コードギアスR2 ~去りゆく影~    作:三戦立ち

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さぼってしまいまして、すみません。短い内容ですがどうぞ


第41話

 

あの神根島での騒乱からアキラはアラスカに転移させられていた。

 

目が醒めると神根島の遺跡に似た場所にいた。あちこち破壊された痕が見られはじめはまだ自分が神根島にいるのかと思ったが突如、男達数人がアキラを見つけた途端アキラを殴打、袋叩きにあったアキラはそのまま意識を失い次に目を醒ますと彼らの住居らしき場所へと連れて行かれ柱に括りつけられていた。

 

 

 

アキラは腰にかけてあるショットガンがないことに気づき辺りを見渡すと彼らの傍に銃が置かれていた。

 

彼らは一体何者なのか?現地の言語を喋っておりアキラには理解できなかった。

 

1人がアキラにナイフの刃を向け何か叫んでいる。だがもう1人が彼を止め何か言っている。

 

この集団のリーダー格なのか皆に何かを伝えると全員この住居から出て行った。

 

 

残されたアキラは縄を解く何かないか目で探っているとどこか視線を感じその方向を見ると小さな穴からこちらを見ている瞳と目が合った。

それに驚いたか子供の声が悲鳴をあげていった。

 

 

 

 

 

 

「すぐに殺すんだ。奴は異端者の再来だ」

 

「そうだ!」

 

「まだそうと決まったわけじゃない。ここは俺が直接話して……」

 

「異端者であろうがどんな人間であれ外の人間との接触は禁句だ!それはこの村の掟だ!!」

 

「それはわかってる!だが…」

 

その時小屋から物音が聞こえ皆が小屋に入ろうとするがリーダー格の男が止める。

 

「俺が様子を見てくる。皆はここで見ていてくれ」

 

静かに扉を開けるとそこにはぐったりとしたアキラがいた。男はアキラの髪を掴み顔を見るとアキラの口元から血が滴り落ちてきた。

 

「この男、舌を噛み切ったのか?」

 

男はアキラを縛っていた縄を解きアキラを容態を確認しようとした時アキラの目が開き男の腕を取るとそのまま押さえ込んだ。

 

「うぐぅ!?」

 

「騒ぐな」

 

「抵抗するな。俺に何かすればあんたは殺される」

 

「俺の言葉わかるのか?」

 

「まぁな。今はその手を放してくれ。外の連中はあんたを殺すつもりだ。あんたを異端者の再来だとな」

 

「異端者………」

 

異端者……その言葉にアキラの表情が曇る。 アキラは男の腕を取ったまま自分のショットガンを置いたあるテーブルまで行き弾の確認をすると銃口を男に向ける。

 

 

外では今にも小屋へと入る気でいる村人の男達がいた。扉が開き先程入った仲間かと思われたが現れたのは捕らえたアキラに銃口を向けられている仲間であった。

 

「みんな、武器を捨てるんだ」

 

人質にとられた仲間を見て他の者達が何か叫んでいる。だが現地の言語を知らないアキラには理解できなかった。

 

「みんな、言うとおりにしてくれ。この男は偶然あの遺跡にいただけだ。俺達に敵意はない」

 

「だっだが……」

 

「彼はすぐにここでると言ってる。はやく!!」

 

そう言われ仲間はゆっくりとモリ、猟銃を降ろした。

 

「ここを出る。何か足になるものが欲しい」

 

「スノーモービルがある。案内する」

 

アキラは捨てられた猟銃を拾い村人に警戒しながら男の後を追う。

 

スノーモービルを見つけアキラは男を乗せ自分は後ろに座った。

 

「信じていいんだな?」

 

「あぁ、俺をもう一度あの遺跡まで案内してくれたら何も危害は加えない」

 

そう言われ男は村人が心配そうに見つめる中スノーモービルを発進させた。

アキラは離れていく村全体を見ると雪をブロックに固めて築きあげた住居イグルーが大小ある小さな村であった。

 

「ここはアラスカか?」

 

「ホントに知らないようだな?あんたは何の目的でここに来たんだ?」

 

「知らん。気づいたあの遺跡にいた。それだけだ。あんた達は原住民か?」

 

「そうだ。まぁ俺はつい最近まではEUで傭兵として出稼ぎから帰ってきたばかりだがな」

 

「だから言葉が通じたのか」

 

「アジア人、イレブンの人間はEUでも見かけていたがまさか故郷で会うとは思わなかった。あんたのその格好は黒の騎士団だろ?噂で聞いていたが本物と会うなんてな」

 

「あんたが喋っていいのは俺の質問に答える時だけだ。その隠し持ってるナイフ、気づいていないと思ったか」

 

アキラの指摘どおり男はスノーモービルに置いてあった狩猟用のナイフを懐に入れたのだが気づかれてしまった。

 

「バレていたか。さすが黒の騎士団ってところか」

 

 

 

 

 

しばらくして洞窟の穴の入り口に着くとアルムは松明をおこしその火を頼りに道を進んでいく。そしてしばらくして道が開かれた。そこには神根島にあった遺跡があったが破壊された痕跡がある。

 

「俺達の祖父の代がここを二度と使われないよう破壊したようだ。ここは異端者がつくった遺跡らしい。異端者はブリタニアと戦うためにつくった物のようだが」

 

「異端者……」

 

「あんたはその異端者のなんだ?異端者は俺達部族に災いを振りまいた存在だと言われている」

 

「…………俺自身よくわからない」

 

「自分のことがわからない?変な奴だな」

 

アキラは遺跡に手を触れたりしたが何も変化はない。

 

「他に似たような場所はあるのか?」

 

「どうだろうな?俺達の先祖はここへ逃げこの遺跡監視する役目を負って今に至っている」

 

「………ここから大きな町は近くにあるか?」

 

「ここからだと70kmほど離れた場所に市街地がある。

スノーモービルを使えば1日休まず走らせれば着くだろう。まっ、それまで燃料が持てばの話だが」

 

「あんたはどうする?」

 

「ふっ、俺が部外者にタダで渡すようなお人よしだと思うか」

 

2人が遺跡から出ると外には男の仲間達が猟銃を持って取り囲んでいた。

 

「スノーモービルはくれてやる。だから早く出て行くんだな。村に厄介事をいつまでも持ち込ませたくはないからな」

 

銃口を向けられながらアキラはスノーモービルに乗り込む。

 

「ここから南東の方向70km。今は夜中だ。軍の目を掻い潜れるかもしれない。あとは自分で何とかしろ」

 

村人達からは殺意の視線を浴びながらアキラは漆黒の雪原を1人で走り去っていくのであった。

 

 

 

それからアキラは一睡もせずにスノーモービルで雪原を走り途中燃料が切れモービルを乗り捨て吹雪に耐えながらアキラは街の灯りが見えるところまできた。

 

 

―ブリタニア本国 カナダ カルガリ――

 

 

 

歩いて半日近く経っており凍えきった体を早く暖めたいアキラは街へと向かう。イレブンである自分がブリタニア本国にいるとなるとすぐに逮捕される恐れがあるためアキラはフードを深く被りマフラーで口元を隠し街へと入る。

 

人目を気にしながらアキラは人の出入りが激しい店を見つけ中に入るとそこは酒場のようだ。

 

 

カウンターの席へと座ると店の亭主が声をかける。

 

「注文は?」

 

「いらない。人を探してる」

 

「人?」

 

「ここの町に原住民達がいると聞いている。その連中と会いたい」

 

「…………!?」

 

その瞬間、店の雰囲気がガラリと変わり周囲の視線が刺さるのをアキラは感じ振り返る。

皆アキラに対し怪訝な表情で見つめその冷たい視線をアキラに浴びせる。

 

「さぁ……知らないねぇ」

 

「…………」

 

この不気味な雰囲気にアキラはここに長居をするのはよくないと感じアキラは店の外へ出て他を探ろうとしたが突如服を捕まれ路地裏へと連れて込まれた。

 

顔を隠していたマフラー、帽子を脱がされる。アキラを捕らえたのは4人組の男性であった。

 

「こいつ、アジアの人間か!?」

 

「アジアの奴がなんでこんなところに?」

 

「なんでもいい。俺らを探ろうとする奴らは敵だ」

 

彼らの言葉を理解できないアキラであったが彼は自分に対し敵意を向けているのは感じ取れた。

 

アキラは自分の髪を掴んでいる男の腕を取り膝を相手の腹部に叩き込むとその隙にアキラは走り出した。

 

彼らは自分の素性を探ろうとアキラに対しあのような行動をとった。アキラはここに先住民達が出入りしているのだとわかった。

 

彼らの内1人でも捕え何か聞きたいと考えたが路地を走り回るうちに行き止まりに行き着いた。

 

すぐに脱出しようとした時、壁越しから何者かの声が聞こえてきた。

 

「早速、騒ぎを起こしてるようだな」

 

壁の上から顔を出す男が現れたがそれは自分が人質にとった男であった。

 

「何故あんたが?」

 

「あんたを引き渡せって依頼があってな。大人しくしてもらおうか」

 

男は銃をアキラに向ける。アキラは防寒着に隠してあった猟銃を向けるが背後から追いかけてきた集団が追いついてきた。

 

「あんたの仲間だったのか」

 

「そんなところだ。撃つのはかまわないが撃った瞬間、お前はこの街から生きて出れると思うな」

 

挟み撃ちにされアキラは猟銃を捨て降伏の意思を伝え、男の仲間から手を取られ黒の頭巾を被せられ視界を奪われる。

 

「よし、あそこへ連れて行くぞ」

 

手を後ろに縛られたままアキラは連れられあるところへ座らされるとエンジンをかける音が聞こえ自分が今車両に乗り込んでいると気づいた。

 

すると被されていた頭巾が取れ視界が戻った。

 

「っ!?」

 

席の隣にいた人物を見てアキラは驚愕する。

 

「ジェノム!?」

 

そこにいたのはサドナ王国で共に戦ったジェノムがいた。

 

「騒ぎあるところ流崎アキラありっと言ったところか。久しぶりだな」

 

「お前の故郷はアラスカ。どうしてここへ?」

 

「ここにいるディック、奴が知らせてくれた」

 

車を運転していた人物が顔をのぞかせる。そこにいたのは先程自分を捕えた男であった。

 

「ディックから話を聞いてもしやと思ってな。俺の故郷からカルガリーはそう遠くない」

 

「まさかジェノムの知り合いだったなんてな」

 

「……そうだったのか。悪かったな」

 

「ふっ、慰謝料はジェノムからたっぷりいただいた」

 

「っ??」

 

「かなりふんだくられた。こいつ、古い付き合いだからといって遠慮なしだ。はっははは」

 

「はっははは」

 

2人の笑う姿にアキラは呆気にとられるのであった。

 

「ここの街は俺達原住民が集う場所でな。外で出稼ぎに行く奴らが来るんだ。だが軍や政府の目があるから表雑多に動かない。だからあの街で俺達部族の名を言うのは禁句だ」

 

「……なるほどな。ジェノム、帝都まで行くにはどうすればいい?」

 

「帝都?ペンドラゴンに行くつもりか!?」

 

「……あぁ」

 

「おいおい正気か?」

 

ディックは呆れて乾いた笑い声をあげる。

 

「お前さんイレブンだろ。そんな奴が帝都にいてみろ。すぐに捕まるぞ」

 

「どんな場所か知ってるのか?」

 

「わかるわけないだろ。帝都は先住民も立ち入れない場所だ。まぁ新しい皇帝が貴族制度の廃止や財閥解体したり、ナンバーズ解放して今までの皇帝とは反対の政策をしてるが俺達に対してはどうだか」

 

「新しい皇帝?」

 

「なんだそんな事も知らないのか?子供だと思ってたが甘くみないほうがいいな」

 

ディックは傍にあった新聞をアキラに渡す。新聞の記事には皇帝となったルルーシュの写真が載せられている。

 

「ルルーシュ………」

 

「噂ではこのルルーシュが黒の騎士団のリーダー、ゼロだったらしいな」

 

新聞の日付を確認するとアキラはあれから数ヶ月の月日が流れていたことに気づいた。

自分が意識を取り戻しディック達に捕縛されてから2日経っておりその間自分はワイズマンに何かされたのか。アキラはワイズマンの行方、そしてこの世界の状況を知り自分が成すことを見分けなければならないと感じた。

 

街を出たアキラはディックと別れることになった。

 

「迷惑かけたな」

 

「何するか知らないが。気をつけることだな」

 

アキラはトレーラーに乗り込み出立するのだった。

 

「ジェノム、無理して俺に付き合うことは……」

 

「ふっ、帝都に行くとか行ってるナンバーズを放っていけるか」

 

「………すまない」

 

 

2人は乗り込むとトレーラーを発進させるのであった。

 

「ここからペンドラゴンまでどれくらいかかる?」

 

「その前にお前を連れて行きたい場所がある」

 

「どこだ?」

 

「お前が言ってた異端者、奴らのことを知っている人間に会わせる」

 

「っ!?」

 

 

―ブリタニア本国、ここで俺とワイズマン、そしてギアスを決着つける術を見つけることができるのか………―

 

 

 

―ブリタニア本国 帝都ペンドラゴン―

 

「えぇ、ルルーシュは数日後、本国を発ってエリア11で超合衆国と交渉を…。はい、では予定通り……。わかりました」

 

携帯を切る人物。サングラスをしたディートハルトが帝都を見渡せる場所から冷笑するように見つめる。

 

「さぁこれから始まる。破壊と創造の世界を私が撮らせていただく」

 




前書きでも書きましたが数ヶ月執筆遅らせてすみませんでした。

色々言い訳がありますがあまり言いません。必ず完結させたいので遅筆ですがよろしくお願いします。

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