で、何で俺たちが呼ばれたかっていうと、
「オルレアンの英雄に褒美をと」
「よし、とっとと有り金吐き出しな」
「………盗賊ですか」
「友達がそうだ」
あいつ、何してるかな?
~SIDEアシル~
「ぶえっくしゅっ!」
「風邪か新入り?」
「いや、誰かが噂した感じです」
「だったら良いんだ」
ドサクサでフランス軍に紛れ込んでいた。
~SIDE主人公~
「………まあ、あいつなら大丈夫か」
「…………よく分かりませんが、信頼しているんですね」
「いや、まったく」
あれを信用してはいけない。
大事なとこで、必ず『うっかり』をやらかすタイプだ。
「………………いったい、どんな人物なのですか?」
「盗賊を続けて十年、一度も成功していない。一言で言うなら『バカ』だ」
~SIDEアシル~
「ぶえっくしょいっ!!」
「またか新入り」
「ロクでも無い噂をされているみたいっす」
この感じ、ムロクの奴だな?
~Side主人公~
「で、結局俺は何を貰えるんだ?」
話を強制的に戻す。
すると王女は、王族らしい尊大な態度で告げる。
「爵位と領地」
「いるかそんなもん」
俺は吸血鬼だぞ。
死徒的な『貴族』はできても、人間的な『貴族』なんてできるか。
「………えっとー、じゃあ、美女の奴隷を」
「お前は俺に死ねと?」
ああ、美女の辺りから、ジャンヌの目線が痛い。
「じゃあ何が良い?!」
「金、もしくは血」
これがあれば、後はまあ。
「……………わかった、金は言い値で出そう」
「だって。いくら欲しい?」
「………私が決めるんですか?」
「財布の紐は、嫁が握るもんだ」
ていうか、俺はこの時代の物価を知らねぇ。
とんでもない金額を言いそうで、自分が怖い。
「…………嫁…………………はい!」
なんか、ジャンヌが満面の良い笑顔になったんだが。
そこまで嬉しかったか、嫁発言。
「………では、前回のオルレアンでの働きを一般兵に換算すると「扉を出て左の部屋に、経済担当がいるからそっちで頼む」分かりました」
部屋から出るジャンヌ。
………あいつ、いくら請求する気だろうか?
「………亭主も亭主なら、嫁も嫁だな」
「言うな」
さて、用も済んだようだし、そろそろ自分の旅館に戻るか。
「じゃな。お・ひ・め・さ・ま」
「言うなよ!絶対に言うなよ!それ!!」
扉に向かいながら、適当に手を振る。
そのさい、ついでにワインをビンで三本貰って行くが、このぐらいはいいだろう。
後で、ジャンヌとジルとで飲むか。
~Sideシャルル~
「まったく、何なんだあいつは?!」
「男、でしょうなぁ」
「エドモン?!」
ダメだ。
エドモンがあいつに毒されてしまった。
というか、そんなに効力があるのか?
男の理論。
「ま、そんなことよりもだ」
奴らは危険だ。
僕の正体を知ってしまった。
「エドモン」
「はっ」
僕の教育係であり、今は右腕となってくれているエドモンに告げる。
「どうにかして、彼らを『イングランド軍』に殺させろ。なんなら、『教会』の手によってでもいい」
「御意に」
僕の時代に、危険因子は要らない。
はい。
腹の中真っ黒な勝利王さんでした。