魔法世界の混沌   作:逸環

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ついこの間年が明けたと思ったら、そろそろ一月経ちますね。
そんなことより、始まります!(


英雄の弟子

「…なるほど。原理は分からないけど、鉄壁というより他ないね」

 

「ククッ!そういうこったなぁ」

 

 

ゲートを『混濁の壁』で守ると、白髪が口を開く。

さっきのには正直、『十二の試練』を突破されるランクの攻撃じゃないかと不安ではあったが、防げたから結果オーライだ。

おおよそだが、上限ギリギリのBランクといったところか?

まあ、そんなことは、どうでもいい。

 

 

「さて、どうする?そっちのは通用しないぞ?」

 

「…ふむ、確かに君がいる限り目的を達成するのは難しそうだ」

 

「クハハッ!目的の達成?それ以前にここでやられそうなのにか?」

 

 

ゲートの破壊は、俺がいる限り実質不可能。

この状況では作戦失敗での逃走が成功するかどうかだと思うが?

 

 

「ああ。簡単な話だよ」

 

「あん?」

 

 

簡単?

俺を相手にするのがか?

出し抜くのがか?

…いや、そんなわけがないか。

こいつは、そういう(・・・・)やつじゃない。

 

 

君がここにいなければ良いんだ(・・・・・・・・・・・・・・)

 

「『無限抱擁(エンコンパンデンティア・インフィニータ)』!!」

 

「…ッ!?」

 

 

ヤツが言葉をつむいだ直後。

突然、背後から聞こえた女の子の声。

そして突然変わった周囲の景色。

 

 

「…おいおい、こう来るかよ」

 

 

巨大な無地の立方体が無数に浮かぶ空。

その立方体の一つの上に、いつの間にか立っていた。

 

 

「…あなたは、危険すぎる」

 

「ここで足止めさせてもらうわよ!」

 

 

向かいにある立方体の上に立つ、ネコミミと角娘のコンビ。

この空間はたしか、角娘の方のアーティファクトだったか?

無限に続く空間に、対象を閉じ込めるとかいう。

 

っと、ん?

 

 

「…あれ、俺だけか?」

 

 

閉じ込められたのが、お嬢ちゃん二人と俺だけ。

つまり、こっち陣営では俺しか閉じ込められていないという状況。

 

 

「そうよ!英雄であるあなたさえ足止めできれば良いんだからね!」

 

 

…ふむ。

俺と同じく英雄である(・・・・・・・・・・)ジャンヌがこの空間にいないということは、恐らく『完全なる世界』の連中が掴んでいる情報には、ジャンヌが戻ったことはないということか?

もしくは、ジャンヌの危険度を低く見積もっているかか?

まあ、なんにせよ大丈夫だろう。

 

 

「おい、ガキども」

 

「ヒッ!?…な、なによ!」

 

「何…?」

 

 

何せ現場には、

 

 

「俺の弟子どもを、嘗めるなよ?」

 

 

あいつらがいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっとー…」

 

 

僕の目の前に立つフェイト。

修学旅行の時には強大な敵だと思ったけど…。

 

 

「…弱くなった?」

 

「…酷いことを言うね、ネギ君」

 

 

彼は既に、満身創痍だった。

修学旅行の時には手も足を出せなかった、あの彼が。

それに対して、僕の身体には多少の擦り傷や打ち身はあるけれどもそれだけ。

僕達の間には今、大きな差が生まれていた。

 

 

「英雄に師事をしたんだろうけど…、ここまで強くなっているとはね。僕の攻撃が、まるで当たりやしない」

 

「あはは…、色々教わったからね」

 

 

実のところ、結構ギリギリではあった。

フェイトの攻撃は全て、本来なら僕が避けたり受けることが敵わないような攻撃だった。

だが、六禄さんが僕に集中的に教えてくれたのは『意図的な反射』をはじめとする、回避や防御の手段。

攻め手が欲しかった僕としては不満だったし疑問だったから、あるとき聞いてみた。

 

『何故、回避や防御ばかり教えるのか?』と。

 

答えは明快だった。

 

『どんなに強い攻撃ができても、相手のワンパンで沈んだら意味がない』。

 

僕の使える最強の魔法に、対軍クラスの『千の雷』がある。

だけど、これは今までなら戦闘中には使えなかった。

座標指定や詠唱の長さのせいで、20秒以上の時間が必要だったから。

20秒どころか5秒もあれば、確実に使おうとしている間に敵にやられてしまう。

どれほど強力な攻撃が使えても、それを行使する前にやられては意味がない。

だからこそ六禄さんは、回避のための目の使い方や歩法。

防御のための姿勢や構え、重心の動かし方を教えてくれた。

 

隣で皆が拳を振るう時間よりも長い時間、受身を取った。

皆が六禄さんと組み合う時間よりも長い時間、彼の拳を受け続けた。

その結果が、今の僕。

後の先を取り、自身の傷を抑えて必殺の一撃を叩き込む。

 

 

「まあ、覚えといてよ」

 

 

ジャンヌさんからは魔力の運用の仕方やコントロール、詠唱を短くするためのコツなどを教わった。

遅延呪文もこれまで以上の時間遅延ができるようになった。

刹那さんの『六徳崩拳』から着想を得て、変換した魔力を纏う事もできるようになった。

 

そしていつの間にか六禄さんの打撃にカウンターを合わせられるようになった頃。

徐々に変化してきた僕の戦い方を見て、六禄さんが付けてくれた名前。

 

 

「…『雷纏の反撃者』。それが僕の通り名だよ」

 

 

纏った紫電が、奔る。

 

 

 

 




原作の前に出て戦うネギ君と違い、打たせて()るネギ君に。
どんな強力な攻撃も、当たらなかったらしょうがないんですよ。
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