「ホッホッホ。皆、よく集まってくれたの」
騒然としてきたところに、近右衛門がぬらりくらりと現れる。
タイミングが良いと言うか、なんと言うか。
「学園長!この男は、いったい何なのですか!?」
「紹介すると言っていたのは、このふざけた格好の男なのですか!?」
ふざけたとは何だ。
俺の冬場の外着(特に何もない時用)に、いちゃもんをつけるのか?
「なあ、シャークティーちゃん」
「なんでしょう?」
「俺、帰っていいかな?子供たちも心配だし」
「学園長に聞かれては?」
だよねー。
「今、儂の手の者が迎えにいっておるから大丈夫ですじゃ」
「………あ?」
つまり、それは俺に対する人質ということか?
余計な動きをとらせないための?
「なにしろ、あの子達は幼いながらも素晴しい実力を持っているようですからのう。戦力としては、多い方が良いのじゃよ」
「なるほどねぇ」
表向きは、そういう方便のもと、か。
しかし、俺の子供たちの実力を知ってるとは。
どうにも、覗かれてたみたいだな。
いや、割とおおっぴらに李氏太極拳教えていたけどね。
でもなぁ、
「………水無月神父、抑えてください」
俺の雰囲気を悟ってか、シャークティーちゃんが頼んでくる。
が、
「舐めてかかってんじゃねえぞ、小僧」
俺は、父親なんだよ。
~Side近右衛門~
ズンッ!!
周囲の重力が、いっぺんに跳ね上がったかのような錯覚を受ける。
今まで体感したことのないほどの威圧感じゃ。
ここまでの威圧感は、若い頃に調子に乗って対峙した龍樹をあっさりと超えとるぞい。
しかし、儂を小僧呼ばわりとは、いったい実年齢は幾つなんじゃ?
まあ、ここは怯えてしまっている魔法先生や生徒たちのために、儂が弁明するしかないのう。
はあ、冷や汗と脂汗が止まらぬわい。
「舐めてなどおりませぬ。これはあくまでも、そちらが子供たちが心配だろうと思ったからで」
「俺としては、夜中に子供が出歩いていることが不安」
ああ、うん。
正論じゃな。
儂も木乃香が夜中に外を出歩いていたら、すごく不安じゃし。
「すまなかった」
「分かればいい」
周りの人間たちは、このスムーズにも程がある流れに唖然としておったが、タカミチ君やガンドルフィーニ君などの保護者組は、深い理解とともに頷いておった。
~Side主人公~
「父さん!」
「お、真名!」
真名と刹那が、弐集院とかいう魔法教師に連れられてやって来る。
というか刹那よ。
お前は俺に声をかけてはくれないのか?
お父さん、悲しいぞ?
「………眠いんや」
ああ、でしょうね。
お子様には、この時間帯はキツイよね。
「父さん父さん父さん父さん」
「おぉう。深夜のテンションで、真名が壊れとる」
連呼は止めろ。
ヤンでるのかと疑ってしまう。
で、ようやく場が落ち着いた辺りで、
「麻帆良教会で神父をやっている『水無月 六禄』だ。今日から夜間警備に入ることになった。ちなみに年齢は500歳オーバーだ」
「その娘の真名10歳と」
「双子の刹那や」
サクッと自己紹介をした。
「「「「「「いやいやいやいや!!年齢500歳オーバーって?!」」」」」」
あ、そこから説明が必要と。
はい。
腹黒い人を圧力で捻じ伏せました。