ー半年後 アッシュフォード学園ー
「シャーリー・フェネット、復学おめでとう〜!」
生徒会室にてリヴァルとミレイが囁かであるがシャーリーの復学をお祝いを催していた。
「ありがとう。でもリヴァルはもう少しで卒業、先越されたな〜」
「まぁまぁ、1年学生生活が延びたと思って楽しなって」
「そうそう。生徒会も頼むわね。なんなら会長になれば?」
「私には似合わないですよ。それより大丈夫ですか?仕事のほうは?」
「あぁ、少し落ち着いたかな。あの事件からもう半年も経ったのよね」
あの事件、ブリタニア本国を壊滅までに発展した戦乱はワイズマンを滅ぼしたルルーシュが最期突如現れたゼロによって殺害された。その直後ワイズマンの要塞が爆破されたことでルルーシュは要塞と共に散り戦争が終わったかのように思えたが戦場の混乱が更に続き終わりのない殺し合いが続いた。この混乱を治めたのはナナリーをはじめ黒の騎士団、コーネリアらテログループの残党達であった。
「日本に帰ってから大変でしたよ。お母さんなんか私を見て泣き崩れちゃって」
「死んだと思った娘が生きてたのよ当然よ。それでどうだった一度死んでみた気分は?」
「なんですかその言い方〜。……でも私まだ世界の事何もわからなかったんだなって。だからもっと世界のいい事も悪い事もをもっと知りたくなりました。じゃないと……世界を変えたルルのやってきた意味がなくなりますから……」
「ホント……バカだぜ。ルルーシュの奴」
生徒会室にあるテレビをつけると現在ブリタニアの皇帝として政務についたナナリーがサドナ王国への表敬訪問のニュースが映し出されていた。
「何か別の方法がなかったのかしら………」
ミレイは悲しげな表情で見つめていた。
その直後シャーリーの携帯が鳴り受け取る。
『シャーリー、今校門前に来たんだけど』
「千鶴!わかった直ぐ行くよ」
「シャーリー?」
「みんなごめん。私これからちょっと用事があってこれで」
慌ててシャーリーが生徒会室を抜け出すと駆け足気味で校門にたどり着くと千鶴の車が止まっていた。
「ごめん、みんなと話し込んじゃって」
「いいって、行き先はあの人のところでいいよね?」
「うん、お願い。千鶴、どう仕事のほうは?」
「まぁ、やることは変わんないから別にこれといって……。でも両親のお墓もできてやっと落ち着いたかな。暫くここでのんびり過ごしたいかな」
「そっか……。それでどう義理だけど坂口さんと親子になった気分は?」
それを聞き千鶴は悶えるように声をあげる。
「うわあぁぁぁやめて!!! 私、どうかしてたんだよあんなオッサンが父親になるなんて!」
「ふふっ坂口さん、もう裏稼業から足を洗って日本を中心に商売を始めるって言った直後だったよね。顔を真っ赤にして俺の娘になってくれって」
「あんな顔で言われたら断れないって」
「じゃあ後悔してるの?」
「うぅぅ……。あぁもういいでしょ‼︎」
自身は学園に戻り各々が新しい生活を送っている。あの半年前からは想像できなかったことだ。これから新しい踏み出す一歩が始まるのだとシャーリーは感じていた。
ーサドナ王国ー
「今回の会談の成功、お礼を申し上げますナナリー皇帝陛下、」
「こちらこそ、この会談をきっかけに国交回復の足掛かりになればうれしく思います。アレクセイ国王」
ナナリーの傍にはマントを羽織ったゼロ=スザクが立っていた。アレクセイは一瞬ゼロのほうへ目を移すがすぐにナナリーのほうへと向き直した。
「ブリタニアの国内の混乱を半年程で治めた手案、見事です。それと先の皇帝……」
「初めは兄の気持ちに気づいてやれず自分を責めましたが弱った本国を見ていつまでも引きずる時間はありませんでした。周りの方々の助けがあってなんとか。ですが……本国の弱体化は避けられず各エリアから独立をする国々が乱立して軍を派遣して鎮圧しています……」
「………」
「ここから私の独り言ですが聞いていただけますか?」
「……どうぞ」
「ありがとうございます。…………ここ最近、私はお兄様、いえ先の皇帝や気持ちが少しわかってきたような気がします。」
「…………」
窓からうつる雪景色を見つめながらナナリーは続ける。
「先の皇帝は大事な人を守るために力を欲しました。その手段は許されるものではないですがその気持ちは私にもあります。おそらく父や先代の皇帝も本当はただそれだけだったじゃないかと……」
「ナナリー皇帝、あなたはもしや……」
「はい、欲しいです力が。世界を導くだけの強い力が………!でも私は先の皇帝とは違うやり方で世界を変えてみせます。例え何年かかろうとも………」
「力……ですか。軟弱では守れないが過ぎた力は逆に自らの身を滅ぼす……難しいものです」
「えっ…?」
「今回のブリタニアとの国交回復、これに反対し妨害しようとテログループが動いていたのはご存知で?」
「はい…。確か首謀者の名はワシリーと……」
「はい、彼は私と共に戦ってきた仲間でありましたが意見の食い違いが増え最終的に……。ナナリー皇帝、私はおそらくベッドの上では死ねないでしょう。」
「それは……」
「それがこの国の運命なのでしょう。破壊と創造……このサドナ王国は永遠に繰り返す、そのような気がします。だからこそ1日後悔ないよう生きていき自分のやるべき事をしなければならない。先の皇帝、あなたの兄のように例え悪名高い国王と罵られようと」
「それは私も同じです。私の命を奪おうとする人達が大勢います。しかし…負けたくはありません! まだ何も成し遂げていないので」
「はい……」
ー日本ー
都内にあるアパートの1室。その玄関の前にシャーリーが立っておりインターフォンを鳴らすとある1人の女性が姿を現した。
「シャーリーさん、お忙しい中いつもすみません」
「いえ、私は全然構いません。紅月さんも退院したばかりですから」
その女性はカレンの母親で先日病院から退院したのであった。この半年日本に帰国したシャーリーはカレンに代わり母親の世話していた。
案内されたシャーリーは部屋を見渡すとカレンをはじめ家族の写真が並べられている。
「あの…カレンからは?」
その問いに母親は首を横に振るう。
「シャーリーさん、もういいんです。 娘は…カレンは生きてますよ。あの子は私よりも強い子です。」
「…………」
あの戦争からアキラとカレンの行方はわからずにいた。遺体も見つからずあの坂口の伝手を頼って居所を探ったが2人らしき人間は見つけることはできなかった。
「私のために今まで辛い思いをしてきました。……もう、あの子の好きに生きてほしいんです」
「……帰って来ます。2人は…」
「えっ……?」
「約束しました。また学園に戻ってきてって。その約束をすっぽかしたりしたら私、許さないですから。その時は私が探して無理にでも連れて帰ります
ニコッと微笑むシャーリーにカレンの母親は釣られて吹き出すように笑う。
「そうですか」
(カレン、アキラ君、待っているから!でもいつまでも待てないからね!)
ー???ー
古びたKMFの残骸が転がっている平原にポツンと一軒古びた家が建っていた。家周辺には人影らしきものは見えず人がいない住居と思われたが扉からある人物が現れた。流崎アキラは周辺を警戒しながらも荷物をまとめていた。
家の中にある古びたベッドの上でカレンが上半身は起こして横になっていた。表情は穏やかであり下半身を見ると先の戦いで失った左脚には義足が着けられていた。
「アキラ手伝うよ」
作業を手伝おうとベッドから抜け出そうとするがアキラが制する。
「お前は寝てろ」
「大丈夫だってほら」
カレンは軽々と立ち上がった。
「こうやって少しでも動かさないと。ずっとベッドに寝てたらいつまで経っても寝たきりだよ」
「……足は大丈夫なのか?」
「大丈夫。それに……この痛みは戒めとして残しておきたいの」
「……そうか」
「さっ、やろうよ。小さい荷物くらいなら……って、あっ⁉︎」
義足のほうが床に躓き前へ倒れそうになったがアキラがすぐに抱き留めた。
「ごめん!」
「……無理をするな」
そう言うとアキラはカレンを抱き抱える。
「へっ⁉︎」
狼狽えるカレンを尻目にアキラはカレンをベッドまで戻す。
「外へ出る。お前はゆっくりしてろ」
アキラは微笑んで外へと戻った。
「……ふふっ」
カレンは苦笑しながらもここ数ヶ月、アキラと過ごした日々でのやりとりを思い出した。片足を失った自分にアキラは献身的に世話をしてきた。おそらく今、一番自分にとって穏やかな時を過ごしていると感じている。
数キロ離れた場所に廃墟となった町がある。アキラは度々ここで生活に必要なものを用意していた。荷造りの作業をしているアキラの背後に何か気配を感じアキラは懐から拳銃を取り銃口を向けるとそこにいたのはC.C.であった。
「久しぶりだな」
「………何の用だ?」
アキラは拳銃を懐にしまった。
「相変わらずだな。お前達2人がここ近辺に隠れ住んでいるのは知っていたが……」
「………」
銃を閉まったアキラは黙って作業を続行した。
「私達の戦争で本国が弱まった影響であちこちで独立運動が始まって隣国同士の領土問題による紛争。エリア化での植民地支配していた頃を懐かしむ連中がいる」
「……後悔はしていない。俺達は今を生きてる。……それだけだ。ナナリーや他の連中がどう動こうが関係ない」
「ふっ、自分勝手なエゴ丸出しのセリフだな」
「………俺は一度も世界のために戦ったことはない。全て……自分のために戦ってきた」
荷造りを終えたアキラは籠を背負う。
「お前、ここを出ていくのか?」
「………そうだ」
「そうやって放浪の旅を続けているのか……」
「………」
「次はどこへ行く気か?」
「………」
C.C.からの問いに無視して次に使える火薬類がないか他の場所へと移動する。そんな彼にC.C.は苦笑する。
「もう…会うことはないのだな」
「……そうだな」
「…………さよならだな。流崎アキラ」
その一言にアキラはふいにC.C.のほうを見るがと彼女の姿が消えていた。
住処へ戻ってきたアキラはカレンが外から出て自分を待っているのを気づいた。
「おかえり」
「道具は揃えた。予定通り明日出立する」
「……もうすぐ夜になるから食事の準備するね」
「あぁ……頼む」
食事を終え夜を迎え明日に備えて床につこうとするカレンであったがアキラは先述の町で手に入れた火薬を使い空の薬莢に詰め銃弾の作製をしていた。 カレンの気配に気づいたアキラは作業の手を止め振り返る。
「明日は早い。お前はもう寝てろ」
「……っ」
「…………⁇」
何も返事をしないカレンにアキラは怪訝な顔をするがカレンは不安気な表情でこちらを見ていることに気づいた。
「アキラ、本当にいいの?」
「…………」
「本当ならあなたは誰もいない静かな場所でずっと……。なのに日本に帰りたいって私の我儘に巻き込んでしまって……」
日本に残したままの母が心配していたカレンはもう十分戦ったアキラをこのままそっとさせておきたいとカレンは黙って出て行こうとしたがそれに気づいたアキラが今回の旅を計画した。
「お前1人で行かせない」
「アキラ……」
アキラはカレンの肩にそっと手を添える。
「それに……」
「………」
「もう1人は………」
目が泳ぐアキラを見て彼が孤独を恐れていることに気づいた。自分がアキラを求めているように彼も自分を求めてくれていることにカレンはおもわず彼の胸へと飛び込んだ。
「………っ!?」
「………っ!」
自分に体に感じるカレンの温もりにアキラはもう離したくないと強く抱きしめた。
「ありがとうアキラ……」
「…………」
翌朝、広がる荒野を眺めていたアキラとカレンは穏やかな表情をしていた。
「行こう……」
「うん……!」
「ねぇアキラ…、帰れるよね?私達……」
「俺が帰す。どんなことしても」
「無茶はしないで。私はあなたと帰らないと意味がないの」
「………あぁ、そうだな」
「うん………」
広い荒野の2人で歩き数時間歩きカレンは義足の部分に痛みはしり膝をついた。
「痛むか?」
「ごめん。ちょっと休んだら大丈夫」
カレンの様子を見てアキラは背負っていた籠を降ろし、所持していた短い鉄パイプをロープで縛ると荷物を背負える籠ができた。
「これに乗れ」
「えっ⁉︎私が⁉︎」
「他に誰がいる」
「だっ大丈夫だって。ほらもう外でも私…って⁉︎」
強がるカレンを強引に抱き抱えるとカレンを籠に乗せた。
「俺に頼れ」
ただ一面乾いた大地。人一人いない荒野をアキラはカレンを背負って歩いていく。
「アキラ…重くない?」
「心配するな。俺は苦じゃない」
背中越しから感じるアキラの温もりにカレンは安心な気持ちとなりこのまま身を任せてもいいとも感じた。
「ねぇアキラ、私幸せだよ。こうしてあなたと一緒にいられるから」
「…………俺もだ」
「ふふっ……。そっか………」
カレンからは見えないがアキラは穏やかで優しい表情を浮かべていた。
その2人を遠く離れたところからC.C.は見つめる。
(流崎アキラ……お前は生きているかぎり戦うさだめからは逃れられないかもしれない。だがそれでも抗うお前のさだめはなんだ……?
ルルーシュ、私はまだお前のところへは行けないらしい。まだ見定めなければならない人間がいる)
先の見通せない未来。世界が俺達をそっとしてくれるかわからない。俺のさだめが戦うことなら俺はカレンのために……!
カレン………お前が心から安らげるようになれば俺は銃を捨てることができるだろう。 背中から感じるカレンの温もりにかけがいのない大事の人がそばにいてくれていることに喜びを隠せずにいた。カレン……お前に会えてよかった………
長い長いこの話もやっと終わりました。本当なら4〜5年程度で終了する予定でしたが自身の環境の変化やモチベーションの低下で10年もかかってしまい申し訳ありまん。
もっと掘り下げる話もあったのですがこれ以上ダレるのはよくないと思い色々カットしてしまった話もあり自分の力不足を痛感してしまう所が多々ありました。
ルルーシュはここで死んだことで復活篇とは繋がらない結末となりました
本当なら野望のルーツを元ネタとした外伝も執筆しようと思ってたのですがもう執筆する時間もなくここで終わろうと思います。
改めて皆様の応援のおかげで最後まで執筆できました。本当にありがとうございました。