遊戯王 百鬼夜行のナンバーズ   作:桐山唯

2 / 47
No.1 百鬼現る!No.の脅威

キーンコーン、カーンコーン

授業の終わりを告げるチャイムが教室に鳴り響く。

これで、今日の授業も終わり、放課後となる訳だが…

 

「太一。」

「よう、唯。さて、帰るか。」

「う、うん。」

 

そんな会話を交わし、教室を出ると、周りの景色が灰色に染まる。

周りの動きが止まった?

 

「これは…」

「どう言う事?」

「どうやら、俺達は動けるようだな。」

 

カツ…カツ…カツ…

 

「誰か、来る。」

「俺達がどうして動けるのかは分からないが、この足跡の主は味方か、敵か…」

「ほう、動ける人間が居るか。」

 

フードを被った長身の男が現れる。

 

「その言い方…お前がこの現象を起こした張本人か。」

「ああそうだ。我は『百鬼』の1人。酒呑童子」

「百鬼?」

「ああ。」

 

そう言いながら、フードを外す。

露になったのは肩にかかる程の赤い髪と額から生えた3本の角だった。

 

「っ…」

「唯、大丈夫か…」

 

この威圧感…

そしてその異形の顔立ち…

唯が怯えるのも無理は無い。

俺も恐怖で足が震える。

 

「貴様もデュエリストなら、俺とデュエルしろ。そこの女はどうやら動けなさそうだがな。」

「くっ。」

 

やらなきゃやられる…

そんな生存本能が俺を掻き立てた。

自分を、そして仲間を守るために迷いはなかった。

即座にデュエルディスクを構える。

 

「ほう。普通なら、逃げ出すのだが…。大物か、それとも馬鹿なだけか。」

「「デュエル!」」

 

FIRST TURN:太一

 

「俺の先行。《EMシルバークロウ》を召喚。《バリアバブル》を発動してターン、エンド。」

 

鋭い鉤爪が自慢の銀狼が私の場に現れる。

 

太一 手札3 ライフ8000

モンスター:《シルバークロウ》ATK1800

魔法罠:《バリアバブルバリア》

 

「俺のターン、ドロー。《レスキューラビット》を召喚。」

「か、可愛い…」

 

ヘルメットを被った兎が場に現れる。

唯の通り、見た目は可愛いがその能力は凶悪な物である。

 

「その効果で、《アレキサンドライドラゴン》2体を特殊。」

 

レスキューラビットは異次元へと飛ばされ、代わりに2体のドラゴンが現れる。

場に2体のモンスター…

いや、この場合…

 

「《アレキサンドライドラゴン》で《シルバークロー》を攻撃。」

「《バリアバブル》の効果で、EMは1ターンに一度破壊されない。更に、EMとの戦闘で俺に発生するダメージも0だ。」

 

《アレキサンドライドラゴン》ATK2000VS《シルバークロウ》ATK1800

 

《アレキサンドライドラゴン》の突進して来るが、《バリアブルバリア》の泡に守られる

 

「もう一体の《アレキサンドライドラゴン》で《シルバークロウ》を攻撃。」

 

《アレキサンドライドラゴン》ATK2000VS《シルバークロウ》ATK1800

 

《アレキサンドライドラゴン》の突進が《シルバークロウ》を吹き飛ばす。

一度は《バリアバブル》で守られた《シルバークロウ》も今度は守られず、そのままエクストラに送られる。

 

「メイン2。俺は、レベル4の《アレキサンドライドラゴン》2体でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。《No.82 ハートランドラコ》!」

「ナンバーズ?」

 

聞き慣れない単語に俺は思わず、聞き返してしまう。

 

「ターン、エンド。」

 

太一 手札3 ライフ8000

モンスター:なし

魔法罠:《バリアバブルバリア》

 

酒呑童子 手札5 ライフ8000

モンスター:《ハートランドラコ》ATK2000

魔法罠:なし

 

「俺のターン、ドロー。《フレンドンキー》を召喚。効果で、《ペンデュラムマジシャン》を特殊。」

 

びっくり箱をぶら下げたロバのモンスターが現れる。

そして、そのびっくり箱から現れたのは手品師のモンスター。

《ペンデュラムマジシャン》。

 

「《ペンデュラムマジシャン》の効果。特殊召還に成功した時、自分の場のカードを2枚まで破壊する事で、破壊した数だけ、EMをサーチ。《ペンデュラムマジシャン》と《フレンドンキー》を破壊。《シルバークロウ》と《パートナーガ》をサーチ。」

 

《ペンデュラムマジシャン》と《フレンドンキー》がそれぞれ手品用の箱に隠される。

その直後開いた箱から出て来たのは、2枚のカード。

 

「《ペンデュラムマジシャン》はエクストラに移動。スケール3の《シルバークロウ》とスケール5の《パートナーガ》でペンデュラムスケールをセッティング。」

 

2つの青い柱が現れ、それぞれの柱に赤と黄の縞模様の蛇と《シルバークロウ》が現れる。

 

「ほう、ペンデュラム召喚か。」

「これで、レベル4のモンスターが同時に召喚可能。手札から《ウィップバイパー》と《ファイアマフライオ》、エクストラから《シルバークロウ》と《ペンデュラムマジシャン》をペンデュラム召喚。」

 

手札は使い切ったが、恐らくこれで…

 

「《ウィップバイパー》の効果。場のモンスター1体の攻守を入れ替える。」

 

《ハートランドラコ》ATK2000→1500

 

《シルバークロウ》3600+《シルバークロウ》4100+《ウィップバイパー》2600+《ペンデュラムマジシャン》2400

+《ファイアマフライオ》1700ー《ハートランドラコ》1500=12900

行ける…

 

「《パートナーガ》の効果。場のモンスター1体の攻撃力を場のEM1体に付き、300ポイントアップ。更に、《シルバークロウ》のペンデュラム効果でEMの攻撃力は常時300上昇」

 

《シルバークロウ》ATK1800→3300

《ペンデュラムマジシャン》ATK1500→1800

《ファイアマフライオ》ATK800→1100

《ウィップバイパー》ATK1700→2000

 

「《シルバークロウ》で《ハートランドラコ》を攻撃。《シルバークロウ》の効果で更に、攻撃力を300上げる。」

「《ファイアマフライオ》の効果で《シルバークロウ》にもう一度攻撃をさせ、更にパンプして終わらせる算段だろうが…残念だったな。『No.』は『No.』以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。」

「そんな、馬鹿な…」

 

《シルバークロウ》ATK3300→3600

《ペンデュラムマジシャン》ATK1800→2100

《ファイアマフライオ》ATK1100→1400

《ウィップバイパー》ATK2000→2300

 

《シルバークロウ》ATK3600VS《ハートランドラコ》ATK1500

酒呑童子ライフ80000→5900

 

《シルバークロウ》が《ハートランドラコ》に飛び掛って引き裂こうとするが無傷である。

 

「くっ、《ペンデュラムマジシャン》、《ウィップバイパー》で《ハートランドラコ》を攻撃。」

 

風船の多段破裂や巻き付きで攻撃するも、《ハートランドラコ》は相変わらずの無傷である。

 

《ペンデュラムマジシャン》ATK2100VS《ハートランドラコ》ATK1500

《ウィップバイパー》ATK2300VS《ハートランドラコ》ATK1500

酒呑童子ライフ59000→4500

 

「そんな…太一の全力でライフを半分も削れないなんて…」

「くっ、ターン、エンド。」

 

太一 手札0 ライフ8000

モンスター:《ウィップバイパー》ATK2000、《ペンデュラムマジシャン》ATK1500、《シルバークロウ》ATK2100、

《ファイヤマフライオ》ATK1100

魔法罠:《バリアバブル》、《シルバークロウ》(3)、《パートナーガ》(5)

 

酒呑童子 手札5 ライフ4500

モンスター:《ハートランドラコ》ATK2000

魔法罠:なし

 

「俺のターン、ドロー。《ハーピィの羽箒》を発動。吹っ飛べぇ!」

「これじゃぁペンデュラム召喚出来ない…!」

「それだけじゃねぇ…」

 

《ウィップバイパー》ATK2000→1700

《ペンデュラムマジシャン》ATK1800→1500

《シルバークロウ》ATK2100→1800

《ファイヤマフライオ》ATK1100→800

 

「《シルバークロウ》のペンデュラム効果が無くなったから攻撃力が…しかも、《バリアバブル》がなくなったせいでEMや太一を守る壁すらない…」

「《エクシーズユニット》と《閃光の双剣トライス》を《ハートランドラコ》に装備。《エクシーズテリトリー》を発動。」

 

《ハートランドラコ》ATK2000→3100

 

攻撃力3100の二回攻撃…

 

「《ハートランドラコ》の効果を発動。素材を1つ取り除いて、直接攻撃を可能にする。」

 

更に、直接攻撃まで…

ハーピィからの逆転は不可か…

 

「《ハートランドラコ》でダイレクト。」

 

《ハートランドラコ》は突風を起こし、俺を吹き飛ばす。

 

「グッ。」

「もう一発。」

「うぅ…」

 

太一ライフ8000→4900→1800

 

「太一、大丈夫?」

 

数メートル程吹き飛ばされ、廊下の端の壁に叩き付けられた俺に唯が心配そうな声をかける。

 

「あ、ああ。何とか。だが…何故、実体化して…」

「闇のデュエルは初めてか。このデュエルでは、カードが実体化して、ダメージも実際に発生する。」

「そんな…」

 

闇のデュエル…ダメージが実体化するってマジか…

唯にはああ言ったが、体のあちこちが痛い。

 

「はぁ、はぁ…。どうしてこんなデュエルをする?他の皆の時を止めた事も含め、只者じゃねぇよな。」

「狩られる側には知る必要の無い事だ。ターン、エンド。」

 

太一 手札0 ライフ1800

モンスター:《ウィップバイパー》ATK2000、《ペンデュラムマジシャン》ATK1500、《シルバークロウ》ATK1800、

《ファイヤマフライオ》ATK1100

魔法罠:なし

 

酒呑童子 手札1 ライフ4500

モンスター:《ハートランドラコ》ATK3100

魔法罠:《エクシーズテリトリー》、《エクシーズユニット》、《トライス》

 

「私のターン、ドロー。《ウィップバイパー》の効果で《ハートランドラコ》の攻守を反転…」

 

《ハートランドラコ》ATK3100→2300

 

「《シルバークロウ》で《ハートランドラコ》を攻撃。」

 

攻撃宣言を行ったのに、《シルバークロウ》は動こうとしない。

 

「どう、して…」

「残念だが、魔法が俺の場にある限り、《ハートランドラコ》は攻撃対象にならない。」

「《一時休戦》を発動。互いに1枚ドロー。ターン、エンド。」

 

太一 手札1 ライフ1800

モンスター:《ウィップバイパー》ATK1700、《ペンデュラムマジシャン》ATK1500、《シルバークロウ》ATK1800、

《ファイヤマフライオ》ATK800

魔法罠:

 

酒呑童子 手札2 ライフ4500

モンスター:《ハートランドラコ》ATK3100

魔法罠:《エクシーズテリトリー》、《エクシーズユニット》、《トライス》

 

「俺のターン、ドロー。《ハートランドラコ》で《シルバークロウ》と《ウィップバイパー》を攻撃。」

 

《ハートランドラコ》の暴風により、《シルバークロウ》と《ウィップバイパー》は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

 

「ぐっ。2枚ともエクストラへ。」

「カードを2枚伏せる。ターン、エンド。」

 

俺が伏せたのは、《次元幽閉》《ミラーフォース》。更に、手札には《速攻のかかし》…

この布陣は突破出来まい。

 

太一 手札1 ライフ1800

モンスター:《ペンデュラムマジシャン》ATK1500、《ファイヤマフライオ》ATK800

魔法罠:なし

 

酒呑童子 手札0 ライフ4500

モンスター:《ハートランドラコ》ATK3100

魔法罠:《エクシーズテリトリー》、《エクシーズユニット》、《トライス》、伏せ3

 

(この絶体絶命の状況…どうすれば…)

「俺のターン、ドロー。《レスキューラット》をペンデュラムスケールにセッティング。その効果で、自身を除外し、エクストラの《シルバークロウ》と《パートナーガ》を手札に。」

 

再び、青い柱が現れ、そこにはヘルメットを被ったネズミが居た。

その《レスキューラット》は除外され、二枚のカードになる。

 

「《ハーピィの羽箒》で魔法罠を全て破壊。」

 

これが、俺の全力…これ以上は…

ー我を、使え。

 

「唯?何か言ったか?」

「いや、何も言って無いけど…。って、太一。エクストラ、エクストラ!」

「エクストラが…どうし…何だ、この光?」

 

急にエクストラが光り出す。

まさかと思い、エクストラを取り出す。

《ウィップバイパー》《シルバークロウ》、そして裏向きのカードが一枚…

《No.39希望皇ホープ》…

 

「お前が、呼んだのか?」

「ちょっと、太一。どうしたの?」

「このデュエル、手札誘発でも無い限り、俺の勝ちだ。」

「それってどう言う…」

 

そう、このカードは逆転の「希望」なのだから。

 

「《シルバークロウ》と《パートナーガ》でペンデュラムスケールをセッティング。これで、再び、レベル4のモンスターが同時に召喚可能。ペンデュラム召喚。現れよ、《ウィップバイパー》、《シルバークロウ》!」

「また懲りずにモンスターを並べやがって。そんなんじゃ、俺を倒せねぇんだよ。」

「《パートナーガ》の効果。《シルバークロウ》の攻撃力を1200上げる。」

 

《シルバークロウ》ATK1800→3300

 

「《ウィップバイパー》の効果。相手モンスター1体の攻撃力と守備力を入れ替える。」

 

《ハートランドラコ》ATK2000→1500

 

「レベル4の《ウィップバイパー》と《ペンデュラムマジシャン》でオーバーレイ。俺の戦いはここから始まる!白き翼に望みを託せ!現れろNo.39!!光の使者《希望皇ホープ》!!」

「貴様もナンバーズ…だと…?!」

「太一、凄い!」

 

ナンバーズはナンバーズでしか破壊できない…

なら、破壊してやるよ。ナンバーズでな!

 

「《ホープ》で《ハートランドラコ》を攻撃。ホープ剣スラッシュ!」

 

腰に提げていた二本の剣を抜き、その剣で《ハートランドラコ》を撃墜する。

 

《ホープ》ATK2500VS《ハートランドラコ》ATK1500

酒呑童子ライフ4500→3500

 

「《マフライオ》の効果。《ホープ》の攻撃力を200上げ、再び攻撃を出来るようにする。もう一度切り裂け、ホープ剣スラッシュ!」

 

ホープは酒呑童子を狙うが、その前に案山子が現れる。

 

「手札の《速攻のかかし》の効果。直接攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる。」

「残念だが、このターンで終わりだ。《ホープ》の効果。素材を1つ取り除く事で、相手又は自分のモンスターの攻撃を無効にする。」

「それに何の…はっ!」

「気付いたか。《かかし》は攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる。つまり、攻撃を無効に出来なければ不発だ。《シルバークロウ》でダイレクト。」

 

《シルバークロウ》ATK3300→3600

酒呑童子ライフ3500→0

 

「ぐはっ。」

 

WINNER:太一

 

「こんなデュエル、二度とさせるんじゃねぇ。」

「くっ。だが、まさか我等以外にナンバーズを扱える物が居るとは。これは楽しみだ。精々、頑張るんだな。そこの譲ちゃんも。」

 

そう言いながら、地面から突如現れた闇に飲まれて行く。

 

「酒呑童子…厄介なデュエリストだった。何だ、このナンバーズって…」

「太一、これ…」

 

唯が持っていたのは《ハートランドラコ》のカードだった。

 

「それは、お前が持っとけ。お前のデッキとも相性は良いしな。」

「だけど…」

「極力、俺が助けるが何時あんな奴が来るかも分からん。」

 

きっつ…。

ダメージが現実になる…か。極力アイツには無理をさせないようにしないとな。

 

「太一、大丈夫?」

「ああ。何とかな。」

 

幸いと言うべきか、俺達が入手したのは両方、防御効果のナンバーズ。これなら、多少は何とかなるだろう。

さて、問題は…さっきのような物が未だ続いていると言う事だ。

 

「出て来たらどうだ?」

「え?」

 

青紫のコートに赤いスカーフを身につけている青年が壁の影から現れた。

 

「お前も百鬼か?百鬼なら俺が相手だ。」

「違う、それは誤解だ…」

「なら、何故ナンバーズを持っている?そして回収したよな?」

「それは…」

 

くっ。この流れ…

 

「唯、良い。デュエリストなら、デュエルで語る物だろう?俺が負ければ好きにすれば良い。」

「分かった。」

「お前の名は?」

「俺の名は黒咲隼。」

 

何としても、ここは勝って誤解を解くしかない…




最初のデュエルはこんな感じですかね。
ナンバーズの強さを主人公達に叩き込むために装備魔法軸の《ハートランドラコ》デッキを使わせました。
では次回予告です。

隼の使うRRの展開力に圧倒される俺。
だが、この勝負、何としても負ける訳にはいかない。
EMにホープ、俺に力を貸してくれ。
次回、「No.2 急襲の隼」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。