魔法世界の混沌   作:逸環

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お久しぶりです!
生きてました!


英国文化研究倶楽部

「神父さん!『英国文化研究倶楽部』の特別顧問になってください!!」

 

「…は、なんだって?」

 

 

晴れた昼下がり。

珈琲とクッキーでお茶をしていたら、いきなり数人を引き連れて駆け込んできた明日菜の言葉に、思わず耳を疑った。

『英国文化研究倶楽部』?

 

 

「私達、ネギの故郷のイギリスの文化を深く知るために部活を作ろうと思っているんですけど、それには顧問が必要なんです!」

 

「いや、俺学校関係者じゃないよね?」

 

 

何故神父の俺に頼んだ。

先生に頼みなさい、先生に。

部費の出ない同好会からでも、学業的な目的のためなら顧問をしてくれるから。

 

ちなみに俺は中学時代は帰宅部だったし、やんちゃしてた頃から落ち着いた高校の頃はゲーム同好会とか麻雀同好会とかを兼部していた。

合法的に他人の金でMMORPGをやろうと思ってPC研究会とやらにも入らせてもらおうと思ったが、部員へのカツあげ目的と思われて入部を拒否されたのは悪い思い出だ。

そう、悪い思い出。

 

あれだね、人間かつての行いってのは巡り巡って自分に降りかかるもんだね。

 

 

「いや、聖ウルスラで授業を持ってたりするじゃないですか」

 

「お前学校違うのに顧問できると思ったのか?」

 

 

確かに、神父という立場上麻帆羅の敷地内にあるミッションスクールの神学を担当したりしているが、それでも立場はバイトだからな?

部活の監督責任は持てないし、そもそも麻帆羅の中等では教えてないぞ。

何故俺で大丈夫だと思ったんだ。

 

 

「…え?ダメなんですか?」

 

「え?何で大丈夫だと思ってたの?」

 

「ダメなの!?」

 

「デスメガネにでも頼んで来いぃぃぃッッ!!」

 

「高畑先生にはもう断られてるのよ!」

 

 

あ、そうだったの。

ヒートアップした空気を沈めるため、珈琲を一口啜って一息つく。

 

でも、だからって何で俺のところに。

 

 

「その高畑先生が、『六禄さんなら大丈夫じゃないかな?』って言ってたんです」

 

「だからなんで俺だったら大丈夫だと思うんだ」

 

「…実は部活の本当の目的が関係してて」

 

「あん?」

 

 

本当の目的?

イギリスの文化を知るっていう同好会のか?

 

 

「…明日菜さん、それは僕に言わせてください」

 

「…ネギ」

 

 

どこか決意を込めた表情で、歩み寄るネギ。

なんともまあ、あの日から少し大人びてきて。

子供の成長は、切欠さえあれば早いものだね。

うちのガキどもにも、何か良い切欠があれば良いんだが…。

 

 

「僕は夏休みを利用して、魔法世界にお父さんを探しに行きたいんです。そのためには、まだまだ僕は力不足だし、付いてきてくださる皆さんもそれは同じです」

 

「なら、行かなきゃ良い。第一、お前の父親は魔法世界はおろか世界中の魔法関係者が探し続けているのに、この十年未だに見つかっちゃいない。魔法世界に行ったところで。無駄足かもしれないぞ?」

 

 

決意した男に向かって、言っても無駄でだろうが正論を叩きつけてはおく。

どうせそう言って止めても、無駄なんだろうが。

 

 

「…自分で言うのもなんですが、僕は天才です」

 

「…ん?」

 

 

どうしたんだ、急に?

 

 

「やらない理由を書き並べてリストアップすることもできるし、それを壁に貼って眺めて、自分が『賢い』ことを自覚することだってできます」

 

 

だが、お前はそれをしないんだろう?

なぜならお前は----

 

 

「だけど僕は、お父さんに会いたいんです」

 

 

『男の子』だものなぁ。

 

 

「…俺は立場上顧問にはなれない」

 

「ちょっと!ネギがここまで言ってるのに「だが、監督にはなれる」…え?」

 

 

実際、手っ取り早い解決方法はあるんだ。

部活動申請でも、俺が関わるにしても。

 

 

「顧問はネギ、監督は俺で申請すれば大丈夫だろうさ」

 

 

どうせ後は、近右衛門(財布)がどうにかしてくれるだろうしな。

 

 

「…それって」

 

「クカカ!まあ、任せろ。ガキどもの相手も稽古もなれている」

 

 

明日菜たちがキョトンとしながら、こちらを見る。

ネギは満面の笑みだ。

 

 

「とはいえ、俺ができるのは肉体改造くらいで、魔法は教えられん。そっちはうちの嫁に任せることにするから、後で挨拶しておけ」

 

 

俺は魔法は覚えなかったからなぁ。

覚える機会はあったはずなんだが、何で覚えなかったんだか。

…覚える必要性を感じなかったからか?

大抵は十二の試練でカバーできるし、そもそも肉体スペックを上げたせいで素手の戦闘力が上がりすぎたし。

 

 

「え、えっと!よろしくお願いします!!」

 

「「「「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」」」」

 

「おう、よろしく」

 

 

頭を下げる子供たちに、片手を軽く挙げて応える。

さて、どう育てたものやら。

魔法を無効化する明日菜はそれこそ肉体改造で良いとして、他の連中がなぁ。

木乃香、夕映、ブン屋、のどかはジャンヌに任せて後方支援か?

他は俺が叩いて伸ばすか。

ハルナだけは例外的に、男のロマンを叩き込んでゴーレムのクオリティとロマンの底上げをしようじゃないか。

 

…ククッ!

男の中二病は不治の病よ!!

 

 

「…あのー、六禄さんそんな悪い笑顔をすると、皆さんおびえるので………」

 

 

おっと、うっかり。

 

…だが、まあ。

どんなことになろうとも、必ず生きて戻れるようには、しなきゃならんだろうなぁ……。

こんな子供達を命の危険がまるで保障されない環境に送り込む手助けをするとは、我ながら事故嫌悪だな。

 

なあ、神様よ。

願わくば、こいつらを守ってやってくれないか。

 

十字を切り、そう願う。

 

 

 

 




ここまで更新が遅れたのは、私自身の身に色々あったことや、別の物を書いたりなどしていたためです。
申し訳ありません。
私自身のスケジュール次第にはなりますが、隔週に一回の更新ペースを守りたいとは思いますので、今後も魔法世界の混沌をよろしくお願いします。
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