「話をしよう、あれは今から36万……いや、1万4千年前だったか、まあいい、私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては多分、明日の出来事だ。彼には72通りの名前があるから、なんて呼べば良いのか…たしか最初に会ったときは…イー」
「話が長い」
「うぉ!?」
「きゃあ!!」
全く、いきなり銃で撃ってくるなんて…話を聞かないやつだな。ほむほむは…
ええっと、とりあえず現状報告。現在巴マミ宅にて私インキュベーターの他に、2人の少女と2人の魔法少女が集まって会合しております。今はマミえもんの傍に座ることでほむほむからの奇襲を防ごうと思ったけど、ほむほむさん何も考えずに撃ってきます。怖いです。
「とりあえず、家の中での攻撃はよしなさい。じゃないと動けなくして話をしてもらうわよ?」
「……」
流石マミえもん。間抜けなことして気絶した人がいう台詞だとは思えないよ!!
「一つ聞いていいかな?あの化け物みたいなのは何だったの?」
「あれはね、サーヴァントって言って聖杯をめぐって戦う七騎のうちの一つさ!!」
「真面目に答えなさい。あれは使い魔と言って魔女と呼ばれる化け物の眷属よ」
ほむほむの眼光はあいも変わらず怖いです。
そんなに睨まんといて!
「そうなんだ。じゃあほむらちゃんはそれを倒してるの?後どうしてきゅうべえを攻撃していたの?」
「私達魔法少女は魔女を倒すのが役目だから、あとこいつを攻撃していたのは、貴方を魔法少女にしないためよ」
「私達でもなれるの!?」
あちゃあ、言わんかったらよかったのにね。ほむほむさん。
少ししまったって顔してるし。案外ドジっ子ちゃん?
「ええ、魔女と戦う事になるけれど、願いを一つ叶えれるのよ?」
いらんこと言わんといてマミえもん。ほむほむの機嫌が物凄い勢いで悪くなってるから!すっごい自業自得なのにこっちにとばっちりがきそうだから!!
「願いかぁ、それはなんでも叶うの?」
「まあ、ある程度はね」
「でも、魔女との戦いは決して楽ではないわ。死ぬ事もありえるし」
そうそう。やめときやめとき。ヘタしたら魔女になっちゃうし」
「え?」
「は?」
「……どういうこと?きゅうべえ」
「……どういうつもり?あなた」
「やっべ、声に出てた?」
あちゃあ、やっちゃったんだZE☆
「え?つまり、どういうこと?魔法少女は魔女になる存在ってこと?じゃあ、私は何?一体今ここにいる私は」
「南無三!!」
腹部へのタックル。マミは気絶する。
ふぃ、錯乱されると困るんだよね。アニメの時みたいに死なれると後味悪いし。
「貴方、本当にどうしたの?」
あ、ほむほむが本当に心配そうな目……いや、あれは怪訝そうな目って言うんだろうなぁ。
「どうもしないさ。じゃあまあ、ほむほむも聞くべきであろう魔法少女授業、というよりはこの見滝原市で起こることや起こっている事について教えてあげよう!!」
俺はキメ顔でそう言った。
「いまいち要領が掴めないんだけど……」
「黙って聞いとれい!幸薄ぺったんこ!!」
「ひど!?」
「ごほん。ではまず、魔法少女ってシステムがどうしてあるか教えてしんぜよう。私事きゅうべえ、正式名称インキュベーターはその名の通り魔女の孵卵器。魔法少女を魔女というものへ孵化させる存在なのです。そして孵化することによって発生するエネルギーを使って宇宙の安定化を行っていますです。はい。とまあかいつまんで言えば、いたいけな少女を願いという餌で騙して魔女化エネルギーという借金を回収する悪徳業者だね。きゅっぷい!?」
ぶん殴られた。ほむほむ痛いです。え?何?直球すぎるだって?だってそうじゃない。
ってかどうして反射効いてないの?ああ、ベクトル計算してなかったね。これはしゃあない。
「では続いていこうか。まず死神まどか」
「死神ってなに!?」
「訂正しなさい。今直ぐに」
「これは失礼女神まどか。まず君はとんでもない魔法少女の資質を持っている。これは叶えられる願いの大きさもあるけれど、孵化した後の魔女としての力も関係があるね」
「どうして、私が……」
「それはね、そこにいる今も僕に銃を押し付けている人の仕業なんだ」
「私?」
「そうだよ。君なんだよほむほむ。君が時間逆行を繰り返してまどかを守ろうとしているせいでまどかに因果律が集中して結果的にとんでもない存在に仕立てあげてしまってるんだよ」
「じゃあ、これまで私がしてきたことって、結局まどかが危険になることだったんじゃ…そんな!私そんなつもりじゃあ!」
「南無三!!」
本日3度目のタックル。ほむほむは倒れる。
「ほむらちゃん、一体どういうこと?」
「ほむほむはね、過去に戻れるんだよ。そこで君が死なないように何度も何度も繰り返してるのさ!!」
「私が死ぬ?」
「ああ、そこの青髪で幸薄そうな少女も結構な確率でやられてるよ」
「どういうこと!?」
「とまあ、とりあえず二人をおこして……」
しっぽでぺちぺち顔を叩く。結構肌触りはいいんだよ?この体。
「……きゅうべえ、さっきの話って本当?」
「本当本当。まじもんの話だぜ?」
「……何で今更そんな話を!!」
「まあ、それは後で話してやるけん。黙って聞いとき」
「……わかったわ」
「オーケー、じゃあそっちも黙って聞いてるんだよ?」
「わかってるわよ……」
「では話を続けよう。まず前提として鹿目まどかが魔法少女になる可能性が高いというか殆どなるんだけどさ。その原因がいる。それは……」
「ワルプルギスの夜……」
「そうそう。そのとんでもない魔女を食い止めるためにいっつもまどかさんは魔法少女さんになるんだよね」
あらら、みんな凄い落ち込んでる気がするよ。別に落ち込むような話してるつもり無いんだけど……
「じゃあさ、私もその魔女に挑んでやられるの?」
「うんにゃ。君は大抵勝手に魔女になってウボァーってなってるよ」
「なんでさ!?」
まあ、仕方ないといえば仕方ないかもしんないよね。流石に腕の治っていない少年の事を話すつもりはない。本人が居ない中で色々話すのは信条に反するからね。
本人がいるならべらべら話すけど……
「話を戻すよ?で、まどかさんが魔法少女になると確かにワルプルギスは撃退できるけどさ、その時に魔女化しちゃうんだよね」
「……」
「でもね、もしそうなったらほむほむが過去に戻るじゃん?だから先がない、そしてもし過去に戻らないある選択をまどかさんがとったら凄く面倒くさい事になるんだよね」
「ある選択?」
「そう。君はとんでもない願いをする。過去と未来全ての魔女を生まれる前に消し去りたいっていうね」
「………」
「それされちゃうとエネルギー回収効率とんでもなく下がっちゃうんだよね。だから俺はまどかさんを魔法少女にするっていうつもりはないでござんす。そこんところお分かり?ほむほむ」
「……貴方は何故そんなことを知っているの?それに貴方は従来のインキュベーターからかけ離れているわ」
「……なんて言ったらいいのかな。まああれだ。俺は客観的にこの舞台を見ていた者。それがインキュベーターとなってここに推参したってわけさ!!」
「意味がわからないわ」
うーん、結構べらべら話したけど大丈夫かなぁ。まあ、なんとかなるっしょ。正直俺の目の前じゃなかったらこの子たちがどうなっても、心に負うダメージはそこまで酷くない。
それにこんだけ危険性を話せば関わることも無いでしょ。
「とまあ、まどかさんのエネルギーを回収すると必要エネルギーは達する。けれどこれが不可能な時点で次の効率を求めたほうが現実的。というわけで、こっちにとってはエネルギー問題なんて時間が少しかかるだけの話だからね」
「つまり、何処かで魔法少女を魔女に変えるってこと?」
「そうなるね」
「ふざけないでよ!!そんな身勝手許されるはずが!!」
やっぱり怒っちゃうかぁ。でもさ、もし考えてみてよ?宇宙無くなるんだぞ?怖えじゃん。だったら俺は仕事をするね。それに…
「仮に俺が契約をしないとなっても他のインキュベーターは違う。あいつらは正しく
「……」
「俺は単にこう言ってるんだぞ?見逃してやるから関わるなってな。もしここで曖昧にしてまどかさんに介入されるのは困るから話してるだけだけど…」
「そんな…」
「ま、残る問題は一つだけ。ワルプルギスの夜をどうするかだね」
「……ええ。貴方は何か秘策でもあるのかしら?」
まあ、チートあるしなんとかなるとは思ってるけどね。
随分と楽天思考だなぁ、俺って。
「なぁに、このきゅうべえさんがいる限り悪は栄えんのだよ」
「貴方が悪の権化のようなものだけれど…」
酷い言い方…
あ、マミえもんまたソウルジェム筆箱に入れてる…
ってあれ?何でだろ…どうしてこんな綺麗なんだろうか。この話聞いたら少しくらいは穢れがたまってもおかしくなかったのに…
マミえもん普通に暗い顔してるし。今にも発狂しかねなかったのにさ。まあ、発狂してたり魔女化しそうになったら全力で止めるけど…
――話をしよう……
あ"
確かあの人の真骨頂って浄化だったんじゃ…
「ほむほむ!!ほむほむ!!ソウルジェム貸して!!」
「いきなり何?…」
「ほむほむのソウルジェム穢れてるよね!?そんなクレイジーでサイコなレズなんだから!!」
「…殺すわよ?」
「いいから!!」
「わかったわ。これでいいかしら?」
そう言ってズイッとソウルジェムをみせてくるほむほむ。凄く…綺麗です。
「あれ?少し穢れてた筈だけど…グリーフシードは使った記憶はないわよ」
「ほむほむ、大変な事わかっちゃったZE。俺っちソウルジェムの穢れ取り除けるわ」
「は?」
小説版イーノックはチート