そろそろ手紙を見たシャルル7世が絶叫しているであろう頃、とりあえず手近な森に身を隠した俺とジャンヌ。
「ククッ、今頃あいつ、キレてんだろうなぁ」
「………本当に、軍を抜け出してよかったのでしょうか?」
良いと思うが?
義務と責務は、オルレアンの時点で果たしていたわけだし。
ジャンヌが聴いた『声』とやらの妄言も、ベルバラの戴冠っていうことだったから既に終わったことだし。
「むしろ残業手当が欲しいのだが」
「………それを考えると、一年間の残業ですからね」
凄い額になるね。
後、訴えたら絶対に勝てるね、これ。
「そもそも、俺は『お前』と契約したのであって、『フランス』とはしてないしな」
「………そういえばそうですね。…………いや、私は契約していましたが」
だったな。
まあ、俺にはどうでもいいことだが。
「で?これからどうするよ?」
ぶっちゃけ、決めてないんだよね。
手紙には勢いで故郷に帰るって書いたけど、俺の故郷は日本だし、中世フランスからどうやって行けばいいのか、皆目見当もつかない。
「………で、では、まずは私の両親に、その、挨拶を………」
「乗りな」
因子の中から馬を一頭取り出して、親指で指差す。
うん?
この時代の結婚の挨拶って、どんな格好をしたらいいんだ?
「………あの、その馬」
「ああ、いつも通りの『獣王の巣』万歳だが?」
よく見てるだろ?
鶏とか鶏とか鶏とか。
「………いえ、そうじゃなくて」
「ん?んお?!」
確認してなかったがこの馬、ユニコーンだとぉ?!
いや、確かに馬だけど!
幻獣って、おい!?
「さすがにこれはダメだな」
「………目立ちすぎますからね」
「悪目立ちだな」
ユニコーンを戻し、再び馬を出す。
「………なかなか思い通りに行きませんね」
「ああ。それもまた、人生らしいがな」
……………今度はペガサスかよ。
角の代わりに翼かよ。
お前は紫巨乳のライダーさんに『
はい、次ー。
「………なんか、ずんぐりむっくりしてますね」
「これ、俺の故郷の馬なんだが」
なぜに日本種。
こいつは基本、山専門だろうに。
「もう、これで良いか」
「………諦めました?」
うん。
心が折れたわ。
「この馬に、兵舎からパクっておいた鞍をつけて、と」
……………あれ?
「………どうしました?」
「鞍のサイズが合わん」
ダメだ。
この馬、横幅がデカ過ぎる。
ガサッ
と、ん?
近くに誰か来たか?
場合によっては、喰い殺さなくちゃならんが。
「まったく、貴方たちは私にまで黙っていくつもりですか?」
「おいこら、ストーカー。駆け落ちまで付け回すんじゃねえよ」
「………うわぁ」
馬の跨った、ジル・ド・レェだった。
正直、大体の予想はついていた。
つーか、珍しく会話に割り込まなかったな。
が、見ろ。
とうとうジャンヌがガチで引いたぞ。
このギョロ目の変態め。
「ミナヅキさん」
「んあ?」
なんだこいつ?
真面目な顔しやがって。
「私と、決闘して頂きたい」
……………………へえ?
活躍したんです!
実際は主人公を微妙に困らせただけとか、そんなことはないんです!!