鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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これを読み終わったあとに読者は

「おいこれ完全にアウトだろ」

という!


十三話

夕方になり、ついに管理局見学は終了を迎えた。

とりあえず管理局の魔王、その力の一端を見ることができたので非常に有意義な時間となった。

高町一等空尉が生きている限りは平和が続くんだと思う。

 

「どうだったかな、チヒロくん」

 

高町一等空尉が話しかけてきた。

ちなみにヴィクターとジークは俺たちに売られてむくれてしまったヴィータさんをなだめている。

 

「いやぁ……なんて言うか……大変ですね」

 

あなたに追われる犯罪者が。

 

「あはは、そんなにお仕事って大変じゃないよ?」

「あぁ、それではなくて……」

「あれ? 違った? じゃあ何かな?」

「いえ……なんでもなーーーーっ!?」

 

またあの視線だ。これは……すぐ後ろからだ。

勢いよく振り向く。

そこには……

 

 

『ハァ…………ハァ…………なのは…………ハァハァ………………あぁ……なのは…………ハァ…………!』

 

 

「なんっ……!?」

 

何かいる。

ハァハァ言ってる変なのがいる。

それは壁の影に隠れて顔を半分だけ覗かせてこちらをーーーー高町一等空尉をただひたすらに見つめ続けていた。

 

「やっぱり……チヒロくんはアレ(・・)が分かるんだね?」

「な、何ですか……あれ」

 

高町一等空尉の方を向く。

彼女は神妙な顔をして切り出した。

 

「アレはね、なぜか他の人には正しく認識できないの」

「正しく認識できない……?」

「うん。親友にも相談したんだけど……たまたまそこに居合わせただけでしょって言われるだけなんだ。他にも上司とか後輩とかにも相談したけどみんな同じ答え」

 

いやアレはそんな生易しいもんじゃないだろ。

居合わせたとかそんな次元じゃない。

 

「しかも私以外の人間では見つけることすらできなかった……そう、君以外は」

 

やばい。

なんか予想ついた。

 

 

「ーーーーユーノ・スクライア。無限書庫の総合司書長にして、私のストーカー」

 

 

「……高町一等空尉。これ見てください」

 

ストラトスちゃんからのメールを見せる。

 

「これは?」

「今日、見学中に来たメールです」

 

高町一等空尉が端末の画面から顔を上げ、俺の顔を見つめる。

 

「……まず、こいつにアドレスを教えた覚えはありません。しかもこの添付されている植木鉢の写真ですが……これ、俺の部屋の中にあるんです」

 

高町一等空尉が目を大きく見開いた。

俺も彼女を見つめ返す。

 

「それだけじゃありません。俺の行動はすべて筒抜けで、下校する時は追いかけられます。家に帰っても明け方までドアノブをガチャガチャされ……そんな毎日を送っています」

 

俺の現状を告げたあと、数秒の間、無言のまま見つめ合う。

そしてーーーー

 

「チヒロくんッ!」

「高町一等空尉……いや、なのはさんッ!」

 

ひし、と抱き合う。

 

「辛かったよね……怖かったよね……わかる、わかるよ!」

「そちらこそ……あんなのに……!」

 

『ハァハァ……なのは…………NTRプレイかい……? それはそれで…………!』

 

悲惨だ。

俺なんかよりずっと。

まだストラトスちゃんのが可愛いげがある。

 

「チヒロくん……もう一人じゃないよ。これからは……私がいるから……!」

 

なんと心強いことか。

魔王とか言ってごめんなさい。せいぜい悪魔くらいでした。

 

「強く生きていきましょう!」

「うん……そうだね!」

 

ーーーーこの日、俺は親友(同志)を得た。

 

 

「何やってんだ……あいつら」

「さぁ……?」

「むぅぅぅぅ……!」

 

『ハァハァ……なのは可愛いよなのは…………ハァ……ハァ……!』

 

……さすがにストラトスちゃんをこの人と同列に語るのは可哀想かなぁ……?

 

 




フェイトだと思った?
残念、ユーノでした!
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