さて、自己紹介の後授業をするようなので、そのまま授業参観と洒落込んだわけだが、
「届かないぃぃ………」
その寸足らずなボディで、見事にネギが笑いを取っていた。
そして真名、お前はずっとこっちを見ているんじゃない。
そのままだとバカレンジャーの仲間入りだぞ。
しかし、教室中を見回すが、エヴァンジェリンの姿が見当たらないな。
そもそも、『魔法世界』に行っていた時も、『
そのくせ、茶々丸はクラスにいるという、このおかしな状況。
どこかに隠れているのか?
茶々丸の存在を考えれば、いるとすれば『超 鈴音』のとこか?
だが、あいつが麻帆良に来た痕跡はないし、俺の放っている分体の網に引っかからないことはないはずなんだが。
いや、待てよ。
俺が麻帆良に来る以前に来ていたとすれば?
しかし、その場合はいったいどこにいた?
俺は麻帆良に来る前に、事前に分体を飛ばして探りを入れておいた。
その時には、何かしらの害になりそうな者や異物はなかったが。
もちろん、エヴァンジェリンはどこにも、それこそ地下にもいなかった。
「まあ、どうでもいいか」
もし奴がいたならば、その時に対処すればいい。
もし違うならば、今まで通りで良い。
だが、もし他のイレギュラーであるのならば、
「ククッ。俺と家族に害を与えるのでなければ、放置しておくか」
それ以外のことは、どうでもいい。
さて、授業の後は原作通りにネギが前髪っ娘を助け、明日菜ちゃんとなんだかんだした後、歓迎会をしたわけなんだが、
「そういえばネギよ、お前家はどうするんだ?」
「あうぅ…。実は、学園長の予定では明日菜さんと木乃香さんのお部屋に泊めていただくつもりだったらしいのですが」
「朝にやらかしちゃったもんな、お前」
「はい…………」
まさか、こんなところで、原作がぶっ壊れるとは。
いや、相当前から壊れていたか?
まあ、しょうがないか。
「うちは教会だし、少しの間なら泊めてやれるが?」
「え?」
「来るか?うちに」
部屋だけなら、無駄にあるしな。
娘たちに手を出さないなら、別に可だ。
「いいん、ですか?」
「余計なことさえしなければ、な」
「ありがとうございます!」
満面の笑顔で、お礼を言うネギ。
うん。
やっぱり子供の笑顔は良い。
「じゃ、時間も良い時間だし、そろそろ解散して帰るか」
真名と刹那を呼び、ネギも合わせて帰路に着く。
途中で友達と遊んでいた小太郎と合流し、五人で家に帰る。
その途中のことだった。
「Scenes of my childhood arise before my gaze~♪」
え?
人混みの喧騒の中、聞こえて来た歌。
曲は妙に明るいのに、歌詞はやたら薄暗いあの歌。
ひどく懐かしい、置き去りにしてきた声。
振り返ると見える、小柄な身体に花嫁衣裳。
しかし、それもすぐに人混みで見えなくなる。
「『A violet from mother's grave』………」
「どうしたんだ?父さん」
立ち止まった俺を、真名が心配そうに伺う。
「いや、なんでもない」
そう言って、足を動かす。
そう、なんでもないんだ。
お前が、ここにいるはずがないのだから。
~Side???~
「This small violet I plucked from mother's grave~♪」
以前と変わらない、この歌声にこの容姿。
彼は気付いてくれたかな?
ワザと近くをすれ違ったけど、分かってくれたかな?
分かってくれるよね?
だって私は、
「あなたのことを愛してるんだから」
だからあなたも、私を愛してるよね?
ねえ、『まーくん』?
最後に出てきたのは、いったい誰でしょうか。
伏線は既にしいてある!