またハーメルンに繋がったよ!
あれから三日経った、7月17日。
ノートルダム大聖堂で、シャルル7世の戴冠式が行われている。
荘厳な感じで、見た目もきらびやかだ。
が、
「眠い」
「………しっかりしてください」
つまんねーわ、これ。
あれだ。
学校で校長の話が長いときあるだろ?
あれを三倍つまんなくした感じだ。
なんで大して親しくもない奴が賛辞されているとこに居なけりゃならんのだ。
「………起きていたら、後でお菓子を作ってあげます」
「さ、頑張ろう」
お菓子?
甘い物?
大好きだが?
前世はスイーツパラダイスの常連だったんだぞ。
「まあ、なんにせよこれでひと段落だな」
「………そうですね」
ところで、小声ながらも戴冠式中に私語をしまくる俺たちって、正直どうなのだろうか?
「アウトでしょうね」
「だからなぜいるジル・ド・レイ」
「普通に呼ばれたのですが」
あ、さいで。
「……………お主ら黙れんのか?」
お前が黙れ、禿げ爺。
王女にベルバラ教育しやがって。
ああいう女は、何かしらにつけて面倒臭いんだぞ。
「………とりあえず、黙っていた方が良いと思います」
「なんで?」
「………あれを」
ジャンヌがこっそりと指差す先、そこにはこめかみに青筋を浮かせた王女、いや、話している間に戴冠したからもう女王がいた。
「「「……………………………………………………」」」
確認後、黙りこくる三名。
うん。
これは俺たちが悪かったわ。
その後、戴冠式が終わった勢いで、三人で入った飲み屋。
「はい、かんぱーい!!」
「………乾杯」
「乾杯」
もっと乗ってこいやお前ら。
一人だけテンションが高いとか、マジでキツイんだぞ。
まあいい。
「んごっんごっんごっ!ぷはー!ワインもいいけど、やっぱ俺にはビールかね?」
「………私は、少し苦手です」
「むむ!ビールは初めて飲みましたが、なんか、こう、訓練の後に一杯欲しい味ですな!」
そう。
それがビールの魔力だ。
まあ、日本人の俺としては、ぬるいエールよりも冷えたラガーの方が好きなわけだが。
ちなみにだが、この時代でビールは、庶民に広く親しまれた飲料水だ。
飲んだらヤバイ水が多い分、ビールが好んで飲まれる。
地域によっては、水よりも安く飲めるくらいだ。
そして、貴族は下賎なものとしてビールを飲まない。
………………………それを考えたらジルよ、お前はどこに向かっている。
まあ、少なからず貴族ではないな。
「貴方に影響を受けたのですが?」
「そんな事実はない」
そんなことは無いはずだ。
俺はそう、信じている。
で、飲み続けて数時間後。
「おい、二人とも起きろ」
「「zzzzzzz」」
「喧嘩売っとんのかお前らは?」
それなりに強く揺すっても、起きる気配がまったく無い。
完全に酔いつぶれてやがる。
「まったく」
俺一人で飲むか。
「zzzz聖女ー、愛してm「死ね」」
ドゴッシャアアアァァァッッッッッッ!!!!
俺の踵落しが、テーブルに突っ伏して寝てるジルの脳天に突き刺さる。
もはやいびきすら聞こえなくなった。
「………うっうぅん」
「ん?今ので目を覚ましたか?」
ジャンヌから、うめき声が聞こえてくる。
起きるかと思ったが、そのままテーブルに突っ伏した状態で寝てしまった。
「…………大丈夫か?」
具体的には、寝下呂とか。
あれで死ぬ人は、何気に多い。
「zzzz…………大好きですよ………六禄さんzzzzzz」
……………………またこいつは、こっぱずかしくなるようなことを。
「…………ククッ。俺もだよ、ジャンヌ」
ジャンヌの髪を、手で梳く。
ああ、今日は妙に酒が美味い。
~Side戴冠式直後のシャルル~
「あぁぁいつらぁぁぁぁぁっっっっ!!!」
「国王?!落ち着きなされ!!」
私語だらけの連中に、ブチギレていた。
はい。
勝利王が本格的に王様になりました。
Dos攻撃って、誰が、何の目的でやってたんでしょうねぇ?