鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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六十話

「なぁ」

「ふも?」

 

とある朝のこと。

いつも通りハリーお手製の朝食を食べていたとき、ハリーが話し掛けてきた。

 

「お前さ、ジークといつ知り合ったんだよ?」

 

ジークと?

 

「なんでまた」

「……いや……気になってな」

 

ふむ……。

 

「確かあれは……一年前の夏だったか。うだるような猛暑日のことだ」

 

……ん?

猛暑日?

 

「あれ……夏にしては涼しかった日だっけ? いや、台風の日……ではないか。あれ? くもりの日だっけ?」

「いやオレに聞かれても……。ていうか、それはいいから経緯を話せよ」

 

……あの時は……そうだ。

暇だったからどこに行くわけでもなくふらふらと散歩してたんだっけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁぁ……暇だなぁ……」

 

こうして(アパート)から出てきたのはいいものの……することないなぁ。

 

「あっついし……」

 

快晴だよ。

本当になんで外に出てきたんだろう……。

 

 

 

ーーーーぐにゅっ。

 

 

 

「……ん?」

 

何か踏んだ。

 

「……ん~?」

 

全身真っ黒い、人ひとり分ほどの大きさの何か。

俺の右足が踏んでいる部分ーーーー頭から生える二本の触角(・・)のようなもの。

これはーーーー!

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁああああでっかいゴキブリ踏んだぁぁぁぁぁぁぁぁああああッッッ!!!」

 

 

 

 

「う……うぅん…………お腹空いた………………ゴハン……」

「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あむっ…………はむっ……!」

 

あの後、ゴキブリは俺の足にしがみついて『ゴハン…………ゴハン、ください……』と離れなかった。

人の目もあり、とりあえず抱えて自宅へと帰ってきた。

 

「あぐあぐ…………おいしぃぃぃ……!」

 

冷蔵庫にあったもので適当に料理し、恐る恐る差し出すとゴキブリは貪るようにそれを食べ始めた。今ここ。

 

「……最近のゴキブリは食器も使えるのか」

 

こういう(人型)ゴキブリって月だか火星だかにいるんじゃあないの?

なに? ミッド侵略に来たの?

 

「んぐっ……ぷへぁ…………生き返ったぁ……!」

 

人型ゴキブリが飯を食べ終えたようだ。

 

「おーきになぁ。ほんまに助かったよ」

「えっ、あっ、いや……うん」

 

やっべぇ……俺……今、異種族と交流してるよ……!

言葉通じるんだ。すげぇ。

 

「えっと……ゴ……あなたのお名前は?」

「あ、そーやった! 自己紹介がまだやったね!」

 

オホン、とわざとらしく咳払いをして人型ゴキブリは姿勢を正した。

 

 

(ウチ)はジークリンデ・エレミア。『ジーク』でええよ?」

 

 

 

 

ーーーーこれが、俺の人生最大にして最高の友人(おもちゃ)との出会いの瞬間だった。

 

……あ、いや、友ゴキか。

 

 




おまけ
《襲い来る、新たなる試練 ※委員長視点》

「あれがアンタたちの言っていた黒幕?」
「……おそらく」

ツインテールの娘の質問に妹さんが答える。
そう、なんだ……あれが。

「でも……兄様の交遊関係であんな娘に見覚えはありません」

……は、把握してるんだね。

「……誰か彼女を知っている方は?」
「アタシは知らないわ」
「わ、私も……」
「わっ、私も知りません……というか誰かこの状況の説明を……!」

すると、件の少女がゆっくり歩み出てくる。
そしてーーーー。


「……キュルキュル」


「へっ……?」

何……?

「そのしゃべり方は……まさかっ……!?」

妹さん……心当たりがあるの!?



早読み(はやよみ)ちゃん……なんですか……!?」


to be continued……

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