魔法世界の混沌   作:逸環

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明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!


キャスター

教会の外、誰も立ち入らない森の奥。

ジャンヌの構築した結界に守られたそこは、俺たちの秘密の修行場所。

 

 

「よーし、お前ら。手足にバンドつけたな?」

 

「「「「「はーい」」」」」

 

 

真名、刹那、小太郎、楓、古の前に立ち、つけるものをつけたか確認する。

よしよし、皆良い子だな。

それではさっそく。

 

 

「ポチッとな」

 

 

ドズンッッ!!!

 

 

「「「「「ッッ!!?」」」」」

 

 

俺がポケットに入れてたスイッチを押すと、五人の手足に付けられたバンドがそれぞれの気を吸収し、重さを増した。

大体、一つ50kgってとこか。

その結果は、

 

 

「まあ、こうなるわな」

 

「「「「「~~~~~~ッッ!?」」」」」

 

 

両手足を地面にめり込ませ、跪く五人の完成というわけだ。

 

 

「ククッ、予想通りと言うか何と言うか。だな」

 

「と、父さん!これは何なんだ!?」

 

 

お、真名は口を利くだけの精神状態に持ってきたか。

よし、説明してやろうじゃないか。

 

 

「それは超謹製の身に着けている者の気を吸い取って重くなるバンド、『DBバンド』だ!!」

 

「絶対に命名父さんだろう!?」

 

 

何故分かったし。

まあ、そんなことは、どうでもいい。

 

 

「さて、お前ら。早速だが気を全身に回して身体機能を上げろ。そうでないと、いつまでも跪いたままだぞ」

 

 

俺の言葉に応じ、それぞれが気を運用して肉体強化をしていく。

それでも、

 

 

「…だいぶ、ふらふらするでござるな…」

 

「立てるだけマシ…と思わなあかん…よ、忍者のネーちゃん…」

 

「そうやね…」

 

「うぬぅぅぅ……」

 

「これは…辛いな…」

 

全員、立つところまでが精一杯だった。

それもそうだろう。

それなりの量の気を外部に持っていかれている上に、重量自体は合計200kg。

肉体強化をしても、立つまで出精一杯で当たり前。

 

 

「…それじゃあ困るんだよなぁ」

 

「「「「「ッッ!!!」」」」」

 

 

一瞬。

本当に一瞬だけ『殺気』を出す。

これまでこいつらが味わったことがない、特濃のものを。

 

 

「お前らが行く先には、それをつけたまま戦闘を簡単にできる連中がうじゃうじゃいる。…死ぬぞ?」

 

 

だから、立て。

こんなところで躓いている時間はないんだ。

お前たちなら、それができるから。

 

 

「…ォ、オォォォ……」

 

 

不意に、真名の口から声が漏れる。

それは徐々に、徐々に大きくなり、

 

 

「オオオォォォォォッッッ!!!」

 

 

まだ立てるはずもない状態で、立ち上がった。

 

 

「…クハッ。…嘘だろう………?」

 

 

我が娘とはいえ、これはまさかだな…。

あの程度の強化じゃあ、せいぜい重量の負荷に耐え切れる程度だろうに。

ほら、今だってそんな脂汗を流して、震えてるじゃあないか。

 

 

「…だが、最高だ」

 

 

聞こえないように、唇を動かずに小声で言う。

そして真名に触発され、呼応するように。

徐々に他の面子も立ち上がり始める。

 

なるほど。

お前達は間違いなく、天才だな。

そして、一級以上の、最高の根性もある。

 

だから、早々過ぎるがこれを始めても大丈夫だろう。

 

 

「良いか、お前ら。今から俺を、『水無月 六禄』だと思うな」

 

「「「「「………?」」」」」

 

 

何のことか分からないといった風の5人を置き、|タバコを咥えて意識を父親から切り替える。

500年の長きを生きる吸血鬼『水無月 六禄』から、その内に虚ろを抱えた悪童『柳田 正晴』へと。

ここから先には、父親としての、年上としての情など挟めない。

 

 

「…そのままで良いが、これから実戦形式でやるぞ」

 

「「「「「…ッッ!?」」」」」

 

 

5人がそれぞれ、何かが変わったことを理解し、無理やりに、しかし重さのせいで緩慢に身体を動かして備える。

…さて、それじゃあ始めようか。

 

 

「覚悟しろよ…?」

 

 

 

 

 

 

 

魔法世界は、これより厳しいぞ?

 

 

 

 




さて、長くなりましたが次回からが魔法世界編になります。
次回からの展開を、お楽しみに!
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