魔法世界の混沌   作:逸環

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ところで、40話を過ぎて原作に入る兆しがないのはこれいかに。


悪魔の化身。

「2012年はせ、せ、世界の滅ぶ年~♪」

 

 

調子外れに歌うが、実際2012年に世界が滅ぶわけではないらしい。

 

ペルーに着いて四日目の夜。

連日のように続く宴会に参加し続けたわけだが、いい加減一つの港に居るのも飽きたため、マヤの遺跡でも見に行こうかとしていた。

 

夜の町の明かりの中、ジャングルの方角に向けて歩き出す。

 

 

「マヤのピラミッドは、蛇が階段の飾りになってるらしいな」

 

 

未だにエジプトのピラミッドは見れてないんだよね。

だから先に見ておきたいってだけなんだが。

 

 

「さて、お前はどうする?………エル・ドラゴ」

 

「ありゃりゃ、バレてたのかい」

 

 

後ろに声をかけると、物陰から現れたエル・ドラゴ。

 

 

「何時からバレてたんだい?」

 

「俺の5M後方を付回したときから」

 

「最初からじゃないか!?」

 

 

いや、だって5Mだぜ?

しかもヒールだぜ?

そりゃ分かるって。

 

何でそれでバレないと思ったよ?

 

 

「で?何でつけてきたんだ?」

 

「あんたが道に迷ってたから、呼び止めようと思ってね。欧州に戻る船は、そっちにはないよ」

 

 

………ククッ。

なるほどねぇ。

 

 

「迷ってなんかねえよ。ちょっとばかし、見せたい物があったんでな」

 

「………死んだ嫁さんにかい?」

 

「おう」

 

 

まだまだあるぞ?

あいつに見せたかったもんなんて。

 

 

「………あんたは………………、あんたは何時までそうやって生きてくつもりなんだい!?」

 

「!?急に怒鳴るな!」

 

 

何なんだこの女は!?

あー、耳がいてえ。

 

 

「なんで、なんでそんな生き方しかできないんだい?…これじゃあ、あんたがアンマリじゃないか」

 

 

俯いて、唇を噛み締めるエル・ドラゴ。

その表情は、今にも泣きそうだ。

だが、

 

 

 

 

 

 

 

「話はそれだけか?だったら、もう行かせてもらうが」

 

 

踵を返して、とっとと目的地に行こうとする。

俺の生き方は、あの時に固定されてしまった。

いまさら変えることなんて、できはしない。

 

 

「待ちな!」

 

「ああ?」

 

 

うろんっ

 

 

と、そんな擬音が似合うかのように、首だけで振り返る。

俺を呼び止めたその顔は、何かを決意した顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………アタシは、あんたが好きだ」

 

「………え?」

 

 

は?

いやいやいやいや。

 

 

「えっとー。お前、俺のこと嫌いだって言ってたよな?」

 

「あんたのその身体が嫌なんだ。でも、あんたは嫌いじゃない。前にそう言ったはずさね」

 

 

………あー。

なるほど。

言ってた言ってた。

 

 

「て、納得するか。阿呆め」

 

「だろうね。じゃあ」

 

 

一歩、俺に近づくエル・ドラゴ。

 

 

「こういうのはどうだい?」

 

 

 

 

 

 

クチュッ

 

 

 

 

 

気がつけば、唇どころか舌が触れていた。

 

 

 

 

 




はい。
唇を奪われました主人公。
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