われたが銃撃による衝撃を受けこれが現実のものであった。
シャルルは一体何をしたのかアキラは思案しながらも目の前にある廃墟へと入っていく。
このままではやられる。アキラはある建物の中へと身を隠す。
アキラは階段に駆け上がり見下ろせる場所へ行き敵KMFの姿を確認する。ショットガンの弾を確認しアキラはコックピットに向け引き金を弾き2機を沈黙させた。1機はこちらに気づきライフルをこちらに向けアキラは急ぎその場から離れる。銃撃により足場が崩れアキラは落下するが残った階段の手摺に捕まり体勢を立て直す。
アキラを探す敵に背後へと回りアキラはコックピットを撃ち。敵KMFは沈黙した。
誰が乗っているのかアキラはコックピットを開こうとしたが突如自分の足場から空間が開きアキラはその穴へと落ちてしまった。
C.C.から彼女の願いを聞いたルルーシュは更に問いただそうとしたがシャルルにより離されルルーシュの目の前に道端に倒れている幼い頃のC.C.がいた。
これはC.C.の過去の記憶。助けてくれたシスターによってギアスを与えられそれから彼女のギアスによる永い因縁が生まれた。
「私の存在は彼女にとって自分自身にピリオドを打つための道具。ただ、それだけだった。あなたはまだここにいない。私にとってあなたは過去ではなく、現実の人なのね。」
ルルーシュの隣にいるのは容姿はC.C.と同じだがC.C.ではない。
「あなたをここに送ってきたということは、一時でも何かからあなたを守ろうとしたのだと思うけど?」
「さぁ、どうだろうな?」
「どうするつもり?」
「ここから出る。俺の共犯者とな。」
「そう………。」
光景が歪みルルーシュの視界がまた変わってゆく。
次に別の場所へとついたアキラ。陽の当たらない暗い地下で嚮団の本拠地に戻ったのかと思われたがいくつもあるランプが地下を照らし別の場所だと判断した。
人の声が聞こえ誰がいるのか伺おうとした時赤子の鳴き声が響く。
様子を見ると数名の女性が1人の女性を囲んでいる。
囲まれている女性の傍で赤子が鳴いている。
「おぉ、神の血を継ぐ子。ギアスではない天地により生まれた。神の子。」
男共がぞろぞろ入ってくる。
男女揃って古びた服装でいる。
「おい!嚮会の連中がすぐそこへ来た!」
洞窟から出ると漆黒の外に松明の灯いくつも見られる。
「異端者を殺せ! 我々の障害となる者を滅せよ!」
剣、槍を持った者達の服にはギアスの紋章があり、鎧を装着している者がおりこの出来事が数百年前のものと見られる。
異端者
異端者、聞き慣れない言葉。この者達が異端者なのか?異端者とは何者なんだ?
混乱するアキラを他所に両者は武器を用いて戦いお互い死者を出しながら激戦を繰り広げる。怒声と悲鳴が響く中アキラはふと赤子のほうを見る。
赤子は平然とした様子で眠っているようであったがゆっくりと瞼を開き誰もアキラの存在がわかるはずがないのだが赤子はアキラと視線を合わせる。
視線を外さない赤子の瞳にアキラは金縛りにもあったかのように動けなくなった。
この子は俺がここにいることに気づいている。
その直後、何かが自分の頭の中に赤子が語りかけてくる。
モウスグ、アエル………
「っ!? どういう意味だ!?」
アキラが赤子に手を伸ばそうとした時突如赤子と自分が引き離され遠ざかりアキラはまたもどこかへ連れて行かれていく。
-エリア11 ゲットー地下-
医者の診察が終え今シャーリーは坂口から自分の周辺の近況について聞いていた。
「……っと、まぁこんなところだな。何か困ったことがあれば言ってくれ」
「はい……」
「しかし、最初聞いたときは何がなんだが。殺そうとした人間を助けてくれだなんて……っま、はじめからあいつにはそんなつもりはなかったんだろうけどな」
坂口は懐から1つの銃弾を取り出した。
「このゴム弾ってのは撃たれても死にはしないが距離や場所によっては相手を殺してしまう。あいつはあんたが刺された傷口の辺りに撃ったせいで半分死にかけたんだ」
アキラはジェレミア捕獲のため用意した1丁のハンドガンで捕獲用のゴム弾が装填されていた。
「できるだけ早く帰りたいのですが……母やクラスメイトに心配かけたので」
「そうしてやりてぇが。あんたは世間じゃあほぼ死んだと思われてるからな。帰れば大騒ぎだろうな」
坂口は新聞を広げるとはじめは大きく載せられていたシャーリーの記事も日を追うごとに小さくなり最近では生存している可能性は0だとも言われている。
「でも………」
「アキラから頼まれたんだ。あんたの身の安全が保障できるまで外に出すなってな」
「ライ君が……」
「あいつ、他人に無頓着なところがあるんだがな」
坂口は煙草に火をつけふぅっと煙を吐く。
「そんなあいつが誰かのために動くなんて、カレンの影響かもな」
「カレン……」
カレンの名前を聞きシャーリーの顔が綻ぶ。
「ちょっと!!怪我人のまえで何煙草吸ってるの!」
坂口の肩を乱暴に叩き千鶴は坂口が持っていた煙草を取り上げる。
「いってぇな!」
「さっ、男は出てった!」
千鶴の手にはハサミと散髪用のマントが握られていた。
「っけ、わかったよ……」
バツが悪そうにし坂口は部屋から退散する。
「じゃあシャーリー、その髪をどうにかしないとね」
「あっ……!」
シャーリーは自身の髪に触れる。今彼女の髪は腰まで伸ばしていた長い髪が切られており左右の長さがおかしくなっていた。
「ひどいよねアキラの奴!あなた為だとか言って寝ている間切ったんだよ!あいつってそういうところあるよね!」
「ははは………」
「さてシャーリー、どういう髪にしようか?心配しないで仕事柄こういうのは得意だから」
「えっ……と、おまかせします……千鶴さん」
「千鶴でいいって。あたしとそんな歳離れてないし」
千鶴はシャーリーの髪を整えながら口を開く。
「せっかくだから聞かせてよ。アキラがあなたの学校じゃあどういう感じだったの?」
「えっ?」
「ほら、あいつが学校通っていたって聞いてあのアキラが学校って、想像しただけで笑えて」
「っふふ」
「だから教えてよ」
「わかった。じゃあ……」
談笑をしながら千鶴とシャーリーの散髪が始まる。ドア越しで聞いていた坂口は自分の出る幕はないと思い静かに離れるのであった。
-アーカーシャの剣-
「私を憎む人も優しくしてくれた人も、全て時の流れの中に消えていった。果てることのない時の流れの中に」
「だが、その苦しみの日々も」
シャルルがC.C.のコードをとろうと彼女の腕を掴む。しかしその時
「ここは蜃気楼の中!? そうか、この空間そのものが思考に干渉するシステムか。」
「ルルーシュ!?」
アーカーシャの剣へ戻ったルルーシュはシャルルを止めようとするがブロックのような物体により蜃気楼の動きが封じ込められた。
「思考エレベーターを開いたのか。まあいいルルーシュよ、そこで見ておれ」
ルルーシュが戻ってきた事に戸惑うC.C.を捕まえたシャルルは彼女を手をかけんと首に手を伸ばす。
「やめろ!!答えろ、C.C.!!何故俺を代替わりして死のうとしなかった?俺に永遠の命という地獄を押し付けることだってできたはずだ。俺を哀れんだのか?」
ルルーシュの問い掛けにC.C.は苦悶の表情を浮かべる。
「そんな顔で死ぬな!最後くらい笑って死ね!!必ず俺が笑わせてやる。だからっ!!」
その直後、シャルルとC.C.の前方の空間が歪み中からアキラが姿を現した。
「何っ貴様!?」
「アキラ!?お前もここへ?」
シャルルとルルーシュは驚きの声をあげる。
「ここはっ!?」
2人、そして蜃気楼とアキラも戸惑いの色を浮かべる。
「閉じ込めたはずが!?異端者が!!」
「っ!!シャルル、今の奴は!!!」
「アキラ!!C.C.を連れて逃げろ!!」
蜃気楼にいるルルーシュからの指示に一瞬戸惑うがアキラはシャルルを払いのけC.C.の腕を掴むが
「待てっアキラ!!」
彼女の腕を掴んだ瞬間体に電流が走るような感覚に襲われ視界がぼやけた。
アキラの脳裏にC.C.の過去の記憶、ギアスを手に入れた経緯が注ぎ込まれた。
「これはっ!?」
C.C.のほうも脳裏にアキラの過去の経緯が走馬灯のように流される。
-これがこの女の!?-
-アキラの!?ー
互いの過去の記憶を見てアキラはめまいを起こすが次第に視界がハッキリとしたがC.C.はぐったりと倒れてしまった。
「貴様よくも!!」
シャルルは再びCの世界へ閉じ込めようとするが
「一体何が!? っだが今は!」
ルルーシュは蜃気楼でアーカーシャの剣を破壊を行う。
アキラは倒れたC.C.を抱えてこの場から離れようとしたが足場が崩れ落下してしまった。
「C.C.!!!」
-エリア11-
井ノ本は待たせてあった車に乗り込み遺跡をあとにした。
(さぁ……これであなた方の思惑通りに進んでいる。あとはアキラの動向次第……。)
外の風景を眺めながら井ノ本は誰かに語る心の声を呟くのであった。
「………っう。」
意識を取り戻したアキラは周囲が謎の空間に連れられる前の謎の扉の前だと気づいた。
近くにはルルーシュとC.C.がおり自分達が無事あの空間から脱出したのだとわかった。
「ルルーシュ」
「アキラ!?」
「さっき件、この作戦お前に聞きたいことがある。それとC.C.……」
アキラはC.C.と目を合わせるがC.C.はアキラを見て怯える表情をしルルーシュの後ろに隠れる。
「いやあぁぁ!!」
普段の彼女からは見られない姿にアキラが怪訝な顔をする。
「アキラ……何をした?」
「っ??」
「C.C.に何をした!?」
Cの世界の描写が難しく荒い部分があり申し訳ありません
アキラとC.C.がお互いの過去を見る描写はボトムズ「幻影篇」にてキリコとシャッコのシーンがモデルです