そんなことより、始まります!(
「…なるほど。原理は分からないけど、鉄壁というより他ないね」
「ククッ!そういうこったなぁ」
ゲートを『混濁の壁』で守ると、白髪が口を開く。
さっきのには正直、『十二の試練』を突破されるランクの攻撃じゃないかと不安ではあったが、防げたから結果オーライだ。
おおよそだが、上限ギリギリのBランクといったところか?
まあ、そんなことは、どうでもいい。
「さて、どうする?そっちのは通用しないぞ?」
「…ふむ、確かに君がいる限り目的を達成するのは難しそうだ」
「クハハッ!目的の達成?それ以前にここでやられそうなのにか?」
ゲートの破壊は、俺がいる限り実質不可能。
この状況では作戦失敗での逃走が成功するかどうかだと思うが?
「ああ。簡単な話だよ」
「あん?」
簡単?
俺を相手にするのがか?
出し抜くのがか?
…いや、そんなわけがないか。
こいつは、
「
「『
「…ッ!?」
ヤツが言葉をつむいだ直後。
突然、背後から聞こえた女の子の声。
そして突然変わった周囲の景色。
「…おいおい、こう来るかよ」
巨大な無地の立方体が無数に浮かぶ空。
その立方体の一つの上に、いつの間にか立っていた。
「…あなたは、危険すぎる」
「ここで足止めさせてもらうわよ!」
向かいにある立方体の上に立つ、ネコミミと角娘のコンビ。
この空間はたしか、角娘の方のアーティファクトだったか?
無限に続く空間に、対象を閉じ込めるとかいう。
っと、ん?
「…あれ、俺だけか?」
閉じ込められたのが、お嬢ちゃん二人と俺だけ。
つまり、こっち陣営では俺しか閉じ込められていないという状況。
「そうよ!英雄であるあなたさえ足止めできれば良いんだからね!」
…ふむ。
もしくは、ジャンヌの危険度を低く見積もっているかか?
まあ、なんにせよ大丈夫だろう。
「おい、ガキども」
「ヒッ!?…な、なによ!」
「何…?」
何せ現場には、
「俺の弟子どもを、嘗めるなよ?」
あいつらがいる。
「えっとー…」
僕の目の前に立つフェイト。
修学旅行の時には強大な敵だと思ったけど…。
「…弱くなった?」
「…酷いことを言うね、ネギ君」
彼は既に、満身創痍だった。
修学旅行の時には手も足を出せなかった、あの彼が。
それに対して、僕の身体には多少の擦り傷や打ち身はあるけれどもそれだけ。
僕達の間には今、大きな差が生まれていた。
「英雄に師事をしたんだろうけど…、ここまで強くなっているとはね。僕の攻撃が、まるで当たりやしない」
「あはは…、色々教わったからね」
実のところ、結構ギリギリではあった。
フェイトの攻撃は全て、本来なら僕が避けたり受けることが敵わないような攻撃だった。
だが、六禄さんが僕に集中的に教えてくれたのは『意図的な反射』をはじめとする、回避や防御の手段。
攻め手が欲しかった僕としては不満だったし疑問だったから、あるとき聞いてみた。
『何故、回避や防御ばかり教えるのか?』と。
答えは明快だった。
『どんなに強い攻撃ができても、相手のワンパンで沈んだら意味がない』。
僕の使える最強の魔法に、対軍クラスの『千の雷』がある。
だけど、これは今までなら戦闘中には使えなかった。
座標指定や詠唱の長さのせいで、20秒以上の時間が必要だったから。
20秒どころか5秒もあれば、確実に使おうとしている間に敵にやられてしまう。
どれほど強力な攻撃が使えても、それを行使する前にやられては意味がない。
だからこそ六禄さんは、回避のための目の使い方や歩法。
防御のための姿勢や構え、重心の動かし方を教えてくれた。
隣で皆が拳を振るう時間よりも長い時間、受身を取った。
皆が六禄さんと組み合う時間よりも長い時間、彼の拳を受け続けた。
その結果が、今の僕。
後の先を取り、自身の傷を抑えて必殺の一撃を叩き込む。
「まあ、覚えといてよ」
ジャンヌさんからは魔力の運用の仕方やコントロール、詠唱を短くするためのコツなどを教わった。
遅延呪文もこれまで以上の時間遅延ができるようになった。
刹那さんの『六徳崩拳』から着想を得て、変換した魔力を纏う事もできるようになった。
そしていつの間にか六禄さんの打撃にカウンターを合わせられるようになった頃。
徐々に変化してきた僕の戦い方を見て、六禄さんが付けてくれた名前。
「…『雷纏の反撃者』。それが僕の通り名だよ」
纏った紫電が、奔る。
原作の前に出て戦うネギ君と違い、打たせて
どんな強力な攻撃も、当たらなかったらしょうがないんですよ。