魔法世界の混沌   作:逸環

63 / 124
卒業式です。
季節に合わせたかった………。


卒業式。

あれから1年が経ち、桜が一番咲き誇る季節になり、とうとうこの日が来た。

 

 

「父さん!早く早く!」

 

「そうやで!今日はうちらの卒業式なんやから、絶対に遅れたらあかん!」

 

 

そう、真名と刹那の卒業式だ。

 

 

「なんか、父ちゃん無駄に気合はいっとる」

 

「小太君の入学式の時なんか、大して変わらへんって言っとったんにな」

 

「阿呆、入学式と卒業式は違う」

 

「?何が違うんや?」

 

 

義務教育終了のカウントダウンが進む実感が違うとは、決して言うまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、タカミチじゃねえか」

 

「あ、水無月さん。こんにちは」

 

 

会場である小学校に着くと、入り口近くの喫煙所でタカミチが煙草を吸ってたから、声をかけた。

しかし、まだ若いはずなのに、何だこの渋メンは。

なぜこんなにも煙草が似合う。

 

 

「そういえば、明日菜ちゃんも今日だったか」

 

「そうなんですよ」

 

 

タカミチが保護者をやっている、『神楽坂 明日菜』。

うちの姉妹とタメで、確か『黄昏の姫巫女』とかいったか?

まあ、なんか重要なポジションに居た気がするが、どうでもいいだろう。

 

タカミチと同じベンチにどっかりと座り、空を見上げる。

 

 

「………親父になってから、もう7,8年経つんだよなぁ」

 

「………僕もですよ」

 

 

いや、お前は違うだろうよ。

なに空気に酔ってんだ。

 

しかしまあ、ジャンヌと死に別れて、世界中を旅してたら生まれたばっかの真名を拾って、その後刹那と小太郎を拾って、ちっとは親父らしくしようと思って就職して、毎日毎日家事やら子育てやら、夜泣きは酷いは寝小便はするわ、やたら風邪はひくわで、どいつもこいつも手はかかったが、

 

 

 

 

 

 

 

 

「…まあ、悪くはなかったな」

 

 

見上げた空は、蒼かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『水無月 刹那』」

 

「はい」

 

 

刹那が呼ばれ、壇上に上がる。

 

 

「水無月 刹那、右に授与する」

 

 

証書を受け取り、壇上を後にする。

あ、なんか泣けてきた。

一人目でこれなんだから、真名の番になったらどうなってしまうのだろうか。

 

 

「『水無月 真名』」

 

「はい」

 

 

お、真名の番だ。

 

 

「水無月 真名、右に授与する」

 

 

真名が、両手で証書を受け取る。

その顔はやっぱり、少し緊張しているみたいだ。

そして涙が止まらない。

 

事前に三脚を用意しておいてよかった。

 

 

「父ちゃん、涙なんか出とらへんよ」

 

「男は人前で涙を見せちゃいけない。だから心の中で泣くんだ」

 

 

というか、お前今心読んだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

で、娘二人と合流してから家に帰るんだが、

 

 

「ふんふん♪」

 

「…真名、腕を組むのを止めろ」

 

「嫌だ」

 

「………………………………」

 

「ふんふん♪」

 

「…刹那姉ちゃん、腕組むの止めてくれへん?」

 

「嫌や」

 

「………………………………」

 

 

男二人と、女二人のテンションの差が著しいにも程があった。

 

まあ、とにかく今日は赤飯だ。

 

 

 

「ああ、そういえば言ってなかった」

 

「「え?」」

 

「卒業、おめでとう」

 

 

そして、生まれてきてくれて、ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 




次回は登場人物プロフィールです。

そしてなんと!
なんとなんと!

その後は原作入りです!
やったね!
原作に入るまで60話以上かかっていました!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。