魔法世界の混沌   作:逸環

23 / 124
とうとう主人公とジャンヌがアレをします。


吸血衝動と仮契約。

翌日。

 

 

「困った」

 

「………どうしたんですか?」

 

 

俺にとっては、真面目に困ったこと。

それは、

 

 

「血が足りない」

 

「………レバーとほうれん草の炒め物でも作ってきます」

 

「そういう意味じゃない」

 

 

いや、一般的にはそうだろうけどね。

ほら、俺吸血鬼だから。

 

 

「………山芋と大蒜で、何か作ってきます」

 

「下半身に血が行かないわけでもない」

 

 

安心しろ。

朝の生理現象はちゃんと起こるから。

つーか、俺の話を聞け。

 

 

「正確にはな、吸血鬼の肉体を維持するための魔力が足りないんだ」

 

 

俺の吸血は早い話が、サーヴァントたちの『魂喰らい』と同じだ。

いや、割と色々と差異はあるが、根本的な部分に違いはない。

この肉体を維持するには莫大な魔力が必要であり、ここ数日行軍と戴冠式で血を吸っていない俺の身体は、割と限界に近かった。

 

 

「それからもう一つ、それに関係した問題がある」

 

「………何ですか?」

 

 

こっちも割りと重大なんだが。

 

 

「お前が欲しくてしょうがない」

 

「………私は、いつでも良いですよ?」

 

「意味が違うわ。欲しいのは血だ」

 

 

いや、思わせぶりな言い方をしたのは俺だけどさ。

それをやったらアウトだっての。

だから我慢してんだろうが。

 

 

「しかし、なぜ聖女の血を吸いたいのですかな?」

 

「もう何も言わんぞ?ジル・ド・レェ。そして理由は簡単だ。吸血鬼の生態って言うか本能でな、自分が好意を持った相手、特に恋慕の情を持った相手に対し強い吸血衝動を抱くんだ。そして、それは吸血をせずに飢えれば飢えるほど、渇けば渇くほど強くなる」

 

 

今までは我慢できたが、身体の影響かその理性も吹っ飛びかけている。

いや本当に、マジでヤバイ。

 

 

「それは、私ではどうしようもないですねぇ。陛下に頼んで、死刑囚でも融通して貰っては如何でしょうか?」

 

「アレに頼んだら、弱みを握られそうでヤダ」

 

 

あのベルバラめ。

あいつ絶対腹黒だぞ。

 

 

「「うーん」」

 

 

と、男二人で悩んでいると、

 

 

「………必要なのは魔力なんですよね?でしたら、なんとかなります」

 

「「え?」」

 

「………『仮契約(パクティオー)』というんですが」

 

 

おっとぉ。

まさかのパターンだよ。

 

 

 

 

 

 

 

「その、『仮契約』とは何なのですか?」

 

「………魔法使いとの、従者の契約です。基本的に、魔法使いの世界に伝わる昔話にならって、魔法使いには『魔法使いの従者(ミニステル・マギ)』と呼ばれるパートナーがいた方がよいとされています」

 

「いや、そもそもなんで『仮契約』しようってんだ?」

 

 

まあ、俺は知ってるには知ってるけどね?

 

 

「………『仮契約』をすると、魔法使いはパートナーに魔力供給ができるんです。今回必要なのは、魔力ということなので」

 

「ああ、なるほどね」

 

 

理由は分かった。

つーか分かっていた。

さて、問題は、

 

 

「どうやんの?」

 

「……………一番簡単なのは、魔法陣の中でキスを「私は許しませんよ?!」「黙れ」「ふぐぉっ?!」………………」

 

 

腹に一撃を入れ、ギョロ目を黙らせる。

まったく。

(わめ)くな、ギョロ目が。

 

 

 

 

 

「これでよし、と。じゃ、やろっか」

 

「………はい!」

 

 

さくっと床に魔法陣を書き、その上に二人で乗る。

 

 

「…………なんか、恥ずかしいな」

 

「………毎日してるんですけどね」

 

 

そして、どちらからともなく二人の顔が自然と近づき、唇が触れる。

発光の後現れたものは、

 

 

「ほう。これがパクティオーカードか」

 

「………はい!」

 

 

 

 

………………………なぜ、絵柄の俺は袴に上半身は羽織だけ?

おもいっきり、和風ネロ・カオスなんだが。

 

 

 

 

 

 




『水無月 六禄』のカード

称号:生きたがりの混沌
徳性:希望
方位:中央
色調:黒
星辰性:太陽
数字:666


といった感じですね。
アーティファクトは後々出てきますので、それまでお待ちください!



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。