これが、物語にどう影響してくるのでしょうか。
「僕は男だ!」
「いや、嘘吐くなって。その骨盤は女のもんだよ」
「「「骨盤?!」」」
三人分の驚いた声が響くが、まあ気にしない。
むしろ、
「逆に聞きたい。何で骨盤で分からない?」
「僕にはそもそも、なんで服の上から骨盤が確認できたのかが分からない」
「………私のも見たんですか?」
ノーコメントで。
「そんなことより!僕は男だからな!!」
あ~、しつこいねぇ。
ベルバラ的な事情があるのかもしれんが、俺にとっちゃあ興味の欠片も無い。
「だったらよ、手っ取り早く分かる方法があんだろうが」
「な、なに?」
少し変わった俺の雰囲気に、うろたえ始める王女(もはや確定)。
大丈夫。
すぐに終わるから。
椅子に座る王女に近づき、
ぽんっ
「風呂行くぞ」
「……………え?」
肩を掴み、風呂に誘う。
「な、なぜ風呂なんだ?!」
「男だったら、裸の付き合いで『アレ』を競い合うのが筋ってもんだろうが!!」
「そうなのか?!エ、エドモン?!」
王女が「違うと言ってくれ!」といった感じで爺さんの方を見る。
「………その、通りでございます」
「エドモォォォォッッッン?!」
彼も男だからねぇ。
男のルールに、嘘は吐けなかったんだろう。
「だ、だが!僕は正直、自分のものに自身が無いんだ!!」
「男だったら、自分の魂に誇りと自身を持て!それが男って言う生き物だろうがぁっ!!」
この完璧な『男の理論』。
さあ、王女よ!
どう出る!
「……………僕は、女だ…………………………」
「それでいい」
嘘がばれたら、素直に認めなくてはな。
それでさらに嘘を吐くと、取り返しのつかないことになる。
というか、詳細は省くが俺が六股してたのがバレた時に、誤魔化すために全力で嘘を吐き続けたら、結果、泥沼になったことがある。
あれはしんどかった。
で、女であることを認めさせたことに対して、満足感を持って振り向くと、
「………六禄さん?」
「……………何でしょうジャンヌさん?」
まさか、六百年前のフランスで修羅に遭遇するとは。
「………浮気、ですか?」
「違います」
今のがなぜ、浮気に見えた?
「………じゃあ、私だと不満なんですか?」
「そんなわけが無い」
そもそも不満だったら告らんわ。
「………だったらなんで!私は誘わないんですか!?」
「お前が大切だからだ!!一緒に風呂入ったら、確実に最後までいっちまうからなぁ!!」
「「………………………………………………」」
「お互い真っ赤になって俯くくらい恥ずかしくなるんだったら、言わなきゃ良かったんじゃないか?」
いや、これマジできつい。
ずっと触れるだけのキス(二ヶ月間毎日)だったからな。
おそらくジャンヌは不安だったんだろう。
まさか、大切にし過ぎて疑われるパターンが来るとは思わなかった。
「あれ?結局俺たちは何で呼ばれたんだ?」
「思い出した?!このタイミングで?!」
史実では、この時代のヨーロッパには風呂に入るという習慣はないどころか禁忌とされていましたが、話を面白くするために捻じ曲げさせていただきました。