さて、あれから二ヶ月、フランス軍はロワーヌ川沿いの都市やら城砦やらを制圧し、ランスに入る。
どういうことかと言うと、
「馬よ、見ろ。あれがランスの灯だ」
「………意味が分かりません」
「いつか(飛行機が生まれれば)わかる。」
ジャンヌとの交際が二ヶ月になったということだ。
そして今、俺とジャンヌは後の勝利王こと、シャルル7世の戴冠式へ向かっていた。
行軍ばかりじゃなくて、いい加減デートさせろや!!
「で、ランスに入ったは良いけど、これからどうすんだ?特に俺」
身元がアレだし、吸血鬼だしね。
うん。
普通にヤバイ。
「………先ほど使者の方が参られて、貴方も王太子と謁見することになったそうです」
「………なぜ?」
「オルレアンでの功績が認められたとか何とか言ってましたよ」
だからなぜ出る、ジル・ド・レェ。
「聖女あるとk「よし、もう口を開くな。ジャンヌは俺の女だ」………………」
「………………(かぁっ)」
口を塞がれ、青くなるジル。
顔を伏せ、紅くなるジャンヌ。
うん。
やっぱりジャンヌは可愛い。
「聖女が可愛いのはともかく、貴方の気分はどうでもいいです。それと、何気に使者の方も待たれているのですが」
「いたの?!ジャンヌが先ほどって言ったから後で来い的な意味かと思ったよ!!」
「………………すみません」
また俯くジャンヌ。
……………これは俺が悪いのか?
なんか、異常なまでの罪悪感が込み上げるのだが。
「………なんか、ごめん」
「付き合う前から面倒臭い人たちでしたが、まさか付き合ってからも面倒臭かったとは」
黙れジル・ド・レェ。
「黙れギョロ目」
「モノローグのままでよかったのでは?!」
「黙れギョロ目」
「二度も?!」
ギョロ目をおちょくるのが、楽しくて仕方がない。
え?
使者がイライラしてる?
早く来いって?
あ、すいませんでした。
今行きます。
「お声がかかるまで、こちらでお待ちください」
「案内どうもー」
あの後、キレ気味の使者に案内されたこの町一番の宿。
そこからさらに侍女の人に案内された一室。
の、扉の前。
「この中の人間は、俺をおちょくっとんのか?」
「……………そんなことは、無いはずですが」
はずって言っちゃたよ。
自分とこの王子様を信じてないよジャンヌさん。
「………それに、私はあの人と貴方を会わせたくありません」
「なんで?」
こいつがそんなことを言うなんて、なんとも珍しい。
どんな人間か、うっすらと気になってきた。
「…………だって」
「入ってよいぞ」
「だって。まあ、理由は後で聞こう」
「……………………………その必要は無いと思います」
「え?」
話しているうちに、近衛と思わしき兵が扉を開ける。
そこには、
「よく来たな。僕がシャルル7世だ」
禿に髭のおっさn「それは教育係のエドモンだ」良いつっこみだな。
で、改めて王太子を見ると、
「………………僕っ娘系美少女?」
「………だから会わせたくなかったんです」
王太子っつーか、男装した王女がいた。
骨盤で判断したから、間違いない。
はい。
勝利王が女性になりました。