イチャラブが書きたい。
そんなこの頃。
「…マッズ」
思わずポツリと出た言葉。
それは、この状況をあまりにも的確に表していた。
二十一画の令呪。
いや、今は十九画か。
それは後十九回、ジャンヌに対して行動を強制する権利をあいつが握っているということ。
使い方次第では、俺に対する最上級のカードになることは確実だ。
実際に今、俺はジャンヌを振り払うこともできず、動きを止められてしまっている。
まあ、そんな状況でも、
「分体三十体解放」
俺の全身から溢れ出る、三十体の獣たち。
戦闘で使用するのは随分と久方ぶりだ。
「ハッ!それがお前の能力か!」
「そうだよ」
俺はジャンヌで抑えられていても、分体は別。
500年前は『混濁の壁』しかエヴァンジェリンには見せていなかったから、分体を個々で見せるのはこれが初めてだったな。
エヴァンジェリンに詰め寄り、その爪で、その牙で、その角でエヴァンジェリンを仕留めようとする分体たち。
さて、魔法か?それとも他の何だ?
さあ、どう出る?
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」
「魔法か!」
エヴァンジェリンの口から出たのは、魔法の始動キー。
原作では氷と闇の魔法を得手としていたことを考えると、分体を凍らせる気か?
だったら、最悪火を噴ける幻想種でも出しt………、ちょっと待て。
エヴァンジェリンの影が広がり、そこから何かが這いずり出す。
ということは、今使っているのは『ゲート』の魔法か?
エヴァンジェリンクラスの魔法使いなら、始動キーなしでもいけるはずだが。
俺の分体が迫る中現れたそれは、
「『砂鉄界法』!」
「『三代目風影』だと?!」
驚愕する俺をよそに、展開された砂鉄の棘で挟まれる様にして固定され、動きを阻まれる分体たち。
なるほど、始動キーは『砂鉄界法』のためのものだったか。
確かに、分体たちを止める方法としては間違っていない。
だが、凍らせたほうが確実性は高かったんじゃないか?
そもそも、『NARUTO』に出てきた人間の死体を素体として造られる『人傀儡』である『三代目風影』をどうやって手に入れた?
転生特典で手に入れた奴がいて、そいつの死後はアリアドネーに放り込まれていたのか?
「ほら、また表情に出ているぞ?」
「チッ!」
エヴァンジェリンの指摘に、舌打ちをする。
基本的に、たとえ相手のほうが強くても自分は追い詰める立場だったから、こういうときにはどうにも弱いな。
「そら、次だ!」」
精神的に余裕のない俺の態勢が整わないうちに、影から別の人型の何かが来る。
これは、
「『あるるかん』?!」
「その通りだ!」
今度は『からくりサーカス』の『あるるかん』か!
しかも性能向上した完全版の!
「『
砂鉄の檻を潜り抜けながら、巨大な刃を剥き出しにして向かってくる『あるるかん(完全版)』。
だが、『破魔の紅薔薇』でもないただのデカイ刃が、俺を切り裂けるか?
なんにしろ、警戒して迎撃の姿勢を取るべきではあるな。
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」
また始動キー?
人形を操っているのに、何の魔法を使う気だ?
そう、思った瞬間。
ずぶっ
「………六禄さん!!」
「…またかよ」
「ケケケ。マタサ」
背中に何かが刺さった感触。
本来ならば分体が反射的に防ぐであろうその凶刃は、俺を抑えているジャンヌがいるので分体を出さないようにしていたため、しっかりと、深々と刺さった。
刺しているのは、緑色の髪をした小さい人形。
俺の背中から抜かれたそれを見ると、ジャンヌが俺に刺したの物とまったく同じものだった。
「…二振りあったのかよ」
「穂先の幅が、丁度二振り作るのに都合が良くてな。ちなみに、そっちのナイフには『ボツリヌストキシン』が塗ってある」
俺の呟きに、親切にも答えてくれるエヴァンジェリン。
まさか、『三代目風影』も、『あるるかん(完全版)』も、始動キーも、全部俺の注意をエヴァンジェリンに集めるためのものだったとはな。
「…クソッたれ」
悪態を吐いた瞬間。
再び俺の意識は消えた。
チャチャゼロと三代目風影、あるるかんが登場しました。
ほら、エヴァンジェリンは『
しかし、なんとも毒殺に弱いな主人公。