「んっ、あれ?」
俺はなぜかベッドの上で寝ていた。
一瞬はニート生活に戻れたのかとも思った……しかし、それにしては体が痛かった。それに、この風景はモンスターハンターの世界のようだ。エネのやつ………何だってこんなことを………
そんなことを考えていると突然扉が開いた。
「お、やっと起きたのか」
目の前にはこのゲームに出てくる竜人族と呼ばれる種の一人がいた。装備は、ティガレックス一式だった。
「あの、ええと、俺は如月 シンタローです。あなたの名前は?」
俺が質問すると、竜人族は
「私は、センだ。センと呼んでくれ。この村でハンターをしている。」
「あの、セン……俺はいったい………」
俺が言いながら自分の腕を見るといくつかの傷があった。
「あぁ、君はなにも覚えてないのか………。とにかく、集会場へ行こうか。」
俺は言われるままにベッドから降りた。
「あぁ。シンタロー。そこのボックスの中に君の装備が入ってるぞ。まぁ、その体じゃあまだ、狩猟には行けないがね。」
ボックスを開いてなかを見るとユクモ装備やマフモフ装備などの初期装備があった。
「じゃあ、ユクモにするか」
ユクモ装備を来て武器を選ぶ。
大剣にするか…………そう思って持とうとしたがあまりに重く担ぐことはおろか、持つこともできなかった。
他にも、色々あった………しかし、今はガンナーにしておこう。
俺は、ヘビィボウガンを手に取った。
「よし、それじゃあ、シンタロー集会場へ行くぞ。」
俺とセンは、外に出た。そこには、防具屋や、道具屋、恐らくクエストの受注をすることができる掲示板、受付嬢といった、いかにもモンハンでという感じがするような場所が並んでいた。
そして、俺達はそのなかでも異様な装飾が施された『集会場』へ入った。
中は、酒臭くて、みんながわいわいガヤガヤとたわむれていた。
そのなかに一人、異質な姿をした人間がいた。
「アヤノ………。なにやってんだ?」
目の前には、リオレウスの装備をに赤いマフラーをしたアヤノがたっていた。
装備の上からマフラーとは………異質だ
「あ!シンタロー!ここ楽しいよー!!」
「おい、ちょっと待てよ、お前の装備………」
「あ、これ?これ、なんか防具屋のおじさんに真っ赤な鱗とか色々持っていったらくれたんだ~!」
鱗とか………って、もしかして
「ア、アヤノ?お前、リオレウス狩猟したのか………?」
俺が恐る恐る聞くとアヤノは「しゅ、りょう?なに?それ?」と言って首をかしげた。
こいつ………才能有る……
「おや?君たち知り合いだったのか。」
センが近づいてきて言った。
「あ!センさん!こんにちは~!」
アヤノが元気な声でそう言うとセンも「ん、あぁ。こんにちは。」と引き気味に言った。
「センこそ、アヤノとどこで?」
俺がセンに尋ねると色々説明してくれた。
「君より少し前に、この子が村の端で倒れているのを見つけてね。それで私が連れてきたんだ。他にも、何人かいたな。」
あいつらは、俺より先に目を覚ましてここに来たってことか。
つまり、俺は、遅れてんだな。まぁ、すぐに追い付くから問題ねぇけど。
「あぁ。そうだ君の右手についてる傷のことだが………」
俺は、袖を引いて腕を見せた。
「これ………だよな。なんだってこんな傷が…?」
「わぁ~!シンタローかっこいいね」
アヤノが目を輝かせながら俺の腕を見ている
「君を見つけたのは、ここから少し離れた場所に有る『神の領域』という場所でな。私がそこについたとき、君はあるモンスターに襲われていたんだ。」
「あるモンスター?ってなんだ?」
「最近、所々で姿を現し始めた『新種のモンスター』のことだ。そいつらは個体が減ったために、急速に進化した。私たちはそいつらのことを『異常種』と呼んでいる。」
集会所の人々も『異常種』という言葉を聞いて静まり返った。
「話を続けるぞ。君は、その異常種に襲われていた。まさに絶体絶命だった。気を失っていた君はそのモンスターに気付くことはできなかった。そして、異常種が君を踏み潰そうとした瞬間に、やつの頭にどこからか飛んできた弾丸が当たった。少なくともそれは並のハンター等ではない」
俺……死にかけてたのか。
その弾丸を射ったやつにあってみてぇな。
「あの、その人はどこにいたんですか?」
アヤノが俺が聞こうとしたことを先に言った。
「それが………見えなかったんだ。恐らく100m地点からの射撃だ。」
「100m!?」
俺は驚いて大きな声をあげた
「あぁ。異常種は臭いをたどってその人を探しにどこかへと消えた。咆哮をあげながらね。そして、私は残っていた雑魚を倒して君を救助した。と言うわけだ。その傷はあの、異常種につけられたものだよ。」
俺が腕を見つめているとセンは、「死ななくて本当によかった。」と言った。
「セン………俺…その人を探しにいきます。」
俺が袖を戻しながらそう言った
「………そう言うと思ったよ。」
と、センは、止めようとはしなかった。
「シンタロー!私も行って良い!?」
アヤノが真剣な目付きをして俺に聞いてきた。
「あぁ。でも無茶はすんなよ?」
「分かってるって。」
アヤノはそう言ってニコッと笑った
「ん~。しかし、君たち二人でその人を探すのは………そうだ。私が、みなから、情報を集めよう。いいか?」
センは、俺を静かに見つめながら言った。
「あぁ。頼んだ。」
「分かった。それじゃあ、私はこれで。」
そう言ってセンは、集会所から出ていった。
「さてと…………」
俺がアヤノの方を見るとなぜか笑いをこらえていた。
「ん?どうしたんだ?」
「シ、シンタローその装備………ぷっ!ぷははは」
アヤノは床に転がって足をバタバタさせている。
…………おかしい…………アヤノはこんな笑い方はしない。
つまり………
「はぁ………カノかよ。」
「あ~あ~、ばれちゃったか~。」
アヤノの回りの大気が揺らいでカノが現れる。
立ち上がってすぐに 「シンタロー!私も行って良い!?」と言ってきたのでぶん殴った。まぁ、いつもキドの鉄拳を食らっているカノにとっては屁でもないのかもしれないが…………まぁ、顔面にめりこむていどにしたから、罰としては充分か………
っていうか、俺ってこんなに力あったけかな。
「シン………タロー……君……痛い。手を……のけて…」
「ん?あぁ。分かった。」
俺が手をのけるとカノはいつもどおりの笑顔だった。
しかし、それが泣き顔を見せたくないために能力を使ったことを理解した。
「シンタロー君!痛いじゃない!」
「いや、笑顔で言われてもな。」
俺が言い捨てて集会所の受付嬢に話しかけた。
「どーも!クエストの受注ですね?」
「え、あ、はい。」
何でこんなにテンション高いんだよ。この受付嬢。
「ええと、ではこちらの中から選んでくださいね?」
受付嬢は、ボードを指差してこっちを見た。
最初は簡単なやつを………
「じゃあ、これ~!」
カノが割って入ってきた。
カノが指差したのは………上位のリオレウス亜種。
「バァカ。俺らの装備でこんなのは無理だ。」
「そう思うよね~?だ・け・ど!?」
カノの目が赤く煌めいた。
大気が揺らいでカノがいた場所には巨大なティガレックスが現れた。
そうか。ゲームないでも能力は、使えるんだったな。
回りのハンターたちも驚き剣を構え始めた。
「お、おい。そろそろやめとけよ。」
俺がそう言うとティガレックスの回りの大気が揺らいでカノのもとの姿に戻った。
「ふふ~ん。僕と組むでしょ?シンタロー君?」
こいつは確かに戦力になる。
「分かった。それじゃあ、早速行くか。」
「やったー!」
こうして俺とカノは狩りに向かったのだった。
カノとシンタローの初めての狩りが始まった。
クエスト名:天空の王者
クエスト達成条件:リオレウスの狩猟。
場所:高原
報酬:火竜の素材と3600z
依頼人:村人
最近村にあの飛龍リオレウスが現れて村の穀物や家畜を奪っていくんだ。誰か何とかしておくれ!